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自慢の黒髪
雷鳴のよう様な大きさで
鶯より高い声でいきなり
「春子、参上!!」
と、いつか見たヒーローのようなポーズで
彼の部屋に飛び込んで来た、春子。
初対面の私に向かって
「ねぇ。それ地毛?」と聞いてきたので
元々赤毛なのだと伝えると
とても嬉しそうに
「かわいそう!!」と言われた。
春子は、自分の黒髪が気に入っており
黒髪がもたらす良いイメージが全部自分に当てはまるとでも言いたげだった。
例えば
幼く見える
清楚にみえる
清潔に見える
などという事だ。