三話 あ⋯(察し)
「ふぅ、なにか魔法の的になるものないかな?」
と森の中をふらっと歩いていると猪型の魔獣が出てきた。
「お。ちょうどいい」
猪型の魔獣が俺に気づいて突撃してきた。
『スキル融合!』
と叫んだら今まで感じたことのない感覚があった。
頭の中で火魔法と水魔法のイメージがくっついた気がした。
『爆破魔法!』
そう唱えるとドカーンと言う大きな音のあと砂煙がたち、辺り一帯が吹き飛んでいた!
(やっちまった。魔獣こっぱ微塵じゃん。ヤバいじゃん)
とりあえずノアはそこから逃げることにした。
しばらくして騎士団が来たのは言わずもがな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「だいぶ奥まで来ちゃったけど大丈夫かな?」
と森を歩いていると人の声が聞こえてきた。
(こんなところに人ありえない)
「あっちからだ」
声の発生源は何人かの男だった。
「今回はいいのが奴隷入ったな」
「ああ、狐人の子供だとよ。村はつぶされてかわいそうにな」
ノアはそれを聞いて我慢ならなかった。
(奴隷なんて許せない。それも無理やりだって⋯)
その時うっかり木の枝を踏んでしまった。
(あ、やば)
「誰かいるのか?」
案の定勘付かれてしまったもう、やるしかない。
『スパーク』
とノアは雷魔法初級の『スパーク』を放った。
(きっと、倒しきれないってあれ?)
ふとノアが前を見ると男たちは倒れていた。
「スパークにそこまでの威力はなかったはずだよな?」
もしかしてと、ノアがステータスを開きとある説明を見つけた。
『魔法の威力は本人の才能と魔力量に比例します』
やっぱり⋯またやっちまった〜
「ネガティブな思考はやめようよ」
と馬車の方を見た。
「誰かいるか?」
「ヒッ」
とどこからか怯えた声が聞こえた。
少し探すとその声の持ち主はすぐに見つかった。
「大丈夫か?」
「ごめんなさいごめんなさい」
「安心してくれ俺は彼奴等とは違う。助けに来たんだ」
そう、声をかけてもその子は怯えていた。
その子は男たちが話していた通り尖った耳ときつね色の尻尾を持っていたのですぐに狐人だとわかった。
えっとこういう時どうすればいいんだっけ?
「えっと、俺はノア。君は」
「わ、私は⋯レファ」
「そうか、レファ安心してほしい。俺は君を痛い目に合わせるために来たんじゃない」
「ほんと?」
と少し怯えながらも言った。
「ああ、ほんとだ。ところでその傷は?」
レファは体中傷だらけだった。
「男の人に鞭で打たれたの」
「大変だったな。実は俺回復魔法が使えるんだその傷直してもいいかな」
「もしかして、ノアは教会の人?」
「いや、ちょっと魔法が好きな魔法使いだよ」
そう言って傷を治した。