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強欲のレオン  作者:
第1章 転生
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第3話 日常

父様から木剣を貰い両手で上段に構え振り下ろす。

100回ほど素振りをし、型を幾つか教えて貰う。

そうこうしていると日が登り、朝食のいい匂いが漂い始めた。


「そろそろ朝食だな。最後に手合わせするか?」


「はい!今日こそ勝ちます!」


父様は微笑みながら距離とる。


「何時でも良いぞ!」


木剣をだらりと片手でもち待ち構える。


(いつもながらスキだらけ見えるんだけどな?・・・)


そんな構えなのだが今だに懐に入れたことはない。


(とりあえす・・・・攻める!)


木剣を両手で下段に構え駆け出す。


(狙いは足元!)「ハッ!」


左足に狙いを着け、水平に切りつける。


ガッ!


あっさりと木剣で切り払われる。


「今のは中々よかったぞ!」


父様は笑顔で事も無げしている。

素早くバックステップで距離を取り呼吸を整える。


(う~ん、やっぱり父様は強い・・・此処はこの前母様に教わったあの技を使ってみるか!)


呼吸を止め両手に力を込める。

再び下段に構え駆け出す。

さっきと同じく左足を狙う。


「同じ手は通じないぞ!」


あっさりと切り払われる。


「まだまだ!」


切り払われたままの遠心力で回転し、剣先を無理やり持ち上げる。

体を一回転し胴体に向かって突きを打つ。


「!」


父様は一瞬驚いたがあっさりと体をずらし躱す。

そのままの流れで木剣を首筋に当てる。


「今日はここまでだな!」


「はい・・・」


木剣を引き、「ありがとうございました。」と一礼。


いつの間にか裏口には執事のロックさんが立っていて此方の手合わせが終わるのを待っていたようだ。


「お二人とも、朝食の準備が整いました。」


「おはよう。ロックいつもありがとう。」


「ロックさん。お早うございます!。」


ロックさんに挨拶し木剣を片付けにいく。


「レオンはどんどん強くなるな!」


片付けの帰りに父様に頭を撫でられ褒められる。


「いつか父様に勝ちます!」


僕は笑顔で父様を見上げてそう言った。





~~~アーサーSIDO on~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


今日は珍しく朝からレオンと稽古をしている。

領主となってから昼間は忙しい為、朝に訓練するのが日課になっていた。


レオンには時々手ほどきをしていたがはっきり言ってレオンの物覚えの良さは異常だった。

ほとんどの事を一回聞いただけで理解し実践、応用までしてしまう。

嬉しい反面、親としては少し寂しい。


型を幾つか教え今日の纏めとしてレオンと手合わせをする。

(さて、今日はどんな手を使ってくるかな・・・・)

レオンはまだ5才だが負けん気が強い。

国でも有数の使い手の俺に諦めず食いついてくる。

此の負けん気が少しでも部下に有ると良いのだがそう上手くは行かない。

いつものように右手で木剣をもち自然体で構える。


「何時でも良いぞ!」


そう言うとレオンは剣を下段にして駆けてくる。

小さい体を最大限に生かし、左足を狙ってきた。

「ハッ」

その剣を切り払う。いつもながら自分の事が分かっている攻め方だ。

これでまだ5才なのだから恐ろしい。


「今のは中々よかったぞ!」


距離を取ったレオンを褒めると嬉しそうだった。

(こんなところはまだまだ子供なんだがな・・・・)

呼吸を整え終えたら一人前に殺気を飛ばしてきた。

(何か考えてるな?・・・・さてどうするか・・・・)

そんな事を考えていたら先程と同じ様に攻めてきた。


「同じ手は通じないぞ!」


同じように捌くと「まだまだ!」と体を一回転して突きがきた。

「!」

その技は少し違うがマリアの技だった。

体をずらし剣を躱し首筋に剣を当てる。


「今日はここまでだな!」


そう言って互いに一礼して終わる。

(しかしマリアの技を使うとは・・・いつも手合わせしていた俺だから捌けたが普通の兵士は無理だろうな・・・)

そんな事を考えつつレオンの頭を撫でる。


「レオンはどんどん強くなるな!」


「いつか父様に勝ちます!」


満面の笑を浮かべた自慢の息子がそこに居た・・・・・







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