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5ー2

 鳥に関してはなかなか例がないから、と頭を抱える楓さんに、動物園にかけあってみるのはどうだろうと論を出したのは椿さんだった。


「動物園に知り合いの職員がいてさ。聞いてみようか?」

「あの、ですねぇ」


 おずおずとおじさんは顔を赤くしてうつむいた。


「ここまで真剣に話してきましたが、みなさんの善意を裏切るようなことがあってはならん」

「うん? どうしました?」


 いや、とおじさんは意を決して話すことを決めた。


「実は、遺産の隠し場所を知っているのはこのオウムだけでしてね。ですが、うんともすんとも鳴かないんです。その場所を話してくれないことには、他に預けるというのもなんか……。すみませんっ」


 土下座しそうな勢いに、あたしたちはたじろぐ。


 だけど、この鳥さんが話してくれないことには、こちらとしてもなんともできないのもまた事実。防犯的な目的も垣間見えるとあって、仕方なくオウムを預かることにした。


「それでは、なにかあったらここに電話をください。あ、申し遅れました。わたくし斉藤と申します」


 そう言い置いて、斉藤さんは去って行った。


 そして午後からまた怒涛のトリマー祭りの再開に、なんとなくオウムのことを忘れかけていた。


 そんな中、オーちゃんと名付けたオウムが鳴き声をあげた。


「誰も信じない。遺産はやらないよ! がー!!」


 あたしたちはみんなできょとんとしてから、これが答えだとしたら、斎藤さんに連絡するべきかどうか迷った。


 そもそも、オーちゃんを預かることにしたのは、斎藤さんではオーちゃんのお世話ができないと言うから。


 遺産に関してオーちゃんの話が聞けたらどうするかまでは話し合っていない。


 そもそも今日は、あたしが浜風ペットサロンに来てから初めてこんなに忙しい。


 その忙しさにかまけて、遺産相続がどうとか言われても。


 とりあえず手が空いた椿さんが斎藤さんに電話をかける。なにかあったらかけてくれと言われた番号だ。


 なのに、椿さんは頭にはてなマークを浮かべて何回もかけ直している。


「おかしいなあ。なんでつながらないんだろう?」


 ちょうどきりのいいところまでトリミングを終えた楓さんも、自分のスマホでかけたもののつながらなかった。


 そこへ、問題の斎藤さんがあらわれた。


「ああ、斎藤さん。電話したんですけど、つながらなかったんですよ」


 代表して楓さんが理由を話すと、斎藤さんは、なんてことないことみたいに、ああ、そうでしたね、と答える。


 ……自分でかけてくれと言った番号が使われてないって、どういうこと!?


     つづく

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