心に悪魔を飼う聖女
生活が今までと一変してしまい、更新が遅れました事お詫び申し上げます。
これからも更新速度は亀さん状態です。ごめんなさい!
東の森はさして広く無かった。だが不自然なくらい生物の気配は薄く、素人なら「気味が悪い」と言って引き返してしまうだろう。
――そう、素人ならば。
「ふむぁ~……くっさ……」
「オリエッタ?」
眉間にシワを刻んで鼻をつまむ少女に、エドガーは首を傾げた。
「魔素が溜まりすぎてて臭いです。最悪ですよホント」
「いや、魔素って臭わないよな?」
魔素は魔獣の放つ瘴気であり、また新たな魔獣が生まれてくるのに欠かせない毒気を含む魔力の吹き溜まりだ。よほどの事が無い限り無色透明で無味無臭である。
「私達は五感が鋭くなるよう弄られているんですよぉ。ううぅ……入りたくないなぁ」
とっとと済ませたい気持ちはあるものの森へ入る事を渋っているオリエッタ。そんな彼女を眺めていたエドガーは、ここに来た瞬間から気になっていた事を訪ねてみた。
「あのさ、時戻しの範囲ってどれくらいなんだ?」
「は?」
「俺らって、『時戻し』の範囲から出られないようになってんだよな? 村から現在地まででもかなり距離あるのに、この森含めたら広すぎるだろ」
「馬鹿ですか。森なんか範囲外に決まってるでしょう、術者の目と鼻の先にある場所ですよ。うっかりしたら術かけてる自分達が死んじゃうでしょう」
「どこまでも刺々しい返答!」
もう嫌だコイツ! と思った瞬間に「あれ?」と、エドガーは首を傾げる。
じゃあ何でコイツ、森に突入しようとしてんの? 出来ないだろうに……、と。
「簡単な話ですよ。つまりこれは、『時戻し』では無い」
「……マジか」
「殲滅系なのは間違いないでしょうけど、範囲指定の『ハ』の字も感知出来ません」
「あー……って、ソレもしかしなくても拙いんじゃないのか?」
範囲指定が無い殲滅魔法。
つまりそれは、何処まで逃げてもさし迫る天災。
「最悪のパターンです。おそらく術者はそれを知らないでやっているか……気が狂った集団なら二階級特進覚悟でやっているか……たぶん前者でしょうね」
「もしそうだったら、その事話したら術式の展開止めてもらるんじゃねーか?」
オリエッタが、まるで腐った生肉に向けるような目でエドガーを見た事は言うまでも無い。
「貴方って……現実見ているようで馬鹿と言うか、地獄を知ってるくせに忘却の彼方に押しやっていると言うか……とにかく虫唾が走るほど甘っちょろい面がありますよね」
一つ!
と、オリエッタは人差し指を顔の横で立てた。
「魔素溜まりの森を抜けて来るような怪しさ爆裂してるガキ二人の言葉を魔に受けるほど、向こうも馬鹿じゃ無い!」
二つ!
