表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Coração da máquina  作者: ヤマ
Coração humano
3/16

story:3 君を愛して歩いて行く

 言葉が少したどたどしい。

 服も買ってやらないと。

 誰かを思って考えて行動すること、とても久しぶりな感覚だ。思わず頬が緩む。

 さて、さしあたって。

 ――何をしよう。

 まあ、急いでもいい結果は出ない。今日はティアモをこの世界に慣れさせよう。

 ティアモは、どんな子なのか、それを僕は理解しなければならない。


「ティアモ」


「?」


 呼ばれて困っている、そんな顔も綺麗だ。

 日が昇ったばかりで、窓際に立つ僕を眩しそうに半目になりながらも頑張ってみてくれている。

 しかし。

 反応から察するに、自分の名前を知らないと見た。


「いいかい」


 優しく問いかける。

 今さっきまで君を捨てようとしたのに、もう怯えていない。君は強いな。


「君の名前は――ティアモだよ」


「ティアモ、トハ……ドウイウイミデスカ?」


 高い機械音で、そう問うてくる。

 君から望まれた答え。それを答えないなんてことはしない。

 だって、君が望んだことだもの。


「それはね――――――」


「ソウナノデスカ」


 言葉は、伝わったのだろうか。

 ティアモからすれば意味の分からない単語が並べられて、理解してくれたのだろうか。 途端、ティアモは笑顔になって。


「ワタシハ、コトバヲシリマセン。デモ――ワタシハソノヒビキガスキデスヨ」


 不意にそう発せられ。

 何故だか知らないけれど、とうの昔のことを思い出して、目端が熱くなって。

 見られたくなくて、ティアモを抱きしめて。

 嗚呼。

 君は今も。

 元気にしているだろうか。

 あの時の君は――泣いていた。

 雨が降って、それでも君が涙にぬれているのが分かった。

 だから、この子は。

 泣かさないように、歩いて行こう。

 ティアモ、君の名前に込めた意味とは真逆のことはしてあげたくない。

 二人で歩いて行こう。君も僕も強く歩いて行こう。

短くてゴメンネ……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