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211話 ママとの電話その2

今話は下品です…


『──あなたはこのままだと明日の決勝で、シュタイナーに負けるわよ』


「ほえ? それはまたどうして?」



 藪から棒に、ママもいきなり私が負けるだなんて、一体どうしたんだ?

 まあ、楽に勝たせてはもらえないと理解してはいるけど。



『まだ環希には分からないかな? まあ、負けるのも勉強の一つだわ』


「戦う前から負けるとか言われると萎えるんですけどー」



 モチベーションを下げるようなことを言うとは、ママはコーチ失格ですなぁ。

 だけど、私には見えてなくて、ママには見えているナニかがあるということなのかな?



『ウィンストンと同じように考えて舐めて掛かれば、環希は痛い目をみるわね』


「それは私も理解しているつもりだよ」



 ウィンストンはもう落ち目で、シュタイナーは今が脂の乗り切った旬の選手だもんね。



『それは、あくまでも理解しているつもりになっただけなのよ』


「んくっ、そうなのかな? でも、私ってドバイの決勝ではシュタイナーに勝ってるじゃん」


『それは、環希と初対戦だったから、それで環希が勝てた面もかなり大きかったと思うわよ』



 つまり、シュタイナーに私の手の内を知られてなかったことが、私にとって有利に働いたということでしたか。

 それに比べて、私はシュタイナーのプレーは何度も見る機会があったもんね。


 まあ、見たとはいっても、テレビとネットの動画がメインだったけどさ。



「あふぅ…… つまり、ママが言いたいのは本当のシュタイナーの強さは、あんなモノじゃないということ?」


『そういうことね。ママから言えることは、シュタイナーの緩急とダウンザラインは常に頭に入れておきなさいってことだわ』


「ううぅん、それぐらいなら、試合中に調整してアジャストさせてみせるよ」



 まあ、まどかコーチの忠告だから、頭の隅にはとどめておきましょうか。

 そういえば、ドバイの決勝で対戦した時には、シュタイナーはあまりダウンザラインを使ってこなかった気がしましたね。


 つまり、ダウンザラインを打たせるような、クロスへの配球を控えることが肝要になるのか。



『グランドスラム7度も優勝している現世界ランク一位の実力というのは、環希の想像の上をいとも簡単に超えてくるわよ』


「伊達ではグランドスラムを7度も優勝できないってことかぁ」


『あなたが強いテニス選手だということはママも知っているけど、環希にはまだプロとしての経験値が絶対的に不足しているのよ』


「んふっ、プロとしての経験値?」


『そう、経験値よ。環希とシュタイナーとでは、踏んだ場数が圧倒的に違うのよ』



 踏んだ場数とは、修羅場をくぐった数ということか。

 そう考えると、私が本当にくぐった修羅場って、クリスと対戦した全豪オープンぐらいしか、修羅場らしい修羅場はなかったのかも知れないな。


 そして、シュタイナーは修羅場という名の数々の死闘を繰り広げて、栄光を掴み取ってきたということですね。



「わかった。苦戦することを前提でゲームプランを考えてみるよ」


『そうね。こんなはずじゃなかったと試合中に焦るよりは、その方が現実的だわ』


「ドバイでシュタイナーに勝てたのは、たまたま運が良かっただけなんだと思って、挑戦者の立場で試合に挑むよ」



 なんせ、私はまだプロ一年目のペイペイの新入社員なんだから、プロツアーの先輩選手から盗めるモノは盗んで勉強しないとね!

 シュタイナー主任から、OJTの手ほどきをしてもらいましょう。



『まあ、ジュニアの時とは違って、プロのツアーで勝ち続けるなんて土台無理な注文なんだから、あまり一つの勝敗には拘らずに気楽にやりなさい』


「あふぅ、シュタイナーに負けるとか言って、私を煽っていたのはママじゃん」


『ごめん、そうだったわね』


「まったくもー。あっ、そこ、もうちょっと強く」


『ところで、さっきから環希は変な声を出して何をやっているのよ?』


「うん? なにって電動マッサージ機を使ってるだけだよ」



 筋膜リリースが気持ち良いんですよねぇ。

 今週はイマイチ体調が良くないから、しっかりと身体のケアをして明日の決勝に備えないとね!