と、中指も立てて彼女の手の形がチョキになる。
「仮に信じてもらえたとして、中途半端なところで大魔法の術式展開なんぞ止めたら暴発します!」
そして3つ目――――。
「わざわざ交渉なんて面倒な事して敵を生かす必要は皆無です!」
「そんなキッパリ言うなよ!」
エドガーが若干睨むような目つきで言うが、オリエッタはそれに対して大きなため息を返した。
「はぁ……。さっきも思いましたが、あなたは私の事をだいぶ勘違いしてます」
「『さっき』?」
「えーと、クズ虫性犬野郎に言ってたでしょう。誰も死なない方法があるならそっちを取るとか何とか……私、全然そんな事考えてませんでしたよ?」
無言になるエドガーに、オリエッタは更に追い打ちをかけるかの如く続ける。
「そもそも私は、人間という愚物にほとほと嫌気がさしている」
――前世だろうが現世だろうが。
口の中だけで囁かれたその言葉は、勿論エドガーの耳に入っていない。
だがその際のオリエッタの赤い目は、余りにも冷たくギラリとしていて、彼は心臓に剣を突きつけられているかのような感覚を覚えた。
「……お前――」
「あ、良いもの見つけました。エドガー、森を飛び越えますよ!」
コロリと表情を変え、特に意図せず彼の言葉を遮ったオリエッタは、細いエドガーの腕を今一度掴む。当然ながら掴まれた方は「は!? 森をどうするって!?」と焦った声を上げたが、
「五秒で終わらせます」
宣言するなり事を起こしたオリエッタに対し、叫ぶ余裕すら持てなかった。
唐突すぎる浮遊感、森の一番高い気など等に超えた雲上の寒さ、何よりも勢いに負けて外れた肩の痛みに一瞬、本当に心臓が止まった。……不死身なので、問題無いが。
そして再び心臓が動き始めるのと同時に、一度暗くなったエドガーの視界はまた鮮やかさを取り戻す。
落下という形で雲から出て、眼前に真っ先に飛び込んだのは、巨大な光の魔法陣だ。しかし、村の上に出たものとは別である。
蓮の花のような美しい陣だった。その下で、多くの魔術師達が呪文を詠唱している様が伺えた。そんな彼等の元から雪のような光の粒が、ゆらめいては消え、ゆらめいては消え、魔法陣を形成している。
クスリ……、と。エドガーは、すぐ隣からの微かな笑い声を確かに聞いた。余談だが光の粒の正体が魔力であり、蓮の花の陣がソレの集まりであるという事を、この時のエドガーはまだ知らない。
オリエッタの小さな白い手が蓮の花の中心にぶつかる。
刹那、蓮の花が弾け飛んだ。
――否、雨のように散り、音速で下の宮廷魔導士達を虫にように殺し尽くした。
生存者がゼロになった所でオリエッタが風の魔法を使い、エドガーも無傷で着地する。
例えるとか、比喩とか、そんな言葉は必要無い地獄が広がっている。
光る針だらけの屍がゴロゴロと岩のように転がり、赤黒い水溜りが今にも川になりそうな勢いで広がっていた。
今死んでいる魔導士達の中に、この結末を予想出来る存在が一人でも居れば、未来は変わっていただろう。だが、予想出来なくて当然だった。魔力を別の何かに変えられるようなデタラメな存在など通常、御伽噺くらいにしか登場せず、更に数千人の魔力が混じり合った物質で体をメッタ刺しにされ、己の魔力との拒絶反応によって暴走を起こし臓器が破裂するという不運の連鎖など、普通の人間には訪れない事だから。
「何ボサッとしているんですか?」
パチャン、と。
血溜まりの上を進もうと一歩踏み出したオリエッタの声に、エドガーは己の耳を疑う。
「このくらい普通でしょうに、目的を果たしたのですから早く村に戻りましょう?」
そう……。オリエッタは、その言葉通り『普通』――普段通りの表情と声音だったのだ。気味が悪いと、百人この場にいれば全員が同意するほどに。
エドガーはオリエッタに手を引かれて歩き出す。
空は暗いが、針が光っているため平原は煌々と明るい。ところで、暗い場所で灯りを見ると、人は安心するものだが、今のエドガーにそれは全く当て嵌まらなかった。当然と言えば当然だ。灯りを見れば、必ず人の死体も視界に飛び込んでくるのだから。だが、此処は何処もかしこもそんな屍の針山だらけだ。どうあがいても見えてしまう。一つ、人の顔が分かる死体があった。もう命の火は完全に消えているだろうに、ギョロリと目が動いた気がして、「熱い、痛い」という幻聴まで聴こえて、彼は吐きそうになったがグッと堪えた。
