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1 6-5 40-30 見積もり

ウィンブルドン決勝、興奮しました! マッチポイントを二回凌いだジョコの粘りが凄かったw

ジュニアの望月選手もおめでとう!


「あっ! おじいちゃんとおばあちゃん、応援に来てくれたんだ!」


 スタッド・ローラン・ギャロスに、おじいちゃんとおばあちゃんがやってきました。

 二人が応援に来るとしても、私が勝ち進んだ場合の準々決勝ぐらいから応援に来るとばかり思っていたから、ちょっとビックリしてしまったよ。



「昨日の夜パリに着いたけど、時差があるからホテルに直行してバタンキューじゃったわい」


「おじいちゃんが、たまちゃんにサプライズするから黙っていろとか言うのですもん。たまちゃんを驚かしちゃったわね」



 だから今日ここで、試合会場での合流となったのでしたか。



「環希を驚かせてみないと、サプライズとは言わんじゃろ」


「うん、応援に来るとしてもQFからだと思っていたから、少し驚いたよ」


「サプライズ成功じゃな」



 おじいちゃんは、もう既に70近い年をしているのに、少年のようなところがありますよね。

 それで、優梨愛ちゃんと萌香ちゃんのお母さんも、一緒に日本から応援に駆け付けてくれました。


 ちなみに、二人のお父さんはサラリーマンだから、まだ日本で仕事の最中みたいですね。

 頑張れ、日本のサラリーマン!


 日本経済は、サラリーマンの犠牲の上に成り立っているのです。

 主に胃や十二指腸の犠牲かも知れませんが。


 だから、おじさん達がパリに来れるとしても金曜日ぐらいからでしょうか?


 私のお父さん? ……知らんがな。


 聞く勇気があれば、ママにでも聞いてみて下さい。

 私は敢えて聞きたいとは思いませんので、あしからず。


 私の座右の銘は、君子危うきに近寄らず。

 これをモットーにしておりますので。



「お父さんも来るなら来ると、連絡の一つでもしてくれればいいのに」


「まどかよ、それではサプライズにはならないじゃろ?」


「まあ、それはそうなんだけど」



 なにやらママが、ぶつくさとぶー垂れていますけど、スルーしましょう。



「環希がこの大会に優勝するのに、おじいちゃんは5万ポンドを賭けたから頑張るんじゃぞ」



 は……? 5万ポンドを掛けた? ナニソレ?



「5万円の間違いじゃなくて、5万ポンド?」


「うむ、5万ポンドで正解じゃよ」


「お父さんったら、まったく……」



 5万円じゃなくて、5万ポンドですと!?

 つまり、フィフティーサウザンドスターリングパウンドってヤツですか?


 そうではなくって、この大会が賭けになっているとは。



「ジュニアの大会まで賭けの対象にしちゃうの?」


「英国紳士は賭け事が好きじゃからの」


「賭け事が好きなのは、お父さんも同じでしょ」



 イギリスのブックメーカーが、なんでも賭けの対象にするのは本当だったみたいですね。

 なにやらママが、またなにか言ってますけど、スルーしておきましょう。


 といいますか、ジュニアのテニスの試合までブックメーカーは賭け事の対象にするとは、驚きの一言だよ。

 イギリスの法律とは、一体全体どうなっているのでしょうかね?


 他人事ながらも、少し心配しちゃいます。



「ちなみに、私が優勝する倍率は?」


「85倍じゃったな」


「つまり……?」



 なんか私が優勝した場合には、配当金の桁が二桁ばかり増えて、ミリオンを突破しそうな気がするのですけど。



「環希が優勝すれば、5万ポンドが425万ポンドに増えるというわけじゃな!」


「せ、責任重大だね……」



 でも、私が優勝すると思われている確率が85倍とは、随分と低く見積もられている気がしますね。

 まあ、まだ私が13才という年齢というのもあってか、優勝は厳しいとブックメーカーに思われているのでしょう。


 しかし、低く見積もられているのは、あまり気分が良いモノではありません。


 いまからでも、私も1万ポンドぐらい、自分に賭けたい気持ちにさせられてしまいますよね?



