221話 クリス
実際のシード確定とは違うかもしれないです
庭野環希@tamakiniwano - 3月20日
ランキング27位なのに私がマイアミオープンのシードに入ってない…だと!?
どういうことだってばよ?
□ 162 ↱↲ 6.6万 ♡ 21.1万 ⇧
庭野環希@tamakiniwano - 3月20日
ああそういうことか、マイアミのシード順位の確定は、インディアンウェルズの前のランキングで確定だったのね
ということは、私がシードされるのはマドリッドの大会以降になるのか
□ 88 ↱↲ 2.6万 ♡ 13.2万 ⇧
庭野環希@tamakiniwano - 3月20日
プロのテニス選手なのにツアーのレギュレーションをちゃんと把握してないアカウントがこちらになります…(´・ω・`)
□ 541 ↱↲ 23.4万 ♡ 49.5万 ⇧
庭野環希@tamakiniwano - 5時間
今日はジュニア時代に何度か対戦したりダブルスを組んだこともある
アナスタシアちゃんと一緒に練習させてもらいました!
明日から日本時間では23日からマイアミオープンの本戦が始まります。
初戦はランキング105位で予選を通過してきたウクライナのベシュカレヴァ選手との対戦が決まりました!
みなさん応援よろしくお願いします(`・ω・´)ゞ
アナスタシアちゃんと練習中の動画はこちら↓
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□ 144 ↱↲ 5.5万 ♡ 18.8万 ⇧
庭野環希@tamakiniwano - 27分
マイアミオープンのレセプションパーティー会場にて
クリスとのツーショットをパシャリ♪
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□ 23 ↱↲ 4,066 ♡ 2.1万 ⇧
※※※※※※
マイアミオープンの本戦が始まる前日に開催される、レセプションパーティーの会場でクリスと顔を合わせたので、少しお話することにしました。
ドレス姿のクリスは、妖精の名に相応しい綺麗な姿だと思いました。小並感。
ちなみに、私は薄い桃色のカジュアルなパーティードレスを着用しています。
アメリカの女子高生がプロムのために頑張って着飾ったのには負ける、それぐらいのカジュアルさでしょうか?
私って中学生にしては背が高いから、ローティーン向けのドレスって似合わないだよね。
かといって、まだ大人じゃないから、なかなかしっくりとくるドレスがないねん。
ジュニア時代に、山女の制服を着てレセプションパーティーに出席できていた頃が懐かしいぜ。
私もプロになったことだし、さすがに山女の制服は自重しろと、ママと麻生さんからダメ出しされちゃいました。
学生のフォーマルは制服のはずなのに、解せぬ。
ということで、自分でドレスを選ぶのも面倒なので、コーディネイトはママと麻生さんに丸投げしちゃいました。
こういうのは、センスのある人に頼むのが一番だからね。
あと、インディアンウェルズのレセプションパーティーの時に着ていたドレスと、今回のドレスはまた別になります。
男性と違って女性は、連続で同じ服を着るのは憚られるんよ……
「なにあの人、先週とまた同じドレス着てるの? ぷーくすくす」
こうなるわけですな。
さすがに、それは私のプライド的にも立場的にも許容できないので、外向けには着飾らざるを得ないんだよね。
でも、せっかく見繕ってくれたこのドレスも、あと一回か二回着用すれば、クローゼットの肥やしになっちゃうんだよね。
私ぐらいの立場になると、それ以上の回数で同じドレスを着用するのは、許されないのですよ。
一着で5万円とかしたのに…… ぐすん。
そら、レンタルドレスが商売として成立するわけだよ。
まあ、今回のドレスはママからのプレゼントだったから、私の懐は痛みはしないのが救いといえば救いなんだけどさ。
もったいないから、優梨愛ちゃんが欲しがったら譲ってあげましょうかね?
もちろん、タダで譲ってあげるよ?
萌香ちゃん?
残念ながら、萌香ちゃんには丈も胸囲も私のサイズは大きいと思います。
でも、大は小を兼ねるとかとも言いますし、意外と着こなせたりするのかな?
