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前編

空から自分の名前が呼ばれた気がして、


それも雲を追い散らしそうな大音声なのもだから、


怖気をふるって上を見上げると、


一匹のドラゴンが黄色い病んだ空を背景に、


小さく飛んでいた。


ここからは小さく見えても、


実物は人間と同等の足裏をもつ巨体だろう。


「それにしてもやけに細長いドラゴンだな」


普通はもっと腹がせり出していて、


二枚の胴体よりも角ばった翼を横に広げているものだが、

遠くから見ているからか、


そいつは翼もなくシャープなただの蛇のようだった。


しばらくその光景を見上げていると、


後ろから今度は本当に名前を呼ばれた。


「おおい! セイチェン! 何なまけているんだ!」


労働者の見張りしている男は筋骨りゅうりゅうで、


怒るとすぐに手が出すという凶暴さを自分から言い触らす


たちの悪いやつなので誰も関わり合いになろうとしない。


この程度では警告で済まされたようで、


地面に下ろしていたクワを振り上げて、


土を盛り上げる作業に戻るとどこかに行ってしまった。


おれたち労働者階級の市民はこうして、


朝から晩まで全市民の食卓に並ぶ食物を育てている。


農業と畜業が主であり、俺は両親の代から農民であった。


一日の始まりは定時に起きて仕事場に集合し、


仲間たちとその日に言い渡される仕事内容に従って


整然と列なして一糸乱れぬ統率さでこなしていく。


農作業は決まってすべて野外で行なわれるので、


その仕事は当然として命に関わる。


外に出れば何時ドラゴンに襲われるか知れたものではない。

作業の途中でドラゴンの襲来にあい、


急いで屋内に避難して、


その日はやむなく業務停止という事態も頻繁である。


ドラゴンが動物の肉以外の穀物を捕食しないことだけが救いである。


先ほどの上空にいたドラゴンはもう去っていた。


今日はドラゴンが少ない。みんな、多少のことには慣れきっており、


あれを眺めていたのはおれひとりだけのようだった。


おれは土を掘りかえる作業に専念することにした。




畑はビルの屋上にあり、


仕事が終わると作業員は日当てをもらってエレベーターに乗り、


それぞれの住居のある階に帰っていく。


おれの住まいは中間層、百二十階の西ブロック第十八番所である。


岩棚にくりぬかれた洞窟みたいな部屋の入り口が、


来た方から奥まで廊下を向かい合ってびっしり連なっている。


「ただいま」


「・・・・・・・」


中から誰の返事もないからといって、


おれが独り身というわけではなく、


妻は夫の出迎えなどしない性格なのだ。


ただ、こういう沈黙の日は彼女は寝ているか、


立腹している場合が多い。


「ねえ、シュルゲ。いま帰ったよ」


玄関、すぐに居間の入り口、広くない空間、


そして、一台だけのソファを占領する寝そべった妻が、


苛立っていることは容易に察せられた。


「セイチェン、あんたって本当にどうしようもない男だね」


「なんだい? 一体どうしたんだい?」


「どうしたんだい、だって? それはこっちのセリフだ。どうして、農民なのに、あんたはそんなに体が弱いんだ?」


妻は、先日おれが聴覚の異常を感じて病院に行ったことを責めているのだ。


「しょうがないじゃないか。本当に体調が悪かったんだから」


「一日休んだだけで我が家の家計がどれだけ危うくなるか!」


「体調悪いまま仕事できないじゃないか」


「それだけじゃないよ! あんたって人はやれ熱が出た、めまいがする、腹の調子が悪い、足腰が痛い、体がしびれるだのなんだの言っては病院に行くじゃないか」


「どれも我慢できないくらいひどかったんだ」


「いくらかでも我慢してもらわないと、あんたは働き手なんだから。それに診療代も馬鹿にならないしさ!」


「そうは言っても体をこわしたりしたら仕事も出来なくなるよ!」


「あーあー、まったく私はくじ運が悪かったよ。こんな男といっしょになってさ。こんな金食い虫と!」


口げんかではシュルゲに勝てない。


悔しさを噛みしめて、おれは晩の食事を準備することにする。


妻はずっと家にいるが、家事はいっさいしない。


寝転がって音楽を聞くか、化粧をしているか、


あるいは近所の人とおしゃべりをしている。


おれの診療代にはとやかく文句をつけるが、


彼女だって大量の化粧品を買い込むのに金を使っているはずだ。


「妻は美しくあるのが使命」


「夫は妻に尽くすのが使命」


シュルゲの昔からの口癖だった。


実際、出自が特産階級の彼女はこれを言う権利があり、


彼女を妻にした時点でおれの運命は固まってしまったのだ。


「セイチェン! 今日はソフトなのが食べたい気分」


「わかった」


「あと、お昼につくって置かれてたパスタ、食べたくなかったから捨てといたから」


「え? なんで?」


