八話 ふ、不審者!?
ノアとレファは宿屋で明日の予定を話していた。
「明日はたぶんグレイさんはギルドにつき次第突撃してくると思うんだよ」
「ふんふん」
「でも、レファはあんまりグイグイくる人は得意じゃないだろ?」
「うん」とレファは頷いた。
「で明日グレイさんに相談しようと思ってることはレファにも関係あるんだ」
「そうなの?」
「そうだ。レファの今後のことかな」
「例えば?」
「獣人国家に戻るとか?」
そう言うと、レファは涙目で
「やだ。ノアといたい」
「だけど、不便じゃないか?ほら、見た目のこともあるし」
すると
「もう、戻る場所なんてない⋯」
と悲しそうに言った。
きっと、昔嫌な目に遭ったあたりだろう。
「わかった。でも、ずっと一緒にいられるわけじゃないってのも知っていてほしい」
ノアもちゃんと働かなくては生きていけない。
幸いノアはBランクなのでそれなりの仕事は受けられるし、神様達のおかげで戦えるようにもなった。
「それってお仕事のこと?」
「うん」
「なら私も戦う!」
ととんでもないことをいい出した。
「でも、レファには危険すぎるよ」
「大丈夫だよ。私は少し先の未来を見るスキルがあるの。魔法も使える」
「ちょっと鑑定するぞ」
確かにノアが鑑定で見たのは凄いものだった。
※カッコでノアのステータスも出します。
ーステータスー
名前 レファ
種族 狐人
年齢 十五歳
魔法適性 風レベル8 時レベル8 (火 水 風 土 氷 光 闇etc)
固有スキル 未来視 (成長促進 全属性適性 融合 創造)
攻撃力 300(150)
防御力 250(45)
速度 550(250)
魔力量 1600(100000000)
体力 4500(1500)
────────────────────────
という感じだ。
「一般人の数倍、いや数十倍あるぞ」
例えば、一般人の魔力量はせいぜい100あるかどうかだ。速度に至っては30くらいである。
「ね。大丈夫でしょ」
「でも危険だし、経験だって⋯」
そんな感じで悩んでいるとドアがすごい勢いでノックされた。
「なんだ 、敵か!レファは俺の後ろに」
とレファを後ろに隠したあとノアは臨戦態勢になった。
そうしているうちに、ドアが壊れ倒れてきた。
(ドアが倒れたときが勝負の時⋯いまだ!)
『チェーンプリズン』
ノアが使ったのは拘束系結界魔法『チェーンプリズン』
これなら、宿も壊れないし安全に逃げられる。
「さあ、何者だ」
とノアは護身用ナイフを突きつけた。
「ノア。俺だグレイだ」
まさかのギルマスやんけ〜
「何してるんですか?せめて声かけてからノックしてくださいよ!敵だと思ったじゃないですか」
「すまんすまん。いても立ってもいられなくて。やっと恩が返せると思ってな」
「だとしてもやりすぎです!ドアが壊れてるじゃないですか」
相変わらずの脳筋っぷりである。
こんな人でもギルド全体で見たら上から数えて指で数えれるぐらいの優秀で偉いのはいまだ理解できない。
「この人がぎるますさん?」
と後ろに隠れていたレファが出てきた。
「なんだ、お前結婚したのか?おめでとうだな」
「違いますよ!知り合いの子です」
そして、相変わらずの思い込みっぷりだ。
「でだ。俺のところに来たってことはなにか起きたんだな」
と急に真剣な顔で言った。
「はい、少し」
とノアは説明を始めた。