「お父さん、そういう話は環希に内緒にしておきなさいよ。試合前に身内がプレッシャーを掛けてどうするのよ?」


「なに、万が一にも環希が負けたとしても、5万ポンドは観戦料を払ったと思えば良いのじゃ」


「はぁ~、お父さんったらホントにもう……」



 どうやら、おじいちゃんにとっての5万ポンドとは、5万円程度の価値だったみたいですね。


 英ポンドは乱高下が激しい通貨なんだけど、ここ最近の日本円とのレートは、1ポンド=200円前後をウロウロしているみたいです。

 だから、5万ポンドの本当の価値は、1000万円ぐらいのはずなんだけどなぁ。


 つまり、私が優勝した場合に、おじいちゃんに支払われる425万ポンドというのは、日本円にしたら、約八億五千万円ということになります。


 うん、私はナニも見ていないし聞いてなかったことにしよう。そうしよう。



「そろそろ試合開始の時間ですよ」


「おっと、もうそんな時間でしたか」



 麻生さんが指摘してくれなかったら、遅刻してウォークオーバーになるところだったよ。

 おじいちゃんの5万ポンドも、戦わずに紙クズにしてしまうところでしたね。



「環希、そろそろ準備しなさい」


「はーい」


「頑張るんじゃぞ」


「任せてよ! ブックメーカーを泣かせてやるんだから!」



 私の価値を低く見積もったことを後悔させてあげましょう。

 でも、胴元は絶対に損しないとかなんとかともいいますので、本当の所はどうなんでしょうかね?


 ブックメーカーの場合は半分ノミ屋みたいなモノだから、時には損する場合もあるのかな?



「楽しみにしているよ」


「その代わりと言ったらアレなんだけど、私が優勝したらお願いがあるんだけど、おじいちゃん聞いてくれる?」



 そう言って私は、上目遣いにおじいちゃんにおねだりをしてみました。

 世の中、ギブアンドテイクだと思いますので、私がお願いしても罰は当たらないよね?



「環希が優勝したのなら、400万ポンド以内じゃったら、なんでも買ってあげるぞい」



 その400万ポンドというのは、ブックメーカーから巻き上げる予定の金額でしたか。

 といいますか、私が優勝した場合に、ブックメーカーって425万ポンドをちゃんと払えるのでしょうかね?



「お父さん! そうやっていつも環希を甘やかさないでちょうだい!」



 あーあー、ママの言葉は聞こえません。


 それと、400万ポンドまでの買い物も、それはそれで魅力的な注文ではあるのですけど、いまの私にとっては、400万ポンドの買い物よりも重要なことがあるのですよ。



「欲しい物というよりも、一緒に行って欲しい場所かな?」


「環希とのデートならば、おじいちゃんは火の中でも水の中でも大歓迎じゃぞ」



 ふふふっ、ちゃんと言質は取りましたからね。



「じゃあ、私が優勝したらカタコンベに一緒に行こうよ!」


「……環希は随分と変わった場所が好きなんじゃな」


「この娘ったら、先日からカタコンベカタコンベって五月蝿いのよ」



 なんでやねん。カタコンベええやんけ。



「おじいちゃん、たまちゃんとの約束はちゃんと守ってあげなさいよ?」


「う、うむ……」


「おばあちゃんも一緒に、カタコンベ見学ツアーでもどう?」


「おばあちゃんはルーブル美術館でも見に行くわ」



 どうやら、私の周りの人たちにはカタコンベは、あまり人気がありませんでした。


 カタコンベいいのにね?


テニスの試合描写までたどり着けなかったよ…おかしいな?

実際のところ、ジュニア大会も賭けの対象になっているのかな?

まあ、この世界線ではこうなったということでw


また次話からは不定期更新になります。

なるべく早く上げれたらいいなぁ… → 水曜に予約投稿しました。

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