表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

やりたいようにやる。

気楽にお読みください。

 俺の声に驚いた他の4人と姫様が、俺達の方へより鑑定板を覗き込む。


 「まさか!こんなことは一度もありませんでしたのに・・・。」

 

 姫様も驚きの声を上げ、桐生たち4人も苦い顔をして俺をみる。俺はそんな4人を無視し桐生たちが持つ鑑定板を取り上げた。


【名前】   アキラ・キリュウ  LV1

【スキル】  剣術・盾術・光魔法・身体強化・獲得経験値2倍・LVUP時全ての能力に+補正・言語理解

【生命力】  2000/2000

【魔力】   1000/1000

【職業】   勇者


くそ!やっぱこいつか!次!


【名前】   トオル・マスダ

【スキル】  槍術・盾術・身体強化・獲得経験値2倍・LVUP時生命力+補正・言語理解

【生命力】  3000/3000

【魔力】   500/500

【職業】   重騎士


こいつも!次!


 【名前】  カオル・コマキ

 【スキル】 火魔法・水魔法・風魔法・土魔法・獲得経験値2倍・LVUP時の魔力+補正・言語理解

 【生命力】 1000/1000

 【魔力】  3000/3000

 【職業】  大魔導士


はあ、次。


 【名前】  ヒメノ・ヒメジ

 【スキル】 回復魔法・付与魔法・杖術・獲得経験値2倍・LVUP時の回復量+補正・言語理解

 【生命力】 1500/1500

 【魔力】  1500/1500

 【職業】  聖女


 桐生たちの鑑定板を確認した俺は、近くの騎士にその鑑定板を渡しがっくりと膝をつく。


 「・・・おかしいな?村人って・・・せめて都民にしてくれよう・・・」


 虚ろな目で地面を見ながらぶつぶつ言う俺を見て、王様が姫様に目を向ける。


 「この方は、その、どうやら召還に巻き込まれただけのようでして・・・職業が村人になっており、スキルも言語理解のみなのです。」


 「なんと!そのようなことは初めてだ!」

 

 姫様に説明を受け王様と他の大臣もざわつく。


 「心配するな木村。俺達が守ってやるから。」


 いまだにぶつぶつと地面に向かい呟く俺に桐生が手を出しながら爽やかに微笑んでいる。俺はその手を取り立ち上がる。普通ならばここでありがとうと言うのだが、俺はすでにある決意を固めていた。


 「守ってやる、か・・・。随分と上から目線なんだな?」


 「なッ!?俺は別にそんなつもりで言ったわけじゃ!」


 わかってる。それは俺もよくわかってる。こいつらはクラスメイトとはいえ、碌に会話もしたことのない俺を、本気で心配してくれている。だからこそ俺はこいつらのお荷物にはなりたくない。


 「いや、上から目線だよ。今までの勇者は魔王を倒したのかもしれないが、お前たちが必ず魔王を倒せるとは限れないだろ?それにお前たちがもし俺を守れなかったら?どう責任を取るつもりだ?姫様、この世界に蘇生魔法はあるのか?」


 急な俺の態度の変わりように、眉を顰めながらも姫様は答えてくれる。

 

 「死者を蘇らす魔法はありません。・・・死ねばそこで終わりです。」


 その言葉に俺は頷き、桐生達は暗い顔をする。


 「じゃあ木村君はどうするの?」


 姫路さんの質問に俺は答えず、静観を決め込んでいる王様に顔を向ける。


 「王様。俺は城下町で暮らそうと思います。つきましては支度金などを頂ければと・・・。」


 俺の言葉に桐生たちが考え直せというが俺は無視する。王様は俺の目をじっと見たあとフゥッと息を吐き隣にいる男に告げた。


 「この者に金貨30枚与えよ。あと、以前王城に住むのが嫌だといい城下町に住んでいた勇者の家があったな?その家をこの者に与えよ。」


 大臣たちが与えすぎではとざわつくが王様は一瞥して黙らせる。


 「有難うございます。」


 王様の気が変わる前に礼を言う。


 「なに、勝手にこの世界に呼びだした詫びだ気にするな。」


 桐生たちは俺の意思が固いと分かりもう何も言わずに黙っている。


 「コルネ。そのものを屋敷まで案内せよ。金を渡すのを忘れるなよ?」


 コルネと呼ばれた30歳くらいのイケメン騎士が一歩前に出て王様に敬礼したあと俺の元にくる。


 「では、まいりましょう。」


 コルネと呼ばれる騎士の後をついていく俺に桐生たちは心配そうな顔をする。


 「せっかく剣と魔法の世界にきたんだ。俺のやりたいようにやるさ。」


 すれ違いざまにそう桐生たちに言い残し、俺は謁見の間を出て行った。


誤字脱字がないか確認していますが、あれば報告してくださればありがたいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