七話 暇つぶし観光
「ダメだったかぁ~」
とノアはギルドの入り口の前で肩を落としていた。
「どんまい」
自分より下の年齢であろう女の子に励まされてるってどんな状況だよ!
そういえば、レファって何歳なんだろうか?
「なあ、レファ。レファって何歳なんだ?」
すると衝撃の回答が帰ってきた。
「十五歳」
同い年じゃん!まじかよ⋯
「人間の年齢にしたら⋯十歳ぐらい」
そういうことか。
人間と獣人では寿命に差がある。
例えば、レファ達で狐人は百五十歳ぐらいまでは生きれるとか。
それで成長が遅かったのか。納得だ。
でもこれじゃロリk⋯これ以上考えるのはやめておこう。
「にしても、やることないな」
パーティーで色々してた頃とは大違いだ。
「なら、ご飯食べたい」
「え?」
一時間前食べたばかりでは?
「あれ食べたいの」
といい匂いがする屋台を指した。
「おじちゃん一個ちょうだい」
「可愛い嬢ちゃんだな。お兄さんの子供かい?」
「いえいえ、知り合いの子ですよ」
「そうかい。はい、嬢ちゃん串揚げだよ。嬢ちゃん可愛いからおまけしとくよ」
ともう一つお兄さんはくれた。
「代金はこれで」
と銀貨を渡した。
「多すぎるな。銅貨はあるか?」
「あー、すみません。一気に買い物はよくしていたもので。これでいいですか?」
「ああ、ぴったりだ。これからもごひいきに」
「ありがと、おじちゃん。ばいばい」
とレファは手を振っていた。
意外とうまくいくものである。
実はノアはレファに幻影魔法をかけていた。
もちろん、レベル10
他の人には普通の女の子に見えているはずだ。
ノアの魔法の精度はピカイチだその理由は魔法を新しく覚えることがなく、同じ魔法の練習をしていたからである。
実際、加護とか無くても普通のファイヤーボールでも数倍の威力があるのだ。
本人はそのことには気づいてはいないが
「レファもうマント被ってなくていいぞ」
「いいの?」
「実は幻影魔法をかけておいたんだ。だから、もう大丈夫だ」
「そうなの?」
とおっとりとした声で言ってきた。
「試しに一度マントを外してみてくれないか?」
「ノアの事信じる」
とレファはマントを取った。
「大丈夫かな?」
「あら」
と知らないおばあちゃんが話しかけてきた。
ダメだったのか?
「かわいい子だね。これ余り物だけどどうぞ。お兄さんみ大切にするんだよ」
「ハハ、そうですね」
どうして、親子に見えるのだろうか?
俺まだ十五歳なんだけど⋯
「ありがと、おばちゃん」
「レファはみんなに好かれタイプなのかもな」
そう言ったらレファは首を傾げた。
空を見上げるともう太陽は落ちてきていた。
「今日はもう遅いし、宿屋を探さないとな」
「ん。ついていく」
「え?一部屋しかしてないの」
「ごめんなさいね。でも、小さい子を一人にするのも不安でしょ」
宿屋の人が言うことも一理ある。
「仕方がない。それでお願いします」
ともかく、宿屋は確保することができてノアは安心した。