未来の人間。
朝の冷たくて弱い光。
白いレースのカーテンから、その光が部屋へと入ってくる。
昨日の猛暑が嘘のように、早朝は冷えきっていた。
2階建ての一軒家。
その2階の角部屋。
8畳程の広くも狭くもない部屋。
東側には小さな窓。南側には大きな窓があり、広くて殺風景なベランダに繋がっている。
僕はその部屋で死んだように寝ていた。
静かに登ってくる太陽の気配を感じることもなく、じっとベットの中でうずくまっている。
しんとした部屋に、目覚まし時計のけたたましい音が響く。
布団から手だけを出し、手探りで目覚ましを探す。
音を止め、いまの時刻を確認して起き上がる。
暗い階段を降りていき、1階に降りる。
ヒンヤリとした廊下が足の裏から伝わってきた。
1階にも誰もいない。
それはそうだ。
なんせ、この世界には、
僕しかいない。
正確に言うと、僕以外の人間が全員消滅した訳では無い。
2452年、世界総人口は200億人を越えた。
都心では、人間たちは片手にスマートフォンを持ち、移動をするのが当たり前であった。
他人とぶつかっても何の言葉も交わさず、スマホに没頭する。異常な光景に誰も何も言わなくなっていた。
そんなある日、朝目を覚ますと、
父がいない。
母がいない。
近所の人たちも、
学校のみんなも、
誰もいなくなっていた。
愚かな人間たちは、自分以外の人間の大切さを忘れ、他人が見えなくなってしまったのだ。




