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わたしの外伝あつめ  作者: Dizzy
第1章
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【ミーナ学園編:第5話:おひるやすみは限られている】

翌日はミーナ初めての授業であった。

寮から学園までは回廊でつながっており、距離も近い。

どうやら学園を挟んだ反対側には男子寮なる魔窟(まくつ)もあると聞いた。

カーニャには決して男には隙を見せないようにと、何度も注意されたのだった。

魔法学園は選ばれた魔法資質の高いものしか入学を許されない国営の学校である。

同じ敷地内には専門を極める魔法大学も併設されており、世界中から入学希望がある国内最高学府であった。

通常入試は15才の制限があり、18才をこえてから入学となることも少なくない。

学園で魔法基礎・応用を満遍なく4年。

大学で各論や専門を4年、合計8年が普通の卒業年次だ。

卒業生は官民問わず引手数多で、むしろ飛び級でとの要望も多く実際若くして世に出るものも中には居るのであった。

ミーナの姉カーニャもその1人で入学から卒業までわずか4年のレコードホルダーであった。

回廊を並んで進むミーナとエーラ。

昨夜の食堂での話はエーラから詳しく説明を受けたミーナであったが、全く実感を伴わない知識としてしか入ってこなかった。

(姉さまも苦労なさったのかしら?今度聞いてみましょう)

まだまだ他人事のように感じているミーナであった。

学院館内は沈黙をもって良しとする学風があり、あまり立ち話などの風景は見られない。

向かい合って言葉を交わす程度だ。

しんと静かな館内に二人の靴音だけが響き、教室まで無言でたどり着いた。

授業までは大分時間が有るのだが、後から教室に入ると目立つからと、早めに来ていた。

「復習がてらミーナの勉強の具合も見てあげるよ」

と面倒見の良いエーラであった。

「うちはそんなに裕福ではなかったので、魔法の先生は居ませんでした。ただ姉に質問出来たので独学でもそれなりに勧められたのです」

ミーナもエーラに習い、今度は一番うしろの端に席を取り座った。

出口に近い側がいいのだとエーラの指示は斥候訓練地味ていた。

「指定の教科書は一応一読してきました」

「おぉ偉いですぞお嬢様」

ふざけて頭をなでるエーラ。

二人でいるとどんどん仲良くなれて、ミーナはとても嬉しかった。

(アミュアとも姉さまとも違う感じが楽しいな)

ミーナやりたいことリストがさり気なく進捗していくのだった。




座学の授業は滞り無く進み、午前中に2教科を受講した。

わからないところはエーラが教えてくれるので、ミーナもちゃんと授業についていけた。

お昼は二人で購買に行き調理パンと牛乳を仕入れてきた。

天気がいいので、開放されている屋上に上がり並んでベンチで食べる二人。

「本当にありがとうエーラ、教えるのも上手ですね」

感謝をこめるミーナの言葉はエーラにとっても嬉しいのであった。

「ミーナこそすごいよ、あれくらい理解できるならすぐ追いつくね授業も」

実際ミーナの理解力は素晴らしいものがあった。

「エーラもすごいです。先生よりわかりやすかったよ?」

そういって先程の総論の講師のまねをするミーナ

眉間にシワが寄り人差し指を立てるのだった。

「うふふふ、ミーナ変なとこよく見てるわよね」

そうしてパンがなくなるまで楽しく話しながら過ごしたのだった。

そんな楽しい時間で昼休みを終えようかというころ、不穏な気配が迫る。

二人が座ったベンチの前に、仁王立ちする二人の女子。

見覚えが有った。

昨夜のお嬢様のお供だ。

そう思ったミーナが困った顔をしていると、あちらから来意を告げた。

「ミーナとかいったか?貴様スリックデンの田舎から来たそうだな?言いたいことが有る」

いきなり戦闘モードで話し始める少女。

年の頃はカーニャと同じくらいであろう。明るいクリーム色の髪を編み込んで後ろに垂らしていた。

服装はシックな白黒上下でハウスメイドにも見える。

ただし立ち姿は武人だ。

「ちょっとセレナ、喧嘩売りに来たんじゃないのですよ」

冷静な声が後ろからかかる。

身長はセレナと等しく、少し痩せ型。

髪はグレー寄りの銀髪で前髪パッツン、ストレートに背の真ん中辺りまで伸びている。

セリフと違い、腕組でミーナを見下ろしている。

「最初に伝えておかなければ、不平等であろう。思い知れよ小娘」

ぎらっとセレナの殺気が当てられる。

武道の心得があるだろう気迫だ。

突きつけた右手はミーナを指差す。

同格なら決闘騒ぎになる仕草で告げる。

「レティシア様に無礼はゆるさん。お優しいお嬢様は何も言わんが、私がゆるさんぞ」

きりきりと殺気が来るのだが、以前ミーナは死に迫る戦闘を経験しているのでけろりとしている。

殺すぞと脅されるのと、殺されそうになるのは違うのだ。

また間近でユアやカーニャといった、英雄級達人の身のこなしを見て知っているのも差として出る。

「気をつけます、ごめんなさい」

ペコっと詫びるのであった。

その横ではぷるぷると怯えるエーラ。

セレナが話す度にビクっとなっている。

エーラのリアクションが見えているから、なおさらミーナが小憎らしい。

「ほら、用は済んだでしょう?行きますよセレナ」

早々と引き上げようとする相方に答えるセレナ。

「フィオナ待てって、武官としては放置できん」

「侍女ですよ、武官ではないです。ほら行きますよ授業に遅れます」

先立ってもどる冷静なフィオナからも、全く温かみのあるニュアンスは感じられなかった。

「覚えておけよミーナ。王都であのような無礼は通らんぞ」

捨て台詞を残しズンズンとスカートを広げ去っていくセレナ。

見送ったミーナは、エーラを振り向き初めて怯えた目に気づく。

「大丈夫ですよエーラ?全然本気じゃなかったようですし」

ミーナにとっては脅しにはならなかったようだ。










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