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ログインガチャ:選ばれた運命、進むべき道  作者: 紅月ヨルカ


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動き出す運命

亜里沙は、何が起きたのかすぐには理解できなかった。しかし、徐々に現在の状況を理解しつつあった。ヴィスティーは知らない人ではなく、知り合いだったこと。そして、自分のことも…。

「亜里沙ちゃん、久しぶりね。こういう挨拶は、もう何度目になるのかしら?毎回言っている気がするわ。セレナさんも、いつも亜里沙ちゃんと一緒にいてくれてありがとう。心強かったと思うわ」

ヴィスティーは、笑顔で挨拶をした。

「いえ、私は別に一緒にいたいからいるだけで、お礼を言われるようなことは…」

セレナが答える。

「まあ、いないと話が進まないからね、今回は…。あの子も一緒なのね」

ヴィスティーは、イフの方を見た。

「イフのことも知ってるの?」

亜里沙は聞いた。

「もちろんよ~。ただ、完全な味方って感じではなかったよね?今まではね~?」

「そうかもしれないけど、今は大事な仲間です!」

少し強い口調で、亜里沙は言った。

「別にどうこうする気はないわよ。ただ、確実に変わったわね、運命は…。あなたも思い出したんでしょ?色々と」

亜里沙は、少し下を向き言った。

「ええ、少しですけど思い出してきました。私の目的とか、旅の理由も…。ただ、まだ自分が思い出している過去と今の現状で、噛み合っていない部分があるので…そこはもやもやしてます」

「うん、今はそれでいいのよ。それより、デバイス貸してもらえるかしら?」

ヴィスティーは、手を差し出した。

「えっ?はい、どうぞ」

亜里沙が渡すと、ヴィスティーは言った。

「今までありがとう」

そう言うと、「あるべき姿に戻りなさい」とデバイスに手をかざした。すると、デバイスは光に包まれ、「運命の書」へと姿を変えた。

「やっと私の元に戻ってきたわね。おかえりなさい」

ヴィスティーは微笑んだ。

「えっ?私のデバイスが本になった!どういうこと?」

亜里沙は、びっくりして言った。

「あ~、その辺は場所を変えてゆっくり話しましょうか?」

気だるい感じで、ヴィスティーは言った。そして、「運命の書」を開き言った。

「さあ、行きましょうか?運命の場所へ」

言うと、転送装置が現れた。

「すごいね、そんな能力あったんだ。あのデバイス」

セレナが、普通に感心している。

「多分何でもできるよ。そういう能力があるから」

冷静に言うと、寝ているイフを引っ張って転送装置の方に向かう。

「その子も連れていくのね…?」

「当たり前です。大事な仲間ですから」

「そう、分かったわ」

言うと、3人は光に包まれた。

一方、アルティアはガイドによって開かれた次元の穴に落ち、魔界へと辿り着いた。

そこは、常識では考えられない光景が広がっていた。空は、どす黒い瘴気で覆われ、赤い月が不気味な光を放っている。大地は、ひび割れ、焼け焦げ、硫黄の匂いが立ち込めている。ところどころに、異形の建造物がそびえ立ち、その表面は蠢くように脈打っていた。