そうして堪えて、堪えて、針山地獄の端。再び森のすぐ目の前に辿り着いた鳴らせばは、およそ七分後の事だ。
パチンと。オリエッタが涼しい表情で指を鳴らせば、この場を照らすライトの役割を果たしていた光の針が一斉に消える。
現れたものに、エドガーは全感覚が麻痺した気分になった。
穴塗れどころか、もはや鋭利な針の先で削られて原型をとどめていない死体の方が多い。
「……オリエッタ」
「ん? 何ですか? さっきから変ですよ、口数も極端に少ないですし」
口を開きかけたエドガーの目に、不意にオリエッタの足元が映った。
通ってきた道と同色――否、もっと薄汚い染みで汚れている。そしてそれは、彼自身の足元も同じ。
――今、自分は何を言いかけた? 非難しようとした? そんな資格……無いくせに。
エドガーの中で、人を殺そうとする事や殺す事は、躊躇う事では無かったはずだ。
大事な人達を殺された事があり、誰かを殺す事に加担した事があり、また、今から村一つ消す気でいたのだ。
目に前で、実際に何千人も殺されたのを見て急に足を竦ませたのだと自覚して――
「俺……卑劣だ」
ポロリと、小さく零すのがやっとだった。
俯いているエドガーを、オリエッタはただただ静かに見据える。
「俺……今は、この光景を肯定したくないと思ってる。『これしか方法が無かった』とか、『仕方ない』とか、そんな言葉で片付けたくねぇ。でも、俺にはソレを言う資格が無くて、こんな地獄絵図以外の選択肢が一個も頭に浮かばなくて…………口先ばっかで、力が無さすぎる」
エドガーがそう言って俯き、オリエッタに黒い頭をよく見せる。すると彼女は「至極どうでもいい話です」と、バッサリ切り込んできた。
「思いたいのなら、勝手に思っていなさいな。私が思想の自由すら許さない暴君だとでもお思いなのですか? まったく」
ツンとそっぽを向いた彼女は、エドガーの腕を掴んだ。そしてまた森を超える。
今度は雲の上などと規格外な飛翔はせず、森の一番高い木の上を一メートル上回ったくらいの緩やかな移動だった。
着地はオリエッタの機嫌が若干斜めになっているからか、足がやや痺れたけれども。
再び来た道を戻るオリエッタの一歩後ろを行くエドガーには、当然ながら彼女の今の表情は見えない。だが次の言葉を聞き、
「無力も無知も、罪であり悪であり、情けない事この上ありません。が、……貴方が抱いた気持ちは、間違ってませんよ。……その気持ち、大事にしてくださいね」
一つ、小さな希望のようなものと共に、疑問を抱いた。
どうしてオリエッタは……、人間に嫌気がさしていると言い切ったのか?
全然、そうには見えないから。
「……おかしいですね」
「え?」
不意に止まったオリエッタが、空を見つめてポツリと呟く。
「術式が止まっていません」
空が、未だに暗いまま。
その事にエドガーもハッとして、村の方角へと目をやった。
星が流れてはパンと弾け、水溜りに落ちる雫のように波紋を作り、今もその上空に魔法陣を描き続けている最中だ。
「ふむ、術者が別みたいですね。今始末した連中は囮役だったようです」
「嘘だろ……。あの人数を捨て駒にしたのかよ」
***
崩壊寸前の教会の中に、床に跪き祈りを捧げる少女の姿があった。
美しい少女だ。それは闇の中でもよく分かるのだが、今彼女の周囲は暗くなかった。
彼女を中心として、教会の中を淡い光が蛍のように舞っているから。
光の反射で月のようなプラチナブロンドの長い髪が煌めき、閉じられていた瞳がゆるりと開けば、淡い紫にも水色にも見える瞳が光るように潤んでいる。
だが、見た目通りの年では無い。列記とした成人女性だ。彼女は『聖女』――その身と心を人にも神にも捧げず、王族でも政府でも無い国そのものに捧げる盟約を結んだ王とその妃の相談役である。聖女は、その称号を与えられると同時に体の成長を止められてしまう。次代の聖女候補の教育が粗方終わるまで、秘術を用いて。
彼女――セリーヌ・ブランズは今年で二十八になる。聖女になったのが齢十五、変死し易い聖女という役職の任期最長記録をここ数年叩き出し続けている。魔女という悪名も、陰で囁かれながら。
ところで、先にも出したが、この国の聖女は神に仕える聖職者の類では無い。ならば何故、何に、セリーヌは祈っているのだろうか?