「最近、あんたの体調悪いがうつったのかさ、頭痛がするんだよね。こう、頭の左わきの所がズキズキするというか」


「大丈夫? 病院には?」


「お金の無駄! それに買い物に使ったし。そうだ! 今日の給金をみせなさいよ」


「そこにある上着のポケット」


台所から答えるとさっさく妻はがさごそ動き出した。


「ふうん、まあまあだな。ほら、ここに食費出しておくから、明日、仕事帰りに買ってきなさい」


「わかった」


ざく切りにした野菜を沸騰した鍋に入れた。




食後は妻のエステの時間である。


浴室にマットを敷き、


裸で横になったシュルゲの肉体に数々のオイルを塗っていく。


白いもち肌は結婚当時から変っていない。


つまりこの行事は毎日欠かさず続けられていたということだ。


使うオイルの種類、順番、


もみほぐす体の部分も決まった流れがあり、


少しでも間違うと烈火のように怒る


短気な妻である。


体の前半分、その次は後ろ半分と


綿密に時間をかけてマッサージしていく。


特産階級のシュルゲにはこれは子供時代からの習慣らしい。


仕事の後の奉仕はかなりの体力を消耗するから、


本音を言えばやりたくないのだが、


それがならぬのが世の中であった。


どんなに疲れていても妻への奉仕を怠ることはなかった。


おれはシュルゲを愛していたのだろうし、


それが心への愛か、肉体への愛か、


定かではないが、


特に疑問も持ってはいないので


これで良い。


妻に尽くすのが夫の務めだ。




小さい頃、両親の生前、


ドラゴンのいない世界の話を聞いたことがあるが、


おれにはさっぱり理解できなかった。


ドラゴンが現われたのは実はそんな遠い昔ではなく、


両親が子供の頃は人類が食物連鎖の頂点に立つ


恵まれた時代であったという。


しかし、その栄華もまたたくまに転倒し、


次にはドラゴンに覇権が渡ったのだ。


かつて人に学問を教える身分にあったという母親は


昔、人類が保持していた文明とか学問とかを話して聞かせてくれたが、


実生活に役立たない知識は簡単に忘れていった。


かろうじて記憶に残っているのは、


人が空を飛ぶ道具「飛行機」についてである。


人は地を這い、ドラゴンは空を飛ぶ、


この常識を持つために飛行機について説明されても、


おぼろげにしかイメージできなかったが、


それでも他の話よりはおもしろく、


頭に残っていた。


おれは生まれてこの方、このフロアと


作業場しか行ったことがなく、


他の階や外について無知であった。


ここがビルという建物で、


とても高く、とても大きいということは両親から聞いたが、


外観を想像することは難しかった。


部屋には一ヶ所、外を見れるはめごろしの窓があるが、


そこからの眺めは風にのる濃い土ぼこりに煙り、


景色など無かった。


もとより、おれは外になど興味はない。


仕事をして、妻を養って、生きていられる。


それだけで満足であった。




「もうすぐ竜勢群が近づいています」


祭壇で女司教サロモナが集まった民衆に宣言した。


彼女はおれたちの王であり、指導者だった。


背後には唯一神、リヴァイアサンの彫像の偉容がある。


「恵み深き季節がやって来ました。皆にあっては数日の間、十分に休息がとれますね」


竜勢群というのはドラゴンの年に一回の大移動のことであり、


およそ三日間、空はドラゴンの洪水となるのである。


それが終わるまでは仕事をすることはすべて中止となり、


長めの休みが得られるのである。


また、竜勢群を恵みと呼ぶのには理由があり、


ドラゴンの大群が雨のように降らす糞には


作物を育てる栄養分が豊富に含まれ、


その後の収穫を左右する大事な要素なのである。


「さあ、リヴァイアサンに祈りを上げましょう」


サロモナの言葉に続き、生まれたころから言い習わされた句を


静かに唱えていく。


大いなる守護者、


われらを養う者。


われらの命あるはあなたがため。


頑丈なる柱となりて、


われらが倒れて滅びぬよう


助けたまえ。


「はじめの者、力あり、まことに」


おれたちは唱和する。


竜勢群。


おれにとっては苦々しい単語である。


両親が死んだのは、


ちょうど何年も前の竜勢群の時季だった。




よくは思い出せないが、


あの時、両親は何か戒律に背く罪を犯したとして


警官に逮捕されていったのだ。


幼かったおれも同じように捕まって、


両親から聞かされた話を根掘り葉掘り質問された。


泣きじゃくるばかりだったおれだが、


乱暴な警官の態度に弱気よりも恐怖がまさり、


一切合切をぶちまけた。


結果として、おれの証言と


確かな物証だとして一冊の書物を示し、


両親は裁判にかけられるまでもなく有罪にされた。


背信の罪は、およそ考えうる限り最悪の罪状である。


(両親の話の中には、人が人を殺す行いがあったが、

おれにはとうてい信じられない。

人を殺すのはドラゴンであるはずだからだ。)


