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【みんなの夏休み:第6話:6人で湖水浴を】

馬車組がアウシェラ湖についたのは予定通り3日目の午後だった。

丘の上の展望台も堪能した4人が湖畔のホテルにチェックインする。

以前に宿泊した最上階のスイートを取り置いて貰っていた。

Aランクのカーニャの名前はどこに行っても特効である。

今回はユアが支払って、別のツインに泊まっていたアミュアとミーナも一緒の6人で泊まることとした。

スペシャルスイートの部屋は、ダブルサイズベッドが2つ室内に有り、外テラスの屋根の下にもダブルベッドが一つ有るのだ。

十分に6人寝られると思われる。

テラスも大きく、4人がけのテーブルセットやジャグジーまで完備されている。

夏の期間は人気のホテルなのだが、カーニャがハンターオフィスの魔導メールで予約していたのだ。

全国区で活躍するAクラスハンターは色々と特権もあるのだった。




ミーナとアミュアは出かけていると言うので、4人で部屋に入り荷解き。

わいわいと下の売店で手に入れてきた小物やアクセサリーを見せあったりもした。

「天気もいいし!早く着替えて泳ぎにいこうよ!」

ユアのテンションは上げ止まりストップ高であった。

イケイケである。

もう水着に着替えて、タオルや小物の入った透明なバッグまで手に持っている。

去年とちがいビキニの水着でオレンジの爽やかな水着。

カットは大人しめだが、ユアはスタイルが良いのでなかなかの着こなしであった。

シャワールームに入っていくカーニャとラウマ。

「私達はあっちで着替えるね」

恥じらいのあるコンビは個室で着替えるのだ。

もちろん誰よりも早くすっぽんと脱ぎ散らかしここでユアが着替えたのだ。

ノアも裸になりベッドの上でもぞもぞ着込んでいる。

「ユアなんか紐が~」

てこずるノアを手伝うユア。

「あ、そこじゃなくて、こっちだよ腕」

早く着替えて泳ぎたいノアと、早く着替えさせて泳ぎたいユアが苦戦しながらもノアのワンピースを着せていく。

色は黒だが、デザインもカットもかわいいワンピースだ。

腰回りに透けるひらひらが超ミニのように回っている。

背中が大胆に開いていて、肩紐が複雑な組紐になっていた。

ここいらがノアが一人で着れない事情であった。

「できた!」

ぴょんとベッドの上で飛んだノア。

バンザイジャンプで、高いスイートの天井スレスレまで行った。

このままベッドに着地すると壊す恐れがあると判断したユアが、すっと移動しキャッチする。

「ひゃん」

予想外の動きに変な声になるノア。

「ベッドがこわれちゃうよ!気を付けてノア」

横からキャッチしてノアを横抱きにするユア。

前衛職二人なので、互いに動きが鋭い。

二人なら本気を出せばこの10階のスイートから湖に飛び込むことも可能であろう。

「ノア結構背中がだいたんだよ。おしりが見えそう」

床に下ろしたノアのおしりの上を、パチンと指で引っ張って弾くユア。

「ふぎゃ!やめてよ!ユア」

おしりを押さえて逃げるノアであった。

「ユアだってお腹とかいっぱい見えてるじゃない」

「ふっふっふ、おねーさんはいいのですよ。これくらいは」

いうほど大人びたデザインではないのだが、ノアはうらやんだ。

「わたしもセパレートにすればよかった」

ちょっとふくれるノアであった。

そうこうしている内に、洗面で着替えてきたカーニャとラウマが出てくる。

「ずいぶん楽しそうね、ユアもノアも」

そういって着替えて畳んだ服を荷物の近くに置いたカーニャは、ユア以上に大胆なカットのビキニであった。

6人のなかでは一番のスタイルを誇るカーニャである。

今日の水着は黒に鮮やかな朱色のライン縁取りで、腰にも同じ朱色のパレオ姿であった。

胸元は見事に谷間になっていて、ノアもユアも間近に見に行く。

『おおぉぉぉ』

ぱっと胸元を隠すカーニャ。

「なによ、やめてよぉ」

大胆な格好をするくせに見られるのは恥ずかしいカーニャであった。

うしろでにこにこしているラウマは、ユアとお揃いの形の黄色いビキニタイプ。

こちらは同じ色のパレオをまいていた。

ユアのにもパレオがつくのだが、装備していない。

おしみなく長い脚を披露したいのではなく、動きづらいからいらないとなったのだ。

ユアとラウマのビキニはかわいい透けるフリルが胸元を隠し、谷間を目立たせない。

「よっし!戦闘準備完了!」

元気に右手をあげるユア。

『おー!』

ちゃんとのりのりで返事をする3人であった。



ばっしゃーん!

ユアのブリーチングが観測されるビーチには、まだ季節が早いのか湖水浴客はまばらだ。

今年はノアを引っ張っていったユアが、ノアにもジャンプを仕込んでいる。

ぱしゃんと控えめに水面にでるノアはきれいな飛び込みスタイルで水面に戻る。

ノアの動きですら常人からみたらとんでもないのだが、ユアのは豪快に伸身回転も入れるので、高さがそもそもちがった。

「おーい!」

ホテルの方から声がかかり、ミーナとアミュアもビーチに来た。

ミーナは今年はカーニャとお揃いの黒のビキニ。

カットはカーニャほど際どくなく、可愛い系の朱色のフリル付きだ。

アミュアはユアとラウマとお揃いで買ったので水色のビキニでパレオを巻いていた。

「久しいと感じちゃうくらい楽しい旅だったよ!」

とはミーナである。

にっこにこでアミュアと腕を組んで登場である。

二人の身長差はどんどん無くなって、今では比べないと解らないレベルだ。

背が伸びた分お肉も増えたミーナは健康的な肌をさらして歩く。

あいかわらずあり得ないくらい白いアミュアは、眩しいほど光を反射している。

二人をまぶしそうに見上げるカーニャの頬には隠しきれない喜びがある。

もうミーナが失われる心配をしなくていいのだと、2度めの湖水浴で実感できたのだ。

これがこれからずっと続くのだと。








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