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強欲のレオン  作者:
第1章 転生
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第11話 相棒2

(・・・剣が喋った?・・・・)


通常では起こり得ない事に僕は固まっていた。


『お聞きしたいのですが、サクラ・クロカワと言う方をご存知ないでしょうか?。』


手に持った剣はそんな事はお構いなく話を続ける。


『恐らく近くにはいると思うのですが・・・』


「サクラ・クロカワは僕のお祖母様で師匠だけど・・・何で喋れるの!?」


剣の声に混乱している頭で答える。


『そうですか・・・貴方はサクラの孫なのですね・・・それ程時が経ったと言う事ですね・・・私が話せる事はそう言うモノとしかお答えできません。』


「そう言うモノって・・・」


『それよりも私をサクラの所に運んでもらえませんか?』


「それはいいけど・・・まずは埃を綺麗にしないと家に入れないよ、ちょっと待ってね。」


そう言いながら訓練の汗を拭く為のタオルで剣を磨いていく。

磨きながら剣を良く見るが、青い玉が填っている事以外ありふれたショートソードだった。


「こんなのところかな?」


埃を拭き取り多少マシになった剣を持ち上げる。


『ありがとう御座います。』


剣の礼を言われる感覚が不思議で可笑しく自然と笑を浮かべた。


「師匠はローラさんと一緒に昼食の準備中だと思うから厨房にいるはず・・・」


剣を携え裏口から厨房に向かうとメイドのローラさんと一緒に仕込みをしていた師匠を見つける。


「師匠!」


剣を持っている為、厨房に入らず入口付近から師匠を呼ぶ。


「なーにーレオン。昼食はもう少しかかるわよ?」


「昼食ではなく師匠に会いたいひと?を連れてきたのですが・・・」


「あら?誰かしら?」


そう言いながら柄杓を使い樽に貯めた水で手を洗い、拭きながら此方にやって来る。


「で、私に会いたい人は何処?」


「此方です。」


そう言い手に持つ剣を横にして師匠の前に出す。


「・・・・・」


僕の手に有る剣を見て一瞬驚いた表情を浮かべるが直ぐに微笑み懐かしい様に剣に指を這わせる。


「ローザ、ちょっと外すわね。レオン私の部屋にいらっしゃい。」


ローザさんに一声かけ師匠は付けていたエプロンを外し部屋に向かって歩き出し部屋に入ると椅子に座る様に言われ剣を持ったままで座る。

僕の前で師匠は膝をつき目線を合わせる。


「もう一度剣を見せて?」


微笑みを浮かべ問い掛けられ、先程と同じく剣を横にして前に出す。


「久しぶりね・・・・オラシオン・・・」


『はい・・・サクラ・・・久しぶりです・・・』


オラシオンに向かい師匠が問いかけるが顔に悲哀が浮かぶ。


「・・やっぱりもう私には聞こえないのね・・・・・」


「えっ!?師匠は剣の声が聞こえないの?」


「レオン、此の剣の名は【オラシオン】・・・死者の宮殿と呼ばれるダンジョンの奥底に封印されていた【有知能兵器インテリジェンス・ウェポン】かつての私の相棒、そして今私はオラシオンの声は聞こえないの・・・既に資格を失ってしまったから・・・オラシオンは何て言ってる?」


「うん。久しぶりですって言ってる。」


「そう・・・ほったらかしてゴメンね。」


師匠はそう言い優しく剣を撫でる。


『仕方ないですよ、資格者以外は触れませんから。』


「仕方ないって言ってるよ、資格者以外触れないからって。」


「そう・・・・ならオラシオン、レオンと契約してあげて。」


「契約?」


「オラシオンの声が聞こえ、持つ事が出来るならレオンは資格者と言う事よ。そして契約する事でオラシオンの本当の力を使う事が出来るわ。その力は貴方の助けになるはずよ。」


『どうしますかレオン?私と契約しますか?』


「契約すればオラシオンはもう1ひとりじゃなくなるんだよね。だったら契約する!」


「ありがとう。」


師匠が化粧台から裁縫針を持ち出すと僕の右手親指にチクリと刺し、親指に血で出来た水玉が出来る。


「血をオラシオンの青い玉に押し付けて。」


「こう?」


青玉に血をつけると光を放ち、その光は剣全体に及びあまりの眩しさに目を綴じる。

暫くして目を開けるとそこに剣は無く、代わりに獅子を象ったペンダントが在った。












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