そうして父と母は処罰を受けることになった。


おりしもそれは竜勢群の真っ只中だった。


司教サロモナに神のお告げが下り、


両親を神の審判にゆだねると言った。


罰の内容は、一時間、生身で外に出て、


ドラゴンに食われないかどうか、


というものだった。


神がゆるされれば無事に生還できようし、


われらも事を不問に伏そう、


ただし、ゆるされなければ、


天の使いが邪な肉体を引き裂くであろう。


刑は執行され、


ドラゴンのせいで空の色さえ見通せない、


外の屋上に放り出された両親を、


おれは、大人たちに囲まれて屋内から


不安で泣きながら眺めていた。


「目に焼き付けなさい、セイチェン。神の裁きを」


そう耳元でささやいたのは、


サロモナの声であったような気がする。


神の判定は数秒で決した。


下降してきた数十匹のドラゴンのために、


両親の姿は隠されてしまった。


悲鳴さえ聞くことは無かった。


裁きの跡には骨さえ残されていなかった。


それを期に、おれは両親の話のほとんどを


忘却してしまったのである。




朝、おれは定刻通りに仕事場に出勤したのだが、


いつもの集合場所には誰も来ておらず、


人のたてる物音もなかった。


奇異に感じたが、


壁に貼られた張り紙が


竜勢群の休みが今日から始まったという報せを記していた。


どうやら連絡網に粗相があり、


おれの所に回ってくるのに遅くなっていたのだろう。


うちに戻ってもいいのだが、


シュルゲといっしょにいると気疲れがするので、


休みをあまり喜んでいなかったおれだ、


もうしばらく、なにをするでもないがここにいようかと、


迷っていた時だった。


屋外の畑のほうから物音がした。


誰かいるのだろうか、


もしかしたら、おれのように間違えて出勤して、


張り紙を見ずにひとり続きの作業をしている者がいるのかも。


おれはそのマヌケな働き者に張り紙の内容を教えようと、


ドアを開けて外に出たのだが、


いたのは人ではなくドラゴンだった。




空の支配者の大群が押し寄せているはずであるのに、


風景はいつもどおりで嫌な予感はさせない。


それであるのに、不思議にも


普通は人がいなくてはビルに寄り付こうともしないドラゴンが、


屋上にいるのであろうか。


石の床に土をしいて造った畑、


その周囲には果実のなる木々が植えられているが、


ドラゴンはその木の葉を食べている様子だった。


本来なら、すぐにも屋内にひっこみ、


ドアを閉めれば事足りたはずだった。


(鋼鉄のドアはドラゴンでも破れない)


しかし、おれは予想外の事態に


体が固まってしまったのだ。


すると、葉を食べていたドラゴンはおれの気配を察したのか、


こちらに顔を向けてきた。


悲鳴よりも先に喉のつかえを感じ、


急いでドアを閉めようとしたのだが、


足元の段差につまづき見事に転んでしまった。


(来る! ドラゴンが来る!)


