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強欲のレオン  作者:
第1章 転生
12/21

第8話 討伐2

「た、たすけて~!!!」


その声が聞こえてきたのはロープを担ごうとした時だった。         

何故背後から聞こえてきたのかは判らないが助けを求めると言うことは何かに遭ったということだ。


「先に行きます!!」


ロープを放り出し槍を背負い弓を手に持ち駆け出す。

疾風の短剣の御陰で6才児とは思えない速度で森を駆ける。

100mほど進み藪を飛び越えた先にいた者はグレイグリズリーと震えているロイだった・・・

グレイグリズリーはその名の通り全身が灰色の毛で覆われた熊である。その強さはゴブリンなど比較にならず、その腕の一撃はボアの突撃に匹敵する。

恐らくはゴブリンの血の臭いに釣られてやって来たのだろうが、何故ロイがここに居るかは判らないが・・・


「チッ!!」


舌打ちをしつつ矢を番え射つ。

矢はグリズリーの背に刺さりはしたものの、明らかに致命傷には至っていない。


「早く逃げろ!!!」


2矢目を番えつつロイに怒鳴るが腰が抜けているらしくその場から動かない。


「くそっ!!」


2矢目を放ちロイに向かって駆け出し、右手に小柄を握る。


「邪魔だっ!!!」


走った勢いそのままにロイを蹴り飛ばし藪の中に叩きこみ着地と同時に小柄をグリズリーの顔面めがけて投げる。

投げた小柄も刺さりはするものもダメージを与えているとは思えなかった。

しかし注意を引く事は出来たようで僕に向かい牙を剥いている。


「グルルルル・・・・・」


口元からヨダレを垂らし此方に向かい立ち上がる。

3mを超す巨体が目の前に立ち塞がる。

絶望感が心を埋め尽くそうとするが歯を食いしばりグリズリーを睨みつける。


「ガアアアアア!!」


叫び声と共に左腕が降りおろさせる!!!


「っ!!」


その一撃をバックステップで避けながら矢を番えるが今度は右腕が襲ってきた。


「くそっ!!!」


狙いをつけずに矢を放ちそのまま弓で右腕の一撃をガードするが一緒に吹っ飛ばされる。

地面を2回ほどバウンドし止まる。すぐ立ち上がるが左腕に激痛が走る。

そちらを見るとザックリと切られ血が流れていた。

グラリと立ちくらみがしたが素早くポシェットからポーションを取り出し一息に飲み込む。


「っ!!!」


飲み終わると同時に傷口が熱くなりみるみるうちに塞がっていく。

貧血の気持ち悪さは取れないものの傷は塞がったが弓は先程の一撃で壊れていた。

壊れた弓と矢籠を外し、槍を構える。

グリズリーの方は先程の矢が右目に突き刺さり、もがいていたが此方を射殺さんとばかりに睨みつけてきた。


槍を構え右目の死角に入りながらに円を描く様に距離を詰める。


そうしていると追いついたらしくドムさんが藪から出てきた。


「グレイグリズリーじゃねえか!」


「ドムさん向こうの藪にロイがいます!保護して下さい!!」


「はぁ?なんでロイがここにいるんだ?!」


「知りませんよっ!!本人に聞いてください!!!」


叫びながらグリズリーにむかって槍で突くが気を抜くと腕を振り回してくる、正直疾風の短剣がなければ避けることも出来なかっただろう。


「とりあえず早くして下さいっ!余り持ちませんっ!!」


「分かった!暫く持ちこたえて居てくれ!!」


そう言うとドムさんはロイを蹴飛ばした藪に入って行く。


「さて・・・どうしようか・・・」


グリズリーの周りを周りつつそう呟く。正直な所勝てる気が全くしなかった。

此方の攻撃は殆ど効かず、向こうの一撃は必殺の威力を誇っているんだからたまらない・・・


(とりあえずドムさんが応援を呼んできてくれる事を当てにするしかないよね・・・)


グリズリーの攻撃の幾つかは避け切れず体中から血が流れる。

攻撃を避けポーションを取り出し飲み込む。

そんな作業を繰り返し最後のポーションも使い切ったがまだ応援がくる気配が無い・・・


覚悟を決め、バックステップで距離を取るとグリズリーは此方に向けて突進してきた!!


「しまっ!!」


咄嗟に槍を横に構え防御の構えを取るが構わずに吹っ飛ばされる。

意識を失いそうな一撃に必死に耐え、その後に来るはずの衝撃に備えるがいつまで立っても衝撃は襲って来なかった。

不思議に思い目を向けると師匠に抱きとめられていた。


「よく頑張ったわね。」


そう言い僕を地面に下ろし頭を撫でる。


「後は任せなさい!」


そう言い残しグリズリーに向かって行き、すれ違いキンッと音と共にグリズリーの頭が空に舞っていた。


(早っ!居合か?剣を抜いた所さえ見えなかった・・・)


此方に向かって歩いてくる師匠を見ながら僕は意識を失った・・・

























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