表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/87

【みんなの夏休み:エンディング】

翌日今度は泉の祠に行き、ラウマ像の祠を掃除した。

「大分きれいになったね!こんどセメント持ってこよう。こことか直してあげたいな」

ユアが頭から布巾を外し、それで壁も拭き上げた。

「そうですね、時々こうして綺麗にしてあげたいです」

ここにはもうラウマと繋がりがないと本人に言われていたが、二人にとっては大事な場所なのだった。

アミュアがユアに名付けられ、アミュアとなった場所だ。

そして、アミュアにとっては異世界に旅立ち、戻った場所。

何も持たないアミュアの、故郷のような場所だった。

今日は二人でソリスの墓参りをすることにした。

「もっと立派な墓石を今度もってこようか?」

ユアがそういうのだが、アミュアは笑って首をふる。

「ししょうはきっとよろこばない。わたしがこれがいいと言えば、これでいいと言ってくれる」

小さな手のひらに乗るような石を二つ積んだだけの墓。

前に来たときにアミュアが作ったものだ。

土魔法で整形した小さな風よけも付いている。

「ここから異世界にいったのです」

今日のアミュアは微笑みだけ添えて参ることができた。

胸はちくりとするが涙は出なかった。

しゃがんだアミュアのうしろで手を合わせるユア。

(異世界のお師匠様、きっとアミュアが心配でしょうね。アミュア可愛いから。でも大丈夫ですユアがずっと見守ります。安心してやすらかに)

なにも打ち合わせも報告もなく、二人は同じ事を祈るのであった。

まだ明るいので、急げば家まで帰れるねと準備していたが、アミュアがユアを呼んだ。

「ユア少しだけ時間いいですか?」

ラウマ像の前に立ったアミュア。

像とアミュアは非常に背格好が似ていた。

「どしたの?時間はいくらでも大丈夫だよ?」

頷いたアミュアがユアの手をとる。

「前にユアがおかあさまの結婚式のお話をしてくれました」

思い出したように綺麗な笑みを浮かべ続ける。

「とても素敵なお話で、わたしも羨ましいなとおもいました」

ユアはどうゆうこと?といった顔。

アミュアは何かを決意した目。

ユアも真剣な顔になる。

「これを受け取ってほしいのです」

そういって昔ユアに教わった花冠の指輪をユアに付けた。

「あは、かわいいなありがとう」

ユアもうれしそうにした。

「ユアも目を閉じて欲しいです」

そう言って眼を閉じるアミュアはもう真っ赤になっている。

どゆこと?とおもいつつ目を閉じたユア。

「わたくしアミュア=アウラ=セリオスはこのものを生涯の友とし、健やかなる時も、病める時も、互いを思いやり、支え合うことを誓います」

アウラ=セリオスは異世界の賢者、ソリスのファミリーネーム。

かつて皆伝の寿ぎにと贈られた名で、お前は私の娘だよとも言われたのだ。

ユアはぱちくりと目を開けてしまう。

アミュアもちらと目を開けてユアが目を開けていることに気づく。

「もう!目をとじててっていいました!」

アミュアにとってはあこがれは有っても、宣言がすごく恥ずかしかったのだ。

いまは頬をふくらませ顔色も戻った。

「あは、ごめんごめんびっくりしちゃって」

ぽかぽかするアミュアをきゅっと抱きしめるユア。

まだ膨れているユアの手をとり騎士の礼をとる。

「ごめんね、お返しする指輪はあとで作るね」

そういって見上げたユアがきれいなウインク。

アミュアの手に唇を落とし誓うのだった。

「わたくしユア=ルクス・シルヴァはこのものを生涯の友とし、健やかなる時も、病める時も、互いを思いやり、支え合うことを誓います」

ルクス・シルヴァは古竜シルヴァリアが勇者ラドヴィスに贈った称号だ。

父からだと、母が教えたファミリーネームだ。

かあっとまた真っ赤になるアミュア。

互いのファミリーネームに誓うことで、相手の願いをかなえるとたった一つ約束したかったのだ。


どこにもいかないよと。

 その約束が相手を安らがせると信じて。





いつかのように涼やかな風がアミュアの頬を優しく冷やす。

 すこしだけ甘い香りは野イチゴだろうか?



たがいに取りたいと願った手を繋ぎ前に進むのでした。













以上で「わたしの外伝あつめ」校了となります。

おわってみれば長編のボリュームでしたね(汗)

お楽しみいただけたら幸いです。


それでは次は第三部「わたしの手が届いたとき」https://ncode.syosetu.com/n9090kv/

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