それはそうと、クリスに怪我の状態を聞いてみましょう。
『クリスはもう怪我は大丈夫なの?』
『心配してくれてありがとう。だけど、多少無理をすれば、インディアンウェルズも出られないこともなかったんだし、もう大丈夫よ』
『いや、グランドスラム以外では無理しないほうがいいんじゃない?』
『だから、インディアンウェルズは大事を取って欠場したのよ』
『それもそっか』
無理をおして出場を強行すれば、後々に響いてくるのだから、クリスのインディアンウェルズ欠場は賢明な判断だったと思います。
しかし、これがグランドスラムであれば、多少は無理をして出場を強行しちゃう選手が大勢いるんだよね。
それだけ、グランドスラムの頂点に立つというのは、テニスをしている人間にとって抗えない魅力があるのでしょう。
私も全豪オープンでのクリスとの試合は、かなり無理をしたもんなぁ。
『まあ、私も今年で30の大台になるし、これからは誤魔化し誤魔化しになるでしょうね』
『ウィンストンは40でも現役で頑張ってるのだから、クリスもまだまだ行けるよ』
『あの人は出場する大会を絞ってたから、プロツアーで長生きができたのよ』
おんや? クリスの言葉には、若干のトゲがありますね?
眉を寄せて眉間に皺が出ちゃってますし、せっかくの美貌が台無しですよ。
まあ、美人は怒った顔も美人ではあるとは思うけどね。
『そういえば、ウィンストンは怪我をしたとかでもないのに、マンダトリーの出場義務すら放棄していたんだっけ?』
『一応、体調が整わないとか名目は立てていたけど、その間にディスコで踊ってたら説得力は皆無よね』
『そういえば、そんなこともあったみたいだね』
『まあ、タマキがウィンストンにとどめを刺してくれたみたいだから、大勢の選手がタマキには感謝しているのよ』
どうやら、クリスもウィンストンには、あまり良い感情を持っていなかったみたいでした。
もっとも、ウィンストンのあの振る舞いを見ちゃうと、どうしてもね?
『あれは、ウィンストンの自爆のような気もするけどなぁ』
『ふふ、それもそうだったわね』
まあ、私のバックネチネチ攻撃に、ウィンストンがフラストレーションを溜めて、それが原因で発狂してしまった面は否めないけどさ。
ウィンストンと対戦したら、テニスがメンタルなスポーツなんだと、改めて実感させられたよ。
クリスやシュタイナーみたいな強敵が相手で、ラリーが10回以上とか長く続くとゴリゴリと精神が削られますし、上手くいかない時にはフラストレーションも溜まりますので、私も発狂しないように気を付けなくてはいけません。
人の振り見て我が振り直せということですな。
『それで、私の現役生活は、あと5~6年が精々だと思うわよ。子育てもあることだしね』
『あーそっか、子供が学校に通う年齢になったら、ツアーで世界中を連れまわすのも、それはそれで問題になるのかぁ』
『そういうこと。落ち着いた環境で学校に通わせないと、子供が情緒不安定になりそうだし』
日本に比べたら、外国はママさんアスリートが多いけど、それでも競技と子育てを両立させる難しさは、万国共通の悩みだったみたいですね。
そう考えると、競技を引退してから出産子育てをするのも、それなりにメリットがあるということになるんだろうなぁ。
『ところで、赤ちゃんも一緒にマイアミに連れて来ているの?』
『ええ、まだ授乳期間中だから、スウェーデンの家に置いてくわけにもいかないのよね。だから、今は母がこのホテルの上の部屋で娘を見てくれているわ』
そっか、家族やベビーシッターの助けを借りないと、赤ちゃんを持つ母親はパーティーに参加することすら難しいんだったね。
というか、クリスの赤ちゃんは、男の子じゃなくて女の子だったのね。
アルは生まれてこなかったのか……
『というか、なんでタマキは私の胸を見ているのよ?』
バレてーら。どうやって言い訳をしましょうか?