冷たく湿った風が、アルティアの肌を刺す。その風には、腐敗臭や血の匂いが混じり、吐き気を催す。遠くからは、唸り声や悲鳴が聞こえ、耳を塞ぎたくなる。

アルティアは、目の前の光景に圧倒されながらも、警戒を怠らなかった。魔界の住人たちは、いつ襲いかかってくるか分からない。アルティアは、拳を握りしめ、覚悟を決めた。

「ここは…一体…」

アルティアは、呟いた。その声は、魔界の不気味な静寂に吸い込まれていった。

全身に広がる痛みを感じながら、こっちを見ている魔物や魔族を睨み返す。「ふっ…こういう場所じゃ、女の子は貴重かな?」と言ったと同時に魔物の首を吹き飛ばし、松明の炎で炙り肉を食べる。その豪快な姿に、魔族達も若干引いている様子だ…。「あたし、本当はもう死んでも良いと思ってた。ガイドに負けて次元の歪みに落とされた時にさ…でも、急に昔の仲間の事を思い出しちゃってさ…柄にもなく会いたくなっちゃったんだ…だからさ、そこどいてくれない?ここを通って、ちょっと覇王に…違うか、魔王になってくるからさ!」と一気に髪が赤くなり、高速移動から重力で空間のエネルギーを圧縮して一気に解放し、大爆発を起こす。「う〜ん?やっぱり威力が落ちてたわけじゃないよな〜?なんで無傷で防げたんだ、あのガイド?まあいいか。早く亜里沙達に会いたい」とあたしは、遙か遠くに見える魔王がいると思わしき城に向かって歩き始めた。

一方、クロノスとメビウスは、ガイドとアルティアの一連の戦闘を見ていた。メビウスが驚いた顔でクロノスに問いかける。「ねえ、どう思う?」その問いに対して、明確な答えを出せず沈黙が続く。しかし、その表情は穏やかではなかった。「メビウス?このガイドが、ウラヌスの生まれ変わりという可能性はあるかな?」と恐る恐る質問する。メビウスは、悩みもせず答えた。「いいえ、それはないわね。だって、ウラヌスが死んで全てのシステムを託されて、どうしようってパニックになってた時に、働きたいって来たんだから。人手が足りなくて助かったわ…」その答えを聞いて、クロノスは武者震いを始めた。「そうなんだ…あのガイドの戦い方、常に余裕がある感じ、そして単体で次元の歪みを出した所、総評すると生まれ変わりかと思ったんだけど…いや、生まれ変わりであってほしかったんだけど…」その言葉を聞いて、メビウスも映像を改めて確認し、「まさか、本人?」と驚く。「ほぼそうだと思うけど…確定ではないけど…あの一切手を出さず戦う姿は、ウラヌスそのものだ…」色んな思いからか、クロノスの目から涙が零れ落ちていく。「ごめん、メビウス。私はちょっと色々と心と頭を整理したい…まさか生きてたなんて…私はずっと引きずって、自殺までしたと言うのに…」ふらふらになりながら、部屋の出口に向かう。「うん、分かってるから何も言わなくていいよ…落ち着いたら、また今後の事を考えよう…」「うん、ごめん…」と部屋を後にする。(まさか本人なの?ずっと私の下でサポートしてたあなたが、ウラヌスだと言うの?)複雑な思いを抱きながらも、ガイドの様子を見ていた。時を現在に戻して、亜里沙達はヴィスティーと共に運命の神殿の前に立っていた。運命の神殿は、白く輝く大理石でできた巨大な建造物だった。天高くそびえる塔は、まるで天へと伸びる指のように、頂上に近づくにつれて細くなっている。塔の周囲には、運命を象徴する彫刻が施された柱が立ち並び、荘厳な雰囲気を醸し出していた。

神殿の入り口には、運命の女神の像が鎮座している。その像は、優しく微笑みながらも、全てを見透かしているかのような深い眼差しを湛えていた。神殿の壁面には、人々の運命が描かれた壁画が描かれ、その色彩は、見る角度によって変化する。

