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女の子だもん
投げ捨てた餃子を祖母は拾った。
恥ずかしい所みせちゃったねーって。
私は頭に来たし悲しかった。
私にはおばあちゃんも、おじいちゃんも居ない。
血の繋がった兄弟も居ない。
親戚も少なく、交流も無い。
そんな私には、彼の祖父母が羨ましく
あたたかい気持ちにさせてくれた。
そんな祖母が手作りした餃子。
まだ温かく香ばしい香りのする餃子。
自分の家で、温かいご飯がある
おかえりと言ってくれる家族がいる
そんな環境を当たり前だと思っているのか
鬱陶しいとさえ思っているようだった。
私も餃子を拾うのを手伝って
春子の部屋に彼と行った。
彼は、いつもの事だからって言っていたけど
私は何故こんな事をしたのか聞きたかった。
じゃないと、また同じ事が繰り返されるのか
何も解決しない気がした。
不貞腐れた態度の春子に、声をかけた。
何故あんな事をしちゃったのって。
作ってもらったのに、良くないねって。
春子は鼻息荒くしながら答えた。
だって、餃子にニンニク入れてるんだよ!
女の子なのに!!
え?それだけで?と思ったが
春子には重要な事だったらしい。