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お父さんたちを首にしたことで、白木さんはまたあやまってくれたけど、これはもう決まったことなので、すみやかに椿さんから通告がいくはず。
あたしが運転席で、白木さんが助手席。
この前とは場所が違っているけれど、車はおなじ。
「あの、白木さん。本当になにからなにまですみませんでした」
運転中に言うことじゃないけれど、たくさんあやまってもあやまりきれない。
「気にしないでくださいよ。すべてわかった上で、自分の意思でしたことですから」
「でも……」
「それより、ぼくはどんな雑用でも覚悟しておりますので、どうか遠慮なく申し付けてください」
白木さん、いい人だぁ。こんなにいい人がすべてを没収されてしまうのは惜しい。
そこで、ふっと思い出したことがある。
「あの、サロンのホームページ、あたしが作ったんですけど、なんだかもっさりしていてダサいんですよね。友達が作り直してくれるって言ってたんですけど、それもやってくれてなかったんですよ。なので、ホームページの作り直しをお願いしてもいいですか?」
「その程度なら、よろこんでお引き受けいたします」
不思議。白木さんと話すと、自然体でいられる。
こんなに優しくていい人でいいのだろうか?
「白木さんは、そういうのが得意なんですか?」
「得意というか、自己流ですけどね。あとはどんな仕事があるんですか?」
「え〜と、掃除は徹底的にしてます。やはり、衛生面は気になりますから、アルコール消毒は欠かせませんね」
ほう、なるほどと白木さんはほほ笑んだ。
「植え込みに居たのって、ミルクくんに会いたかったからですか?」
「バレました? 彼女に関してはもう本当にどうでもいいんですよ。それよりミルクを静乃に預けて大丈夫かどうかが気になってしまって。彼女すごく雑な性格なので、掃除も適当なんです。おかしなことにならなきゃいいけど」
おかしなこと? と繰り返すと、おかしなものを食べさせないとも限らないですから、とつづけて言った。
「それは心配ですね」
そこで、本谷さんちのパンをミルクくんに食べさせたりしないだろうかと不安になった。
もちろん、間違いがあってはいけないので、チョコ系はさけたけれど。塩分や油分は人間用だから、心配になったのだ。
まぁ、いくらなんでもそんなに驚くことになるとは思わないけど。
つづく




