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強欲のレオン  作者:
序章 世界の終わり
3/21

プロローグ 3

「グルルルル・・・・・」


訓練所の門が開き、大きな犬の魔物が20数匹入ってくる


「・・・ハウンドドッグ・・・」


たかが犬かと思うが大きさは1匹でも2~3mの大きさである

成人男性でも武器を持っていても1対1でも危うい

いくら魔族でも10才にも満たない子供達では結果は火を見るより明らかだった。


子供達は女の子を真ん中に集め男の子が周りを固めていた、泣いている子も居る。


「さあ!魔族ども!!戦って自由を勝ち取るがいい!!!」


どうやら見世物のようだ、王や宰相、他の要職の姿も見える・・・

その全ての顔に下種な笑が浮かんでいた。


「どれ位持ちますかな?」


「前は30分ぐらいでしたかな?」


「ほれ、はやく噛み付かんか!」


各々が喋り下種な笑を浮かべている。


《・・・これがお前の望んだ世界か・・・》


【魔王】の声が響く・・・


子供が泣き叫び、必死に剣をふるっている・・・


王や家臣達の笑い声・・・


「・・・俺は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」























「キャアアア・・」

「あっちにいけっ!」

「痛いよぅ」

子供の一人がハウンドドッグに噛み付かれている!!


「今は【勇者】ではなく一人の人として助ける!!」


幻影魔法を解き訓練所に飛び降り子供に噛み付いているハウンドドッグの首を切り裂く。

ハウンドドッグの群れは乱入者に警戒し威嚇しながら辺りを囲む


噛み付かれていた子供からハウンドドッグの頭を蹴りとばし、子供達に背をむけてまとまる様に指示を出す。

始めは何が何だか分からないといった子供達だったが「早くっ!」と言うと先ほどの様にまとまった。


「とりあえず《祝福うけし大地エリアヒール》、《堅固なる守りプロテクト》!!」


素早く治癒と補助魔法をかける


「お前たち、よく頑張ったな。後は俺に任せろっ!」


魔法の光に包まれていた子供達の顔に笑顔があった。


「とりあえず、お前ら邪魔だ!!」


ハウンドドッグに向けて右手を水平にふる。


「《天虹の槍レイ》!」


訓練所の天井が眩しく光り、そこから光の槍がハウンドドッグの群れを貫いていく。


1分ほど光が降り注ぎ、土煙が晴れた後には動いているハウンドドッグは居なかった。


子供達に大きな怪我が無い事を確認し、王に顔を向ける・・・


「おお【勇者】よ!帰って来たのか。【魔王】は倒したのであろうな!」


王は満面の笑を浮かべ、シンジに問い掛けた


「いいえ、王様。まだ【魔王】は倒しておりません。この度はある噂を耳にしたものですので立ち寄りました。」


「ほう、噂とは?」


「王が【勇者】を道具として扱い、魔族や他の種族を奴隷として扱っていると言うものでした。」


「なにを申すかと思えば、其のような噂は嘘に決まっておる」


「ならば何故この魔族の子らはここに居て魔物に襲われていたのでしょうか?何故それを見世物にしているのです?」


「魔族の子など其のような価値しかないからだ!!」


「魔族などアースガルドに必要ない!ただのゴミだ!!!」


「【勇者】よ、王として命ずる。その者らの首をはねよ!!」


王と貴族達が思い思いに口を開く。

振り返ると子供達の眼には怯えがあった・・・


「・・・これが守りたかった世界・・・・」


「さあ!早く!!」


「うるせーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」


シンジが叫びながら振り返り、王を見据える。


「テメェの魂胆透けてんだ!!しのごの言わずに黙ってろっ!!」


「魔王!聞いてんだろうが!子供達はそっちに送るから受け取れ!!」


「《空間転移テレポート》」


「な!?」


「何をしている!?、気が狂ったか!?」


「黙れ!貴様らの玩具にされるのは今日限りだ!この国は俺が滅ぼす!」


シンジは一瞬で王の前に立ち手に持つ剣で王の首をはねる。

逃げ惑う王族たちを追いかけようとした時に【魔王】からの《声》が聞こえて来た


《・・後は此方で引き受けよう。お前はすぐに城を出ろ・・》


膨大な魔力を城の上空に感じ、直ぐ様近くの町に転移した。



原子崩壊カタストロフィー



《声》が聞こえてから王城の方角を見るともう一つの太陽がそこにあった・・・



その後、【光輝国】は跡形も無くなりその領土は【魔王国】に吸収された。

後で聴いた話したが俺が訓練所で暴れていた隙に奴隷や城の宝物を持ち出したらしい。

で後は【勇者召喚】を使える王族を城ごと消したとの事だった。


俺はその後魔王と和解し【魔王の剣】、【黒騎士】と呼ばれる事になり

各国の奴隷を開放し魔王国の領土を広げていった。


その途中で敵国の中に【勇者】を騙る者達が出始めた。俺ほどの力はないが国の大将軍級の力を持つ者達である。厄介なことに【勇者】と認識されると特殊な力が発揮されるその力は周りの仲間に対する身体能力の向上であった・・・


【勇者】対【勇者】


それらの争いに勝利し遂に最後の【勇者】をこの手に掛けた・・・


そして光に包まれて今に至る・・・


「・・何故世界は終わった?」


《【勇者】が滅んでしまった為に世界のバランスが崩れてしまった・・・急激な変化に世界がついて行けなかったのです・・・正しくあろうとする世界の歪みに巻き込まれ【アースガルド】は終わりました・・・》


「ではあのまま奴隷を生み出す世界が正しいと?」


《いいえ・・・それは違います・・・・世界の変化は確実に起こる物です・・・今回の過ちは【異界の勇者】と【魔王】が同時に存在し続けた為に起こりました・・・・簡単に説明すると天秤の片方の重りが乗りすぎて天秤が壊れてしまったのです・・・バランスを取る為に【勇者】を生み出しましたが間に合いませんでした・・・》


「その【勇者】を倒したのが俺と言う事か・・・」


《しかし世界は在るべき方向に向かっていた事は間違い有りません・・・私は貴方達が創る世界が見てみたいのです・・・》


「世界を滅ぼした男にもう一度世界を託すのか?」


《貴方は異世界から来た為に力を持ちすぎました・・・【アースガルド】の住人として生まれ代われば世界の歪みは抑えられます・・・貴方に世界を託します・・・》


「・・・・わかった、どうせ元の世界には帰れなかったんだ。俺はアースガルドで生きる事にするよ」


《・・・ありがとう・・・》



優しい声が聞こえた後に体は光に包まれ、俺は意識を失った・・・



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