十四話 ダンジョンの奥にあったもの
ノアとレファは食事を終えたあと、ダンジョンの奥へと進んでいた。
「レファずいぶん上機嫌だな。そんなにカレーがおいしかったのか?」
「おいしかった!見たことない料理だし」
(それはそうだよねー。だって、あっちの世界の料理だし⋯)
まあ、レファが嬉しそうにしてくれているなら、いいもんだな。
ノア、八雲裕也には妹がいた。
レファは性格がどうも前世の妹ににているから、つい世話を焼いてしまう。
ノアはダンジョンの天井を見上げて
(きっと家族を悲しませてしまったけど頑張って行きていっていて欲しいな⋯)
と思いながらダンジョンを進んでいった。
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そこには棺桶とたくさんの花、そして、裕也の写真があった。
私は八雲聖奈。
私は今、お兄ちゃんのお葬式に来ている。
私の耳にはよくわからない念仏すら聞こえていなかった。
お兄ちゃんが死んだって聞いた時、信じれなかった。
そんな、漫画みたいな死に方するわけないって。
「ずっと言ってじゃん⋯『俺は病死か老衰で死ぬなって』なのにどうして⋯」
一人、お葬式を終えたあとつぶやいていると
「すまない、俺のせいで裕也は⋯」
「あなたは⋯兄のお友達の和也さんでしたっけ⋯」
聖奈はもうかれてしまった喉で掠れた声で言った。
「あいつは裕也は⋯俺を庇って死んだんだ」
「知ってます。兄は優しい人でしたから⋯」
「今度、お墓参りに行きませんか?裕也がせめて天国に行けていて幸せになれるように」
「⋯」
聖奈はそこから何も言うことができなくなってしまったがお墓参りには行くことにした。
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ノアとレファはダンジョンの中で大きな扉の前に立っていた。
「どうやって開けるんだ?」
「さっきから色々やってみたけどちっとも傷つかないし、動かないよ⋯」
さっきからレファに魔法をいくつか全力で撃ってもらたり、全力で殴ってもらったりしたのだが、この真っ黒な扉は少しも動くことはなかった。
「少し扉を調べてみるね」
とノアが扉に触れると急に扉に白い光の線が入った。
「え?何、何が起きるの!?」
すると扉はギィーと音をたてながら開いた。
「ノアすごい。私じゃビクリともしなかったのに」
「きっとたまたまだよ」
しかし、この扉の先からは何かの気配を感じた。
「レファはこの先に進んだほうがいいと思う?」
「ノアならきっと、大丈夫だよ」
「うーん。わかった進もう」
そう決めて薄暗い通路を進んでいると先の方から光が差してきた。
そして、そこには大きな舞台があり、白色のドラゴンが禍々しい鎖で捕まっていた。




