表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/21

0.はじまり

 背中に強い衝撃を受けた瞬間、痛みはなかった。

 胸をえぐり突き出た鋭い剣の切っ先を思わず見つめる。

 それがゆっくりと引き抜かれ、溢れ出る血を受け止めようと思わず両手を広げる。

 しかし、受け止めきれないほど噴き出した血が地面へと零れ落ちていく。

 膝から力が抜け、地面へと倒れ込む。

 月の光を遮るように目の前を暗い靄が掛かっていく。


 これは…なに?


 何が起きたの?


 暗くなっていく世界にあがくように地面を這う。

 

 だめ…だ。

 僕は…帰らな…くちゃ…いけ…ないのに。


 僕はもう一度彼女に会わなくちゃいけないのに。

 君を傷つけて泣かせた。

 ごめんなさいって言えなかった。

 子どもでいたくないってあがいて…そのくせ誰よりも子どもだった。

 婚約破棄なんて…嘘だから。


 本当は…。

 君のこと大好きだよ。


 目を開いているはずなのに、目の前が真っ暗になった。

 深い深い闇が…世界を覆う。


 愛しいレーネ。

 ああ…僕のシャルレーネ。

 君にもう一度会えるなら。

 君にもう一度触れられるなら。

 僕はなんだってできる。




 なんにだって……なってみせるさ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