宮下先生と青山さん
養護教諭の宮下が保健室に戻ると、
ベットに寝ている生徒がいた。
さらさらの髪。
高校生にしては幼くあどけない寝顔。
「はじめてみる顔。1年生かな」
しばらく寝顔を見ていた。
「ほんとかわいいなぁ....」
思わず頭を撫でてしまった。
廊下から「宮下先生〜」と聞こえ、
我に帰ると、また保健室を後にした。
その後、宮下が保健室へ戻った頃には生徒はいなくなっていた。
「もういないか、またくるかな....」
宮下は少し残念な気持ちでいた。
それから1週間後、
宮下が薬の在庫チェックをしていると、
保健室のドアがあいた。
「頭が痛いので休ませてもらってもいいですか?」
声のほうを見ると、あの時の生徒がいた。
宮下は少し動揺したが、
「大丈夫?ベットに横になって」
そういうと生徒をベットに寝かせた。
「学年と名前は?」
「1年A組 青山ゆうです」
「1年生ね。体温測るからおでこ出して」
前髪をあげ、おでこをだす青山が
かわいくて仕方なかった。
「熱はなさそうだね。よくなるまでゆっくり休んで」
平常心を保ち、立ち去ろうしたとき、
青山に白衣のすそをつかまれた。
宮下は少し驚いた。
「どうしたの?」
「......今日は頭撫でてくれないんですか?」