【ミーナ学園編:第3話:同室と仲良くしましょう】
いつものように誤字脱字に後から気づくスタイルお許しを。ここに説明のない修正はそうかと察していただければと。ごめんなさい。
エーラとたっぷり互いに自己紹介したミーナ。
すっかり仲良くなって、言葉遣いもこなれたのであった。
「エーラはこの後何か予定がありますか?」
にこやかにミーナ
「いえ、今日はもう復習も終わったのでお掃除でもしようかと思ってました」
「お昼は寮ではでないのでしょ?どこかに食べに行きませんか?」
「いいですよ。ミーナは嫌いなものあるんですか?」
「むぐ、実は‥‥お肉がたくさん入ったものが苦手です」
ちょっとびっくりしたエーラ。
自分よりも年下のしっかりものと思ったミーナに、意外な欠点をみつけたのだ。
「そうなんですか?ではパスタの美味しいお店があるので行きましょうか?」
「わぁ嬉しいですパスタは大好きです」
にっこりになるととたんに幼いミーナで、エーラはお人形さんみたいに可愛いなと思った。
ミーナは白い肌に金髪を肩まで伸ばし、赤いリボンを付けていた。
大きな青い目はビスクドールのような愛らしさであった。
外套をとり外出の準備が整ったミーナに、同じく出かける支度をするエーラがミーナの指輪に気づいた。
「かわいい指輪ですね?木工ですか?」
ミーナは左手につけている白木を蜜蝋で仕上げた木工指輪を反対の手で大事そうに触る。
精緻な彫刻は小さな花をいくつか刻んでいる。
「これは恩人にして親友と、一緒に選んだお揃いの指輪なんです」
大切な思い出とともにアミュアを思い浮かべるミーナ。
「わぁ、素敵ですね!恋人さんなんですか??」
恋バナかとくいついてくるエーラ。
「え!?違います女の子ですよ?」
意表をつかれ動揺するミーナ。
「命の恩人にして、わたしに勇気をくれた大切な友人です」
そうしてほんわか微笑むミーナを少し羨ましそうに見つめるエーラであった。
「素敵な出会いがあったのですね。うらやましいわ」
そんな思い出話しがまた二人の距離を縮めるのであった。
敏感に気づくミーナはこんなところでもアミュアが支えてくれたと嬉しくなるのであった。
お昼は無難なパスタを二人で食べ、少し歩こうということになった。
王都は王城を北に置き、3方に放射状に広がっている。
外壁の手前で食事をした二人はまっすぐ内壁に戻らず、少し東方向に歩くのだった。
「わぁいろんなお店があるんですね。エーラ少し見ていきたいですここ」
すっと自然に手を引くミーナ。
愛らしい外見と、人見知りなのに懐くと距離が近いミーナにドキドキするエーラ。
「わ、わかったから引っ張らないでミーナ」
小物が特にミーナのお気に入りで、アクセサリーが有るお店に引き寄せられがちであった。
ショーウインドウをみるミーナは満面の笑みである。
隣まで来て同じガラスに写る自分をみたエーラは少しがっかりする。
ミーナはとてもスレンダーで手足が細いので綺麗だなと、自分の容姿が好きではないエーラは羨ましくなるのであった。
「ミーナのお洋服すごい上等な仕立てね?うちの実家は生地も扱ってるから詳しいの私」
とエーラはミーナのローブを褒めた。
「これは姉さまのお下がりを、直してもらったものなの。素敵よねつやつやで私も好きです」
ちょっと照れて、はにかんだミーナは答えた。
「姉さまは魔法学校と大学を卒業して、今はハンターを王都でしてるんです」
「ええ?!ヴァルディアって。カーニャ・シル・ヴァルディアですか?Aクラスハンターの??」
きょとんとなるミーナ。
「はい?姉はカーニャです」
「すすす、すごいです!あの”真紅のカーニャ”の妹なんですか?!」
「知っているんですか?姉を」
「知ってるもなにも、伝説ですよ学園の。飛び級で14才にして首席卒業、たった4年でAクラス最年少到達。度重なる貢献で王家から名誉騎士に叙勲されたと。今の学園でもっとも有名な卒業生ですよ!!」
ぺらぺらと勢いのあるエーラの説明をきいたミーナは、目を丸くして驚いた。
(ねえさまって王都でも有名だったのですね)
スリックデンでも時々姉に頭を下げる大人を見て、只者ではない姉だとは思っていたが、王都でまで名が知れているとは思いもしなかった。
そう言えば入学を強く勧めてくれた先生もカーニャを知っていたと思い出したミーナであった。
いつまでもカーニャの武勇伝がやまないエーラを止めて願い出るミーナ。
「エーラごめんね、できたらこの事は内緒にしてもらえませんか?姉のことです」
「え?え?どうして?きっと皆が知りたがりますよ?ハンターカーニャのお話。先日のスリックデンの大火もカーニャさまが消し止めたと有名です!わたしも聞きたいです!」
「私が知ってることはエーラにも教えますから、誰にも言わないでほしいです。お願いできませんか?」
すっと近づく上目遣いのミーナお願いの破壊力に、エーラもめろめろであった。
「わかったわ。誰にも言わない。ごめんね?なにか嫌なこと私言ったかしら?」
「そんなことない、姉が褒められるのは私も嬉しいです」
にっこりになったミーナ。
「でもハンターカーニャの妹とみなに思われたくないの。比べられるのもイヤだし、へんに期待されたらこまっちゃいます」
それもそうか?と思いいたるエーラであった。
「よかった、私ミーナとは仲良くしたいわ。秘密は守るからこれからもよろしくね!」
めずらしく元気に話すエーラに、ミーナも嬉しくなるのだった。
「こちらこそお願いね!エーラ」
そういって手を取るミーナは、エーラの予想を超えて距離を詰めてくるのであった。
ちょっとドギマギしながらも道を進むエーラであった。
エーラには兄弟がおらず、商家とはいえそれなりに大きな店で、あまり同年代の付き合いが無かったのもあるのだ。
こうして問題なく同室との仲を深めたミーナであった。




