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強欲のレオン  作者:
第1章 転生
11/21

第7話 討伐

ココナ村から東に20kmほど進むと隣国【赤炎国】との国境線でもある【ゴーラ山脈】がある。

その麓にある【ゴーラ森林】

近隣の木材や薬草の採取をまかなう所である。


その山脈の麓のゴブリンが巣を作っていると確認したのはたまたま狩りに来ていたココナ村の猟師であった。


その知らせが5日前。早速領主兵による偵察により50匹規模の巣であろうとの報告を受け、大規模な討伐で時間をかけるより村在住の領主軍と村人による討伐でかたずけようと決まったのが2日前であった。


作戦としては父様率いる領主軍20人が真昼の太陽が真上に来た時に巣に攻撃を仕掛け、村人は2人ひと組で巣を囲むようにし逃げて来たゴブリンを始末する事になった。

僕の相棒となったのはドムさんで村で唯一の鍛冶屋の男性である。

歳は父様と変わらないが体格はゴリマッチョ、手に持っているハンドアクスが小さく見える程だ。

僕の装備に使われている銅製の物は此の人の手によるものである。


ガリッ、ガリッ、ガリッ、ガリッ


「何やってんだ?レオ坊。」


「作戦前に出来ることはやって置こうと思いまして。」


そう返事を返し槍の石突きで地面にコブシ大の穴を幾つもほっていた。

他にも草を結んでアーチ状にした物も合わせて作っていた。


「ほ~よく考えてるな。さすが先生の教え子だ、うちのバカ息子にも見習わせたいぜ。」


ドムさんは父様と同じく師匠に訓練されていた。

父様は皆を守りたく兵士の道を選び、ドムさんは冒険者の道を選んだ。

あるとき冒険先で怪我を負い自身の冒険者としての限界を感じたそうだ。

その後生まれ故郷である村に帰り先代の鍛冶屋の娘さんと結婚し一人息子のロイがいる。


「僕の力じゃ正面からだと負けちゃいますからね。少しでも安全になるならやるべきかな?と思って、あとロイに突っかかって来るの止めさせて下さい。」


「わはははっ、あいつはレオ坊にルル嬢ちゃんを取られると思っているのさ。モテる男は辛いな。」


「笑い事じゃ無いですよ。この前いきなり殴りかかって来たんですから。」


「でも殴られなかったんだろ?」


「訳も知らないで殴られるつもりはないですからね。投げましたよ。」


村で唯一の雑貨屋の娘がルルで僕がお使いを頼まれ雑貨屋を出た時のロイに絡まれたのだ。

いきなり殴りかかって来たのでその腕をつかみ取り一本背負いで投げてやった。

その後ロイは泣きながら帰って行ったが・・・


そんな事を話しながら罠もあらかた作り終え最後に炭で色ずけしたロープの片方を木の根元に結び、もう片方をドムさんさんに渡す。


「合図は僕がしますからその後思いっきり引っ張って下さい。」


「すっ転ばすわけだな。分かった。」


「僕はあそこからまず弓で仕掛けます。近づいたら槍に変えますから前衛はよろしくお願いします。」


少し離れた所にある藪を指差し、ドムさんに頭を下げると「任せろ!」とにかっと笑いドムさんが胸をはる。


ゴブリンの巣からの直線状にそれらの罠を仕掛け終えた時、爆発音が森に響いた。


「始まった見たいだな・・・」


魔物のほとんどは夜行性の為昼間は動きが鈍る。今回の討伐作戦も日が暮れる前に終了する予定である。


「じゃあよろしくお願いします。」


そう言い残し藪の中に潜み準備を始める。

遠くからゴブリンの叫び声と魔法の爆発音が響いてくる。


(師匠の所までは行かないと思うけど・・・)


師匠は今回最終ラインに居て遊撃手となっている。


(まっ、父様だけでも討伐出来るんだけどね・・・)


そんな事を考えていると巣の方角から3匹のゴブリンが此方に向かって走ってくるのが見え僕は弓に矢を番えタイミングを測る。

先頭のゴブリンが穴の足を取られ転んだ所を狙いその頭部を射つ。

矢は真っ直ぐ頭部に突き刺さり絶命する。

他の2匹は何処から矢が来たのか分からずギーギー言いながら辺りを伺っている。

再び矢を番え、キョロキョロしている1匹の頭部に狙いを付けて手を放すが頭部ではなく肩の部分に当たる。

グラリをするが致命傷ではないらしく倒れる事は無く、その1撃で方向が判ったらしく此方に向けて2匹が醜悪な顔で向かってきた。

僕は素早く弓を手放し槍をつかむ。


「今です!!」


「うおおおおおお!!!!」


合図でドムさんがロープを引き、いきなり足元に現れたロープに足を取られ転がる2匹に駆け寄り醜悪な顔面を槍を突き刺しドムさんはアクスを叩き込む。

ギーギーと叫んでいたが構わずに突きまくり動かなくなった所で止めると顔面がグチャグチャになったゴブリンと頭を割られたゴブリンがいた。

一応頭を射抜いたゴブリンにも確認の1撃を入れておく。

辺りに血の臭いが充満し軽く吐き気がするが水と一緒に飲み干す。

後続が無いことを確認しゴブリンの死体を2人がかりで片付けて巣からの直線上から死体を退かし再び藪に潜む。


暫く経つと叫び声や魔法の音も止み作戦終了の合図の笛の音が辺りに響いた。


「終わったみたいだな・・」


「そうですね」


「そんじゃあ帰るか!」


「ちょっと待ってて下さい。後かたずけしますから・・」


そう言いながら草の輪を槍頭で切って行く。

草の輪を切り終え、ロープを木の幹から解き纏め終り立ち上がった時ゴブリンの巣とは逆方向、つまり村がある方向から助けを呼ぶ声が聞こえた・・・・




















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