222話 ママのおっぱいでも飲んでなさい
『というか、なんでタマキは私の胸を見ているのよ?』
『いやー、母乳の出が良さそうな大きな胸だなぁとか思ってさ』
クリスが授乳期間中とか言うもんだから、ついついクリスのおっぱいに目が行ってしまったとしても、それは不可抗力で仕方がないことなんだよ。
ママや優梨愛ちゃんと同等かそれ以上だから、最低でもF? もしかしたら、Gカップはありそうな気がしますね。
サーブを打つのにも邪魔になりそうなぐらい、クリスの胸は大きいのですよ。
そういえば、全豪オープンでの対戦を思い出したら、クリスの胸は揺れまくっていたような気もしましたね。
その当時は真剣に勝負をしていたから、あまりクリスの胸とか気にしてなかったけどさ。
『胸の大きさと母乳の出は、あまり関係ないという話を聞いたわよ』
『そうだったんだ。それは初耳だったよ』
それでも、おっぱいが小さいと、それに比例してミルクタンクも小さいのだから、やはりおっぱいが大きいほうが母乳の出も良さそうな気がしますよね?
『なに? 飲んでみたいの?』
『うん、飲みたい』
あ、いまのなし!
しまった、思わず脊髄反射で頷いてしまったよ。
つまり、これが私の本音ってことなのかな?
こうなったらヤケクソで、直飲みを希望します!
まあ、変な性癖に目覚めてしまいそうになるかも知れないけど。
こういうのを、バブみを感じてオギャるとか言うんだっけ?
ちょっと違うかも知れないけど。
それに、私はべつに母性に飢えているわけではないのだから。
……ないよね? ないと思いたい。
『おバカ、さっさとお家に帰ってママのおっぱいでも飲んでなさい』
『さすがに、ママはもうおっぱい出ないよ』
『なんだったら、マドカ・ニワノに弟か妹でも作ってもらえばいいじゃないのよ』
『その手があったか』
『マドカはウィンストンと同年代なんだから、まだ産める歳でしょ?』
だけど、ママって男の気配がしないんだよなぁ。
どちらかというと、バイセクシャルを通り越して、レズっぽい感じだし?
でも、さすがに女性同士では子供を作れないからね。
『こうなったらサナダさんを焚きつけて、ママとよりを戻させてみるかなぁ』
あー、でも、サナダさんで男に懲りて、そっちに走ったとかありそうな気もしますね。
だから、元サヤは難易度が高そうな感じなのかなぁ?
ママはサナダさんを家に入れるのも嫌がってたぐらいだしね……
『サナダって、あの大物食いで気分屋のマイケル・サナダ?』
『そう、そのマイケル・サナダ。今は私のヒッティングパートナーでもあるよ』
『マイケル・サナダって、マドカ・ニワノとそういう関係だったの? というか、タマキの父親ってもしかして……』
やっぱり、聡い人は気が付いちゃうもんなんだね。
サナダさんレベルのテニス選手が私のコーチじゃなくて、ヒッティングパートナーに甘んじているのは、普通に考えたらおかしいもんね。
そう、何か特別な事情がない限りは。
私の場合は、身内という特別な事情でありました。
『それは、おおやけには公表してないはずだから、ここだけの内緒ね』
『そういうことなのね。了解、私の胸にしまっておくわ』
まあ、サナダさんが私の父親だと世間にバレたとしても、べつに問題はなさそうな気もするけど、私が自分から言いふらすモノでもないしね。
『クリスの大きな胸はしまえそうにないけどね』
『バカ…… そんなに興味があるの?』
コクコク
しまった! また脊髄反射で頷いてしまったよ!
『牛乳よりもかなり薄いし、あまり味はしないわよ?』
『聞いた話では、そうらしいね』
『そうね、ローランギャロスかウィンブルドンでタマキが私に勝てたのなら、飲ませてあげてもいいわよ』
な、なん…です…と!?
『赤ちゃんみたいに、直接飲むのでお願いします!』
『それは却下します』
減るもんじゃないのに、クリスもケチですね。
『じゃあ、せめて私の目の前でコップに絞って入れて欲しいかな?』
『私は牛ではありません…… けど、まあそれでいいわ』
『やった!』
クリスが目の前でおっぱいを絞ってくれないと、本物のクリスの母乳かどうか判断できないもんね。
『言っておくけど、クレーと芝の私はハードコートよりも強いわよ?』
『ですよねー』
うん、知ってた。
でも、これでローランギャロスとウィンブルドンで、クリスと対戦する楽しみが増えたと考えれば、無問題だと思います。
うはー、みなぎってきた!
え?
こんな不純な動機を、モチベーションにしてもいいのかって?
やる気を出すのに、不純も純粋な気持ちも関係ないんだよ!
モチベーションアップに繋がるのは、お金や名誉も同じことなんだし、人間は俗物的なモノに囚われて生きているんだい!
『それにしても、タマキは楽なほうの山に入ったわね』
『そっか、有力選手はトップハーフに集まっちゃったのかぁ』
マイアミオープンの主催者は、あからさまなドローの組み方はしなかったということなのかな?
それとも、意図的にドローを組んだから、トップハーフに有力な選手が集まったのかも知れないけど。
まあ、クリスとシュタイナーが潰し合ってくれるのは、正直に言って助かりますね。
私でもさすがに、この二人との連戦とかできればしたくないですから。
『そう、私とシュタイナーに調子の良いモジッチにアレンスカヤもこっちの山なのよねぇ』
『ボトムハーフは、ポ、ポス、ポピ…… なんだっけ?』
『ポスピシロヴァよ』
おk把握した。
『ポ、ポスピシロヴァ……』
『あなたねー、ランキング2位でグランドスラム2勝している人の名前ぐらい、ちゃんと覚えておきなさい。失礼になるわよ』
『ポスピシロヴァって日本人には言い難い名前なんだよねー』
東欧やロシアとか、スラブ系の名前は特に言い難いんだよね。
アナスタシアの名字も、トカチェフスカヤって舌を噛みそうになったし。
どうしても、トカチェフって体操が頭に浮かんじゃうんだよね。
伸身のトカチェフ2回ひねりからトカチェフ前宙は、栄光への架け橋だぁ!
さすがに、最近は噛まずにちゃんと言えるようになってきたけど。
でも、トカチェフじゃなくてフジマキかも知れないけど。
あと、中国人!
中国人は漢字だから、日本語読みが当たり前になってしまって、中国語での発音が難しいんですよね。
まあ、王明美ちゃんぐらい簡単だと、さすがにワンミンメイって発音できるけどさ。
『それでもよ。タマキも自分の名前をちゃんと覚えてもらえなかったら寂しいでしょ?』
『お婆ちゃんや一部の友達からは、短縮形でタマって呼ばれているよ』
『それは、私がクリスと呼ばれたり、アーデルハイトがハイジと呼ばれるようなもので、短縮形の愛称でしょ』
そうともいうのかな?
というか、クリスってオカン属性やね。
赤ちゃんを産んで、クリス自身が母親になったからなのかな?
もっとも、ママになる前のクリスとは会ったこともなかったし、知らないんですけどね!
負けフラグが立ったのか?
なんかおかしなことになってしまった…
どうしてこうなった? 真夜中の変なテンションで書いたからなのか?
評判が悪ければ、今話は消すかも知れませんw