『電マって!? 環希、まだあなたには早いわよ!』


「なんで?」


『なんでって、それは大人の使うモノだわ!』



 あー、なるほどね。ママはあっち方面の電マを想像していたのか。

 まあ、似たようなモノだとは思うから、勘違いしてもおかしくはないのかな?



「えー、うさみんに普通にマッサージをしてもらってるだけだよ?」


『なにやら、いやらしい声に聞こえてたけど、普通のマッサージだったのね』


「ママは一体全体、ナニを想像していたのかな? かな?」



 ほれほれ、ここがええのんか? それとも、こっちがええのんか?

 是非とも、おじさんに聞かせて欲しいなあ。ぐへへ……


 ママは色ボケしていると言われても、言い訳できないぞ?

 それか、逆に欲求不満でしょうかね?


 女性は30後半から40代が、一番性欲が強くなるとかの統計もあったような気もするしね。

 まあ、個人差があるとは思いますけれども。



『だって、あなたが電マだなんて言うからいけないのよ』


「電動マッサージ機で、太ももやふくらはぎの裏をほぐすと、いい感じに疲れが取れるんだよねぇ。ママだったら肩に使っても気持ちいいと思うよ」



 ママはおっぱいも大きくて重いから、肩がこるとか言ってましたもんね。

 片乳だけで、1.5kgとかの重さがあるのかな?


 そりゃあ、肩もこりますわな。



『そ、そうだったわね……』


「ママってば、エッチな用途に使うのを想像してたんでしょ?」


『だって、普通は電マを使うと言えばって、アンタは母親に何を言わせるのよ!』



 いや? それは、ママの自爆でんがな。



「あはは、ママとは違って私は電マを本来の正しい、健全な用途で使用していますから」


『っ!? もう切るからね! 筋膜リリースもほどほどにしておきなさいよ!』


「はーい。あ、優梨愛ちゃんか萌香ちゃんが近くにいるなら──」



 プツン、ツーツーツー……。



「切れてるやんけ……」



 もーママってば、ぷりぷりと怒ってばかりいちゃってさ。

 怒ってばかりいると、血圧が上がっちゃうよ?


 というか、電動マッサージ機を本来の正しい用途で使っている人って、統計を取ったとしても、どれくらいいるのか微妙な数字しか出てこなさそうな気がしますね。

 つまり、人間という生き物は、才能をエロ方面に伸ばすのが得意ということですな。


 ちなみに、私が使用している電動マッサージ機は、残念ながらも? アスリートが使うエロくないヤツですので、あしからず。

 ほら、拳銃をゴツくしたみたいな感じの形のヤツってあるじゃん? あれです。


 もっとも、モノは試しと、電動マッサージ機を下半身に当ててみたりもしてみましたが……


 凄かったです……


 ちょっとチビるかと思っちゃったよ。

 正直言って、電マを甘くみていたわ。


 このまま刺激を与え続けたら、頭が溶けて色ボケで馬鹿になりそうだったので、グッと堪えて自重しました。

 まあ、名残惜しかったけど……


 そら、こんなにも刺激的であれば、エロ方面での普及が進むわな。

 しかし、私は自分を律して自重できる子なんですよ。たぶんだけど。


 というか、誰だ?


 澄ました顔して、「私はそんな下品な使い方なんてしません」とか、カマトトぶっているムッツリスケベなヤツは、ちょっと前に出ろ。

 目の前に電マがあるのに、肩こりをほぐすだけに使う?


 ないな。常識的に考えて、ありえんでしょ?

 普通は、試しに使ってみるのが、真っ当な神経をしている人間だと思います。


 カマトトぶっているムッツリさんには、たまきちゃんが地獄のバイブレーションを味あわせてやんよ!

 まあ、気持ち良いのだから、天国なのかも知れないけどさ。


 今度、優梨愛ちゃんと萌香ちゃんに試してみましょ、そうしましょ。



電マは正しい用途で使いましょうw

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― 新着の感想 ―
[一言] タマキン!…恐ろしい子…
[一言] 電マも使ったことのないようなおぼこい小娘では経験が足りないってママが言ってた話w
[一言] 多分その感覚知っちゃった時点で手遅れだと思う
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