おれは両親の最後を思い浮かべ


湧き起こる戦慄に汗がふきだした。


いまにも背後から爪と牙をもって襲われるとおもい、


這いずって入り口に至ろうとしていたときだった。


「ごめんね。この木は食べてはいけなかったのかい?」


それは人の声であった。


おれは後ろを向き、そこにドラゴンと、


見知らぬ人がいるのを見た。




その人は若い男性であったが、


鎧のような奇妙な出で立ちをしていて人相はよくわからない。


彼が、おれたちの仲間であるはずがなく、


市民には農具と工具以外の武器の所持は禁じられているからだ。


話を聞くと、やはりこのビルの住人ではないらしく、


さらにおれは、驚くべき彼の正体を知った。


「ライダーという職業をしていてね。こっちは相棒さ」


彼は相変わらず木の葉を食べているドラゴンを指差した。


「ドラゴンが、相棒?」


「そう」


「考えられません。ドラゴンは人間の敵でしょう?」


「タイプが違うのさ。あれは肉を捕食しない種なんだよ」


たしかに、そのドラゴンは他のものとは異なり、


特徴的な翼や肥え太った体躯を持たず、


細長い蛇のようであった。


「あれで空を飛ぶのですか?」


「飛ぶんだ。原理はいまひとつ解明されていないけどね」


「あなたは、あれに乗ってここまで来たのですね」


「そうさ。ライダーはドラゴンに乗って旅をし、様々な地方に行っては、その地で手に入らない品物を売って稼ぐのさ」


この人は本当に外の世界から来たのだ、


それどころか、おれの見たことも聞いたこともない場所に行き、


想像もつかないものを見てきたのだろう。


「興味があるかい? なんなら連れてってあげても良いよ」


「いや、結構です。こわいですし」


「そうかい? 無理には誘わないけれどね。もう少し休んでいきたいけれど、いいかな? 今度は君の事を聞かせてくれよ」


おれは余所者に話してもいいことと悪いことを区別しながら、


慎重に、それでも彼が理解しやすいよう、


おれたちの生活を話して聞かせた。


「まるで箱庭だな。言っちゃ悪いが、退屈しないの?」


「退屈はしません。毎日、必死ですから」


「君さえよければ、やっぱりいっしょに来ないかい? こうして会うのも何かの縁じゃないかな」


「やめておきます。妻を捨ててはいけません」


「そうか・・・。いろいろな生活があるものだな。ドラゴンを操るもの、ドラゴンに抗うもの、ドラゴンに従うもの・・・・・・」


彼は息を吐くようにしみじみ呟き、


遠くを見る目をした。


そして、短かった外来者との時間も終わりが来ていた。


「悪かったね、無断で入り込んで、餌をもらってさ」


「おれはかまいません。有意義な時間をありがとうございます」


「最後に、相棒に触れてみないかい?」


おれは恐れをなした。


必死で首を振り拒絶したのだが、


なぜかドラゴンの方から近寄ってきたのだ。


逃げようとするが、


「大丈夫だから。手を出してみて」


彼が優しく言ってくれたために、


いくらか勇気を出して、


恐る恐る、手を出してみた。


ドラゴンが首を伸ばしてきて、


口を開け、おれは涙眼になってしまった。


しかし、したことといえば、舌を出して


おれの手をなめたことだった。


「ほらね、このドラゴンは人に友好的なんだ」


彼は笑いながら言い、おれは勇気を得て、


今度はこちらからドラゴンの額を撫でてみた。


すると、まるで猫のように目を閉じ、


低くうめき声を出した。


「すごいすごい。君、ライダーの素質があるんじゃないの?」


「まさか・・・・・・」


そうは言っても、おれも少し得意になった。


ドラゴンは、人の敵ばかりではないのだな。


おれは久しぶりの新しい発見に出会った感覚に、


喜びをおぼえた。


「さて、出発だ!」


ライダーは身軽にとびはね、


ドラゴンの背中に乗った。


その時に、彼の胸元でゆれたペンダントの形が気になり、


「あの、それ・・・・」


質問しようとしたが、


ライダーはもう飛行段階に移っており、


聞いていなかった。


翼をもたないドラゴンはふわりと宙に浮き、


びゅん、とひとっとび、


彼方に去っていってしまった。




次の日、竜勢群はまだ訪れなかった。


おれは昨日の奇妙な出会いのことを


誰にも話さないことに決めた。


外世界のこと、人を食べないドラゴンのこと、


それらの知識はどうして教えられていなかったのか、


きっと理由があるのに違いない。


戒律を逸脱しないことが一番の処世術であり、


両親の教訓からおれは秘密はしまっておくことにした。


それでも、やはり気になることがひとつあった。


ライダーのつけていたペンダントである。


同じような形を昔、馴染み深く見ていたような、


懐かしい感じがしたのである。


仕事は休み、何もしないのは暇なので、


おれは妻にないしょで石や彫刻刀を購入し、


同じ型のペンダントを作ってみることにした。


とはいえ、形はいたって単純であるため、


半日もしないうちに石を切り出し、


やすりをかけて表面をつやつやにし、


糸を通して完成した。


あのライダーのしていたものと比べるとはるかに見劣りするが、


見た目だけは同型である。


指の間にはさんでもてあそんでいると、


いきなり妻が出てきて、


「何それ? 珍しいペンダントね」


と興味を示してきた。


「でも、ずいぶん粗末な仕上がり。どこから買ってきたガラクタ?」


「ガラクタじゃないよ。それに買ってない。自分で作ったんだ」


「ふうん。あなた、物作りに興味があったの?」


「いいや、別に・・・。ただ、暇だったからさ」


「あっそう。まあ、いいや。ありがとうね」


シュルゲはおれの手からサッとペンダントをかすめとっていった。


「何するんだ!」


「びっくりした。なに? 珍しく声荒げて」


「それを返してくれ!」


「なんでよ? 私への贈り物じゃないの?」


「それは・・・」


ちがう、と言いかけて踏みとどまった。


彼女のために、ではなく、自分のためにまたお金を使った、


そう知れたらまた無駄遣いしたと責められる。


「そうだけど・・・まだ完成してないんだ」


「あら、宝石でもつけてくれるわけ?」


「宝石なんて・・・そんなの買えないよ」


「だったらこれでいいじゃない。こういうシンプルなのも悪くないからね」


シュルゲはペンダントを首にかけながら、


どこかに出かけてしまった。



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