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1 6-5 0-0 ウィーンといったら?


 メードリングのG2大会も無事に優勝することができた、庭野環希です。


 それで、私のランキングポイントはといいますと、メードリングの大会でITFジュニアサーキット7大会目になりますので、一番獲得ポイントの低い大会のポイントが、除外されて再計算されることになるのです。

 今回の場合では、リタイアしたビリェナG1大会で獲得した15ポイントが、ランキング計算ポイントから外れて、メードリングで優勝した160ポイントが加算されます。


 つまり、585-15+160=730ポイントになります。

 ITFジュニアランキングも、47位まで順位を上げることができました。


 やったね!


 これで、全仏オープンジュニアの本戦ダイレクトインが確定…しなかったよ!

 全仏ジュニアのエントリーの締め切りは、メードリングの大会の前に終わっていたのでした。


 エントリー締め切り時点でのランキングで、本戦と予選の選手を振り分けるから、私は予選を勝ち上がらなくては本戦には出場できなかったよ。

 ここにきて、虫垂炎で入院したことによる、一ヶ月半の空白が響いてきた格好になります。


 しかし、ランキングが47位になったことによって、プラス4大会分の出場権を得られたのは大きかったと思います。

 ランキングが50位以下だったら、今年のジュニアサーキットには、あと残り3大会しか出場できませんでしたので。


 今年の12月には私も14歳の誕生日を迎えるから、14歳になったらシニアの大会、つまり、プロツアーにも出場できるようになるので、来年以降は、あまり出場制限には悩まずに済みそうなのは助かりますけど。



 それで、現在どこに居るのかといいますと、ウィーン中央駅にきています。


 これから、ÖBB、オーストリア連邦鉄道のレイルジェットに乗って、ハンガリーの首都であるブダペストに向けて出発することになります。

 英語だとオーストリアはÖじゃなくて、AustriaのAなのに、ドイツ語だとÖsterreich、エスターライヒと呼んで、まったく違うのは面白いですよね。


 あー、でも、日本とジャパンの違いみたいなモノと考えればいいのか。


 ワインレッドとブラックのツートンカラーに色分けされた、やや流線形の車両がやってきました。

 これが、レイルジェットと呼ばれている、ÖBBの国際特急列車になります。


 この列車の分類としては、ドイツのICE、フランスのTGV、日本の新幹線みたいなモノでしょうか?

 しかし、先頭車両は新幹線と違って電気機関車らしいのです。車両の形が流線形だからなのか、パッと見た感じでは電気機関車には見えなかったのですけど、乗客は先頭車両には乗れませんし横に窓もないのだから、やはり、機関車なんでしょうね。


 電車と違って機関車にけん引されたまま、200km/h以上の速度で爆走するのって、ちょっと怖く感じるのですけど、たぶんこれは、電車に慣れている日本人の基準なのでしょう。

 でも、ウィーン~ブダペスト間は、230キロぐらいの距離だから、その間を二時間半ぐらい掛けて走るのだから、200km/hのスピードは出さないのかな?


 表定速度も100km/h以下だし新幹線というよりも、距離と時間的には、品川~いわき間を走る特急ひたちか、新宿~松本の間を走る特急あずさのような気がしないでもない。

 こうやって、日本の都市間との距離に置き換えて測ってみると、ヨーロッパって隣りの国が、もの凄く近くに感じられる気がしますね。


 レイルジェットのドアが開いたので、機関車の隣の車両に乗り込みます。



「なかなか立派な席だね」


「進行方向側が空いていたので助かりました」



 ビジネスクラスと呼ばれる、半個室になっている三人用のコンパートメントに、麻生さんと二人で座ります。

 ヨーロッパの列車というのは、回転クロスシートを採用してない列車が多いのですよね。だから座席によっては、ずっと後ろ向きに座ったまま移動する破目になることもしばしばあるのです。


 気にしない人は気にしないのでしょうけど、大多数の人は、進行方向と同じ側に座りたいと思うのが人情というものだと思います。

 もっとも、今回の座席はセミコンパートメントですので、初めから座席は回転しないのですが。


 ちなみに、ファーストクラスもあるのですけど、ÖBBの区分では、ビジネスクラスよりもファーストクラスの方が下のグレードになります。

 ÖBBのファーストクラスは、日本で言うところの、グリーン車になるのですよ。


 あと、航空会社のビジネスとファーストの区分けとも逆なので、なんとなく紛らわしい気がしますね。



 それで、ウィーン中央駅のコンコースにもピアノが置いてありましたので、数曲弾かせて頂きました!

 最近は空港だけではなくて、鉄道の大きなターミナル駅にもピアノが置いてある場合が多くて、自称ピアニストとしては嬉しくなっちゃいますね。


 駅で弾く曲といえば、駅! ……そのまんまでしたね。

 でも、それだけでは湿っぽくなってしまうので、スリーナインの主題歌をば。


 そして、オーストリアといえば、お馴染みのモーツァルトだけど、それではありきたりすぎるので、少し捻ってみました。

 ワーグナー作曲の、双頭の鷲の旗の下に!


 ワーグナーはワーグナーでも、ちょび髭おじさんが好きな方のワーグナーではありません。血縁関係もない全く別人のワーグナーになります。

 弾くのは、昔のオーストリア国歌であった、ハイドン作曲の、神よ、皇帝フランツを守り給え。これでも別に構わなかったのですけど、これって今では、ドイツの国歌というイメージが強すぎるんだよね。

 

 結構足を止めて、ピアノを聴いてくれる人が多かったので、弾いてる私も弾いていて楽しかったです。

 双頭の鷲の旗の下にを弾いていた時には、途中から手拍子をしてくれましたので、私も調子に乗ってもう一曲弾いちゃいました。


 ウィーンといったらシュランメルの、ウィーンはいつもウィーン!

 やっぱこれでしょ。


 行進曲って、テンポとノリが良いから弾いていても楽しいですね。

 弾き終わったら、スタンディングオベーションの嵐でした。



「「「ブラボー!!」」」


「ダンケ!」



 ペコペコと日本人らしくお辞儀をします。


 やはり、その土地に馴染みのある曲というのは、地元の人にも喜ばれますし、拍手を貰えてなんだか私も嬉しくなっちゃいますね。

 周囲の人だかりは最初から立っているとか、そういう無粋なことは言わないのが、お約束というヤツですよ?



 それにしても、ウィーンは物価が高かった。特に外食が日本と比べたら五割以上は高いイメージですね。

 カフェで食べたザッハトルテは、それほど高くは感じなかったのですけど、なによりもメインの食事が高い!


 日本だったら、980円とかでセットが食べられる量なのに、ちょっとあれこれと頼んだら、直ぐに20ユーロとかを超えちゃうのですよ。

 所得は日本とそんなに変わらないはずだから、ヨーロッパの人達はエンゲル係数が高い気がしますね。


 しかしこれは、為替の影響とかもありますので、一概には言えないのかも知れませんけれども。


いいサブタイが思いつかない…

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