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1 15-30 テニス普及協会小机支部長


 月日が巡るのは早いもので、私も小学三年生になりました。

 季節は12月で、この前の12月8日には、私も9才の誕生日も迎えました。


 そこ、前世と併せたらバリバリのアラフォーとか言わない。

 前世は前世、今世は今世なんだから、ちゃんと分けて考えましょうね?


 たまきちゃんとの約束だぞ☆


 ……失礼しました。どうやら、変な電波を受信していたようです。


 ママも四捨五入したら、立派な……



「環希、なんか変なこと考えてるでしょ?」


「な、なんのことかなぁ~」



 なんだか、悪寒がしたので止めておきましょうか。

 ママはエスパーの素質があるみたいですね。


 世の中の女性は年齢のことになると、みんなエスパーになるのでしょうか?

 聞いてみたい気がしますけど、怖くて聞けません。


 それはそうと、私は身長も伸びて、クラスでは常に後ろから二番目か三番目ぐらいの背の高さをキープしております。


 テニス選手にとっては、身長の高さは成功する為の大きなファクターなのだから、170cm位までは伸びて欲しいと願ってます。

 女でデカすぎるのもなんだかなぁって思いもあるので、それ以上はいらん。


 まあ、180cm以上あれば、そんなに苦労しなくても世界を取れそうな気もするのだけどね。

 でも大きすぎると、服が自由に選べなくなるとかも聞くし、170cm位でいいかなとか思ってます。


 それで、この三年の間、近場で開催される非公認の10才以下でも出場できるキッズ大会とかに、隔週のペースで出場して荒らしまくっていたのだ。

 キッズ大会はほとんどの大会が一日で終わるから、主に土日のどちらかに開催されることが多くて、義務教育にも優しい仕様となっております。


 そこの君も、未来のウィンブルドンチャンピオンを目指して、スクスクポンポン大会に出てみないかい?


 それで、スクスクポンポン大会は小学四年生までが相手だから、もちろん無双できましたよ。キッズ大会では無敗の成績というヤツですね。


 あまり無双しすぎると、対戦した相手の子がテニスを嫌いになってしまうのでは? とか心配もしたりして、ベーグルをプレゼントすることだけは止めておいてあげたけどね。

 舐めプとは違うよ? 舐めプとは。ヒッティングの練習ですから。


 だから、テニスが嫌いになって辞めてしまうような、あえてテニス人口を減らすような鬼畜な真似は控えて、接待ゴルフならぬ接待テニスをしたりして、これでも色々と苦労しているのです。


 わざと手を抜いたプレイをするのって、案外難しいんやで。

 精神年齢が大人だから出来る、匠の技とでも言えるのかも知れません。


 私はちゃんと、日本におけるテニスというスポーツの地位の向上も考えているのですよ。

 なんせ私は、日本テニス普及委員会の小机支部の会長をしているのですから!


 ……まあ、自称なんですけどね。


 バブル崩壊以降、日本におけるテニスコートの数は減少の一途を辿っていたのだ。さすがに、ある程度の需要はあるので減少には歯止めは掛かったのだけど、下げ止まっただけともいう状態なのだ。

 西織効果で多少は増加傾向にあるとかなんとかとも聞き及んではいるけど、砂入り人工芝でコートを造られても私的には嬉しくないんだよなぁ。


 新しくテニスコートを造るなりコートを造りかえる時は、デコターフかアンツーカーで作れよと思わなくもない。

 その方が、日本のテニス界の将来にとっては、良い方向に繋がると確信できるのだから。


 私はちゃんと、日本におけるテニスというスポーツの地位の向上も考えているのですよ。

 なんせ私は、日本テニス普及委員会の鴨居支部の副会長も兼任しているのですから!


 ……まあ、自称なんですけどね。


 砂入り人工芝のコートの話は、そのうちじっくりと掘り下げる必要がある問題ではあるのだけど、今回は割愛させてもらいますね。


 話がそれた。


 私が前世でテニス選手だったというのもあるけど、この身体のポテンシャルも凄い気がするのだ。いわゆる高スペックな肉体というヤツだな。

 さすがは母親がトップアスリートだっただけのことはあると、思わず納得させられる身体能力ではあるよね。


 もっとも、子供はみんな何かしらの才能の塊とかとも聞くし、その可能性を引き出すのが大人の役目なんだろうなぁとか思ったりもして。


 まあ、四年生でも上手い子は12才以下で行われるジュニアの大会に出場したりするので、グリーンボールを使用するキッズ大会には出てなかったのも、無双する上では大きかったとは思うけど。


 実際、たまに練習で対戦していた六年生の子達には、さすがに勝てなくて悔しい思いとかもしたのだ。

 まだ筋肉も発達してない身体がお子ちゃまだった一年生の時点では、対戦した六年生のスピードとパワーは段違いだったので、歯が立たなかったのだ。


 一年生と六年生とでは、子供と大人ぐらいの差があるし、負けたのは仕方がなかったのかも知れない。

 身長差でいっても、身長が低い子とでも20cmの差があったし、身長が高い子とだと40cm近くの差があったのだから、そりゃあ私がいくら前世でプロのテニス選手だったとしても、この身体では負けるわな。


 それでも、二年生になったらほぼ互角の勝負ができるようになって、三年生になったら圧倒できるようになってきたので良しとしますか。


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