「まさか、死地のド真ん中に態々お出ましとはな……」
突然、穴が開いた壁の方から聞こえてきた青年の声。それにセリーヌは「あらあら」と、おっとりとした仕草で振り向いた。
「ラヴィ様……貴方様は、確か蓑虫にされていませんでしたか?」
微笑みを浮かべるセリーヌに対し、声の主であるラヴィは醜悪な物を見ている表情だった。
「ソレ知ってるって事は、テメェ……やっぱロミルダに薬盛っただけじゃ飽き足らず、魔法で操ってやがったな」
「事前に本人からの同意は得ております」
「黙れ詐欺師が」
ラヴィは、息を吐く事でセリーヌの澄まし顔に一発叩き込みたい衝動を堪える。
「何で『時戻し』なんて大層なモンする結論に至った?」
「普通の方法では駄目だと判断したからですわ。どうせ需要の無い庶民が大半の村です。何の問題もありません」
セリーヌの瞳と声音からは、全く嘘偽りを感じない。
「お前……昔っから変わらないな……。ヘラヘラお綺麗な顔しながら身分差別主義者で」
「そう言う貴方様はとてもお変わりになりましたね。驚くほど女性のお尻を追いかけ回すようになってしまって……どこで教育を間違ったのでしょう?」
字面だけ見れば、彼女は呆れているような物言いだが、その表情は昔を懐かしみ若干楽しげだ。
「誤解を招く言い方すんなよ。俺が見境無しに追っかけてると思ったら大間違いだ」
「存じておりますよ。だって、私には冷たいですものね」
「当然だろ。人の元カノを全員拷問して廃人にしかけたり、無理矢理に兵士の慰め役にしようとする女なんざ嫌過ぎるわ」
「国にとって尊いお方を蔑ろにした雌豚共に、天誅を加えただけですわ。何より全員、貴方様が間一髪で助け出したではありませんか」
「テメェが今まさにブッ殺そうとしてるけどな。その尊いお方って奴を」
全く穏やかな内容では無いというのに、セリーヌは「おほほ」と口元を隠して笑っている。
「そういえば、他の三名はどちらに?」
「白々しい、聞く必要は無いだろう。お前はロミルダの目を借りて、一部始終をずっと見てたんだからよ」
「どこまでもお見通しですね。流石は聖剣様です」
コロコロと鈴の音のように彼女が笑った瞬間、屋根が半壊して上空の魔法陣が見えている場所から、重たいモノが落下してきて粉塵を舞い上げた。
幸いセリーヌにもラヴィにも当たっていないが、落ちてきたモノ――ドナシファンは、口から血を流し完全に意識が無い。
「貴方様の仰る通り、全て見ておりました。断罪姫達が消えた後も含めて」
出来たばかりのクレーターで伸びている大男を一瞥し、彼女は上を見上げた。
パラパラと崩れそうな屋根の上から、ドナシファンを落とした犯人――ノエが、ラヴィを凝視している。
オリエッタ達が居なくなった後、意外な事にあっさりとラヴィの拘束は解けた。立ち上がった彼はすぐにオリエッタ達を追おうと思ったが、エドガーの言い残した言葉がふと過り、彼は足を止めた。丁度そのタイミングで自分と契約している精霊達が、廃教会にセリーヌが居る事を教えてくれたのである。ラヴィの行動は迅速だった。弾かれたように教会の方へと走り始めた。だが、それをノエが止めたのだ。手荒い手段を用いて。これにはラヴィだけで無く、ドナシファンも驚愕せざるをえなかった。ノエが聖女を崇拝している事は知っていた。が、まさか問答無用で即死するような魔法を人に撃ちだす程だとは、思ってもみなかったからだ。