神殿全体は、月の光を反射し、神々しく発光しているように見えた。その威容は、訪れる者たちを圧倒し、畏怖の念を抱かせる。

「うわ〜、大きな神殿〜」とセレナと亜里沙は神殿を見上げて言った。「うふふ、そうでしょ〜?私も久しぶりなのよ〜」と言うと、中には入ろうとせず庭の方に向かった。「ヴィスティーさん、どうして正面から入らないんですか?」と亜里沙は後を追いながら質問する。「ん?ここには用がないからね。私の部屋に行くわよ」と庭にある小さな小屋を指差す。「えっ?何あれ?ちょっとボロい小屋じゃないですか。嘘でしょ?女神なのに?」「あ〜、分かったわよ、亜里沙。私達が田舎者だと思っておちょくってるんでしょ!」「え〜、ひど〜い。ヴィスティーさんってそういう人だったの〜?」と言ってると、イフが目を瞑ったまま言った。「違うよ、亜里沙。多分、ヴィスティーも神殿には入れないんだよ…私が導き出した答えだけど、おそらく今あそこには別の運命の女神がいるから行けないんじゃない?」と言った。「恥ずかしいけどそうなのよ〜。でも、亜里沙ちゃんがいたら入れるけどね〜。ちょっと着替えてくるわね〜。あ!決して覗かないで下さいね〜」と小屋の中に入る…「………えっ?ヴィスティーさんって鶴なの?」と驚いた声で言うと、「いや、それはないだろ」とセレナがツッコむ。「それよりさ、亜里沙〜。ここにいると上手く力が出せない気がする。明るすぎるから…」「えっ?サングラスは?」「サングラス?なんかここだとそれも難しいみたい。光が強すぎるのよ…」「コウモリがサングラスの代わりの人にツッコまれたの?私〜」イフはそのやり取りで少し笑って言った。「ただ着替えを待つだけで、なんでそんなに賑やかなの?」

その時、小屋のドアが開いてヴィスティーが出てくる。さっきと違い、白いドレスに着替えていた。「お待たせ〜。じゃあ、神殿の中に行きましょうか?」と言うと、先頭に立ち歩き始めた。庭を進み、裏口から神殿の中に入る。亜里沙は後ろにいるセレナに「ねえ、どうして裏口からこそこそ入ったんだろ?正面から堂々と入れば良いのに…」と小声で言う。「でも、裏口から入る方が慣れた感じがしない?」とセレナが言う。「ちゃんと前を見ないと迷子になるよ」とイフが冷静に言うと、「あ〜、そうだね〜」と急いで前を向いて小走りで付いていく。すると、ヴィスティーが立ち止まっていた。亜里沙達は神殿内部を見て思わず「うわ〜」と声が漏れる。そこは広大な空間が広がっており、まるで無限に続くかのように感じられる。天井は、ドーム状になっており、そこには、星々が輝く夜空が描かれている。床は、光沢のある大理石でできており、そこには、複雑な模様が刻まれている。煌びやかな装飾が施されている。壁面には、金や宝石で装飾されたタペストリーが飾られ、床には、美しい模様の絨毯が敷かれている。空間の中心には、運命の女神が座る玉座があり、その周囲には、運命を象徴する様々な道具が置かれている。神聖で厳かな雰囲気に包まれている。運命の女神の気配が感じられ、時間が止まっているかのような静寂が広がっている。しかし、その静寂の中にも、微かに生命の鼓動が聞こえる。亜里沙は思わず「ここって一階だけなんだ。広いから何階もあるのかと思った」と言うと、ヴィスティーが苦笑いをして言った。「一応二階もありますし、転送装置を使えば神殿の奥にある塔のてっぺんにも行けますよ。ただし、塔は戦争とかでもない限り行きませんが」と言った。「ああ、そうなんですね〜」と言ったら、ヴィスティーが真剣な顔になって亜里沙に言った。「今から運命の女神に会いますけど…失礼がないようにね」と言うと、亜里沙の返答を聞かずに歩き出す。玉座の側面を通って行く時、亜里沙は運命の女神の横顔を見た。「ヴィスティーさんが運命の女神じゃないんだ」と少し驚いた。その時、神殿の正面の方から声が聞こえた。「あ〜、見つけた。やっとここに来たんだ〜。少し探したよ〜」と聞こえ、亜里沙達が振り向くと、エリスが歩いてくるのが見えた。「あっ、エリスだ…!」と思わず亜里沙とセレナはエリスに駆け寄ろうとした。しかし、それをヴィスティーが制止する。「悪いけど、感動の再会は後にして下さいね〜。運命の女神の御前ですから〜」と言うと、エリスとヴィスティーは運命の女神の方に近づいていく。亜里沙達も玉座の前へと向かう。運命の女神は寝ているのか俯いており、顔がよく見えなかった。「亜里沙ちゃん、しっかり見てね〜。この方が運命の女神よ」と言うと、エリスとヴィスティーが運命の女神の顔を上げる。それを見た亜里沙と仲間達は「えっ?私じゃん」「亜里沙じゃん!」「亜里沙ね」と驚いた。


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