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2ー3

 そのおばあさんの名前は山田 歌子さんで、ゴールデンレトリバーのマカロンちゃんは三才の女の子だということや、お互いの電話番号を交換した。


 そして、しばらくサロンでマカロンちゃんを預かることにして、歌子さんは救急車で病院に運ばれて行った。


「マカロンちゃんはえらいね。ご主人様の危険をあたしたちに教えに来たんだから」


 楓さんはマカロンちゃんをわしゃわしゃとなでた。いいな、あたしもなでたい。けど、大きい犬は苦手意識があるというか、素直に怖いんだよな。


 そう言ったら、マカロンちゃんがジャンプして、抱っこしたままのカブラくんに近づいた。


「大丈夫。マカロンちゃんは身体は大きいけれど、とてもやさしくて賢いから、怖くないよ。静かにカブラくんを降ろしてごらん」


 あたしは楓さんに言われた通り、カブラくんを地面に降ろした。


 すぐにマカロンちゃんがカブラくんのお尻の匂いを嗅ぐ。


「うん、やっぱり賢いや。マカロンちゃんは、カブラくんを友達だと思っているよ。カブラくんはどうかな?」


 一見すると強面のフレンチブルドッグだから、度胸があると思いきや、カブラくんは完全に腰砕けてしまっている。


「あっははっ。しょうがないよね。カブラくんはまだ生後六カ月だもんね。こういう挨拶もはじめてなのかな?」


 ペットショップの裏側はわからないや、と言って、楓さんがカブラくんもなでてくれた。


 ついでだから、とそのままお散歩のつづきをする。


 楓さんは、カブラくんとマカロンちゃんの行動のすべてをほめて、その都度小さなおやつをあたえてくれた。


 なるほど、おいしいおやつが大好きな彼らだからこそ、こうやって色んなことをおぼえさせるのだね。


 あたしも頑張ってリードを引いたけど、やっぱり途中でカブラくんに引っ張られることがある。


 そういう時は、その場にとまって、カブラくんが落ち着くのを待った。


 お散歩も折り返しになる頃には、カブラくんもあたしも、もちろん楓さんとマカロンちゃんも、だいぶ落ち着いて散歩に慣れたようだった。


「さて。じゃ、うちに帰ろうか。歌子さん、大事にならないといいけど」


 そうして浜風ペットサロンに帰り着いて間もなく、歌子さんから楓さんに電話がかかってきたのだった。


     つづく

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