確認してみたノエの雰囲気は、狂気とも言えた。ラヴィは勿論の事、ドナシファンも彼をその瞬間、気絶させるなり何なりしなければならないと判断してロミルダを叩き起こした。そうして天才魔術師少年VS英雄の末裔三人の戦いが始まったわけだが、ノエはあり得ない程強かった。ソレもそのはず、セリーヌがこういう事態に備えて日頃から彼に洗脳を施していたのだから。『いざとなったら、体が無意識にかけている肉体と魔力の制限を解くように』と。だが洗脳のかけ方が甘かったのか、ノエは確実にセリーヌを狙っているラヴィだけに危害を加えようとはしなかった。ドナシファンもロミルダも、平等に殺しに暴行しにいった。そこでラヴィは、ノエを二人に丸投げするという性根の腐った行動に出て、自分だけさっさと精霊術で移動して教会に辿り着いたのである。
「ドナスさんには、正直失望しました」
セリーヌが片手を頬に当てて眉を八の字にして呆れると、「このオッサンもテメェに同じ事思ってるだろうよ」と、ラヴィが返す。しかし彼女は、彼のその発言にも気を悪くする素振りより楽しげな雰囲気を露わにしていた。
「まあ……そんな事よりも、貴方様は今更私をどうなさるおつもりです?」
「殺すとまでは難しそうだが、テメェを半殺しくらいにすればこの状況作ってる術者共の大半は、自分達が王の意思に逆らってる事に気付いて死ぬ気で中止すんだろ」
ラヴィのその発言には、二つの意味が込められている。
死亡、若しくはそれに近しい状況に術者を追い込む事で解ける洗脳魔法をセリーヌが宮廷魔道士団の大半にかけているという事。そして、この作戦が完全に彼女の独断で決行されているという事。
「あらあら、貴方様はこの作戦に王の最終承認が無いとでも仰るのですか?」
彼女が彼に冷たい視線を向け食いついてきたのは、後者の方だった。
「確かにアイツは、この作戦に笑顔でGOサイン出しそうな冷徹狸だが、それ以上にテメェを嫌ってる。机で発案者の名前見た瞬間に燃やしちまってるよ、ンな書類」
「ふっ、ふふっ……幼児の頃から知っていましたが、元正妃候補の婚約者に対して酷い殿方ですわね――ですが……」
ラヴィが背後から殺気を浴びたのと同時に、戦棍が彼の腹を貫くように通過した。かろうじて『半壊』というレベルだった教会が全壊する。
だが、それで死んだ者はまだ居ない。
「そう易々と邪魔立て出来るとは、思わないでくださいまし」
瓦礫の山の上に、未だ気絶している大男の首根っこを掴みながら降り立ったセリーヌの目には、三人の人物がちゃんと映っている。
「聖女様を害するなら、キミは完全に敵です!」
「ラヴィラヴィラヴィ! 大好きだから動かないで!」
作戦前から洗脳にかかっていたらしいノエと、離れている間に再び精神が錯乱する系の薬を盛られたとしか考えられないロミルダがラヴィを襲う構図が出来あがる。
その光景を確認するように目に焼き付けたセリーヌは、誰にも知られぬよう静かに息を吐いた。
――大丈夫、誰にも止めさせはしない。
そう、己に言い聞かせて。
今回、感想のところでお返事していた物語の主軸がぼやけている理由が出せずに申し訳ございませんでした。
下書きを書いていたらどんどん話が膨らんでしまいまして、この物語で一番書きたい主軸が歪んでいる理由部分は、もう少し後の登場になります。




