204話 ヒトラーの○○
西岡、第3セットまでの流れで今日は負けたと思ったら、まさかの逆転勝ちw
全仏オープン、ベスト