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1 5-5 15-15 ずずぅ~ちゅるちゅる…


「ズズゥ~ ちゅるちゅる… ずずぅ~ ちゅるちゅる…」



 横浜駅のホームで、立ち食いそばを食べている庭野環希です。

 昔は横浜駅のホームには、立ち食いそば屋はなかったみたいなのですけど、不便だという乗客の要望に応えてなのでしょうか、数年前に開店したらしいのです。


 国鉄時代にはあったはずだから、復活したが正しいのかな?



「環希ちゃん、音を出しすぎですよ。もう少しお淑やかに食べて下さい」



 麻生さんにダメ出しをされてしまった。

 でも、駅の立ち食いそばで、お淑やかもクソもないような気がしないでもない。


 駅の立ち食いそば屋は、一分一秒を争うサラリーマンの鉄火場なのだ。

 まあこれは、私の個人的な感想なのですがね。



「いや~、コレを一ヶ月は食べられなくなると思うと、つい」


「まあ、その気持ちは分かりますけど」



 今日から全仏オープンジュニアが終わるまでの、約一ヶ月の間、ヨーロッパへと旅立ったら行ったきりになるのです。

 世界中で日本食はブームみたいだから、ヨーロッパの現地でも日本食は食べられるのですけど、さすがに駅の立ち食いそばは食べられません。


 時刻はお昼時で、ちょうどお腹が減っていたものですから、こうして日本を離れるのを前にして、そばの食べ納めをしていたところなのです。

 この駅の立ち食いそばの、チープな味がまた美味しいんですよね。値段もお手頃価格で、駅の立ち食いそばのコストパフォーマンスは最高だと思います!



「ズズゥ~ ちゅるちゅる… ごくごく… ふぅ~。おばちゃん、ごちそうさまでした!」


「はい、まいどあり」



 12時27分、10番線の横須賀線ホームに、白をベースにした車体に真ん中の縦が黒に色分けられNEXと書かれた、ヘンチクリンな宇宙人みたいな顔をした列車が滑り込んできました。

 成田空港行きの特急、成田エクスプレスです。


 京急の品川か泉岳寺で成田空港行きに乗り換えるか、上野か日暮里でスカイライナーに乗り換えても、べつに構わないのですけど、今回は成田エクスプレスを利用します。

 成田エクスプレスは少々運賃が高くても、確実に座れて乗り換えなしで成田まで行けるメリットがありますしね。


 運賃でいったら、京急~都営浅草線~京成が、たぶん一番安くてお得なんですけど、たしか、ロングシートだったはずですよね?

 京急の車両だったら、ボックス席もあるのかな? でも、エアポート快特で絶対に京急の車両が来るとは限らないし、座れる保証もないのだ。


 あと、時間が読めないのに、やたらと運賃がお高いリムジンバスの値段に比べたら、そこまで成田エクスプレスが高いとも言えない気もしますしね。

 所要時間も、横浜から成田まで一時間半掛からずに行けるのですから、成田エクスプレスは便利だと思います。


 普通の横須賀線快速だったら、成田まで二時間掛かるんだよね。三十分程度の時間短縮のために、倍の値段を払う価値があるのかは、人それぞれだとは思いますけど。

 でも、世の中、タイムイズマネーなんだよ! ……たぶん。






 ※※※※※※






 13時56分、定刻通りに成田空港の第一ターミナルに到着しました。さすがに特急料金を払っただけあってか、成田エクスプレスは快適でした。

 前世の記憶的に、昔の成田エクスプレスの乗り心地は、イマイチだった記憶があったのですけど、車両が新しくなったからなのか、その心配は杞憂だったみたいでしたね。


 それで、今回のヨーロッパまでのフライトには、TG、タイ国際航空を利用します。

 TGにした理由もこれまた、ウィーンまでのビジネスクラスで一番安かったという、身も蓋もない理由だったりするのですが。


 午前中に羽田を出発する便もあったのですけど、羽田空港に行くまでの時間帯が、ちょうど通勤ラッシュと重なる時間だったので、羽田便はやめにしました。

 さすがに、一ヶ月分の衣服とかが入った大型のキャリーバッグは、通勤ラッシュ時には電車内で迷惑だろうし、私も乗るのは出来るだけ遠慮したいです。


 それに、羽田を午前中に飛び立ったとしても、バンコクで乗り継ぐウィーン行きの飛行機は一緒なので、スワンナプームで十時間近くも待たされることになるから、今回は成田を夕方に発つ便の利用となりました。



「まだだいぶ時間がありますね。ラウンジに行きましょうか?」


「そうだね。夕方まで待つと小腹も空くから、ラウンジでいいよ」



 今回は、なにが食べられるのか楽しみですね。

 さあ、乞食するぞー!



「でも、乞食するぞは禁止ですよ」


「いえすまむ!」



 先に麻生さんに、釘を刺されてしまった!


 TG便の出発ゲートは、第一ターミナルの南ウイングですので、当然ながら今回は、鶴のマークのラウンジには突撃できません。

 サクララウンジに行けない代わりに、出国審査が終わってから制限エリアにある、NHのスイートラウンジに突撃しました。


 スイートラウンジは本来であればファーストクラスの利用客と、ダイヤモンドステイタスメンバーのみしか利用できないのですけど、スーパーフライヤーズ・プレミアムカード持ちだと、スイートラウンジに入れるのです。

 スタアラゴールド会員は、普通のNHラウンジにしか入れません。


 といいますか、スイートラウンジを利用する人の殆どが、スーパーフライヤーズ・プレミアムカードを持っているはずだと思います。

 まあ、私の場合は、ママの家族会員というオマケ扱いなんですけどね!


 でも、ママってスーパーフライヤーズに成れる程、年間を通してそんなにNHに乗っていないような気がするのですけど?

 もしかしたら、数万株以上の株を保有していたら、特別な何かがあるのかも知れませんね。


 それで、私の個人的な感想を言えば、カレーライスの好みとしては、鶴のラウンジの方が私の好みには合いましたね。

 それ以外は、スイートラウンジなのだから当然、文句の付けようがないサービスでしたけど。


 しかし私としては、修行僧がたむろしている普通のラウンジの方が、居心地が良くて落ち着くという、何とも言えない感覚に陥ってしまったよ。

 スイートラウンジは静かすぎるし、そこに居る人達も上流階級すぎて、私は逆に落ち着かなかったんだよぉぉ!


 思わず、「乞食するぞー!」と言うのも、尻込みする場所でしたよ。

 私には、「さあ、乞食するぞー!」と言える、普通のラウンジの方が合っている気がします。きっと、根が小市民なんでしょうね。


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[気になる点] 意図と意味が不明な乞食ネタがシンプルにつまらないし不快感も強いしどんだけ擦るんだ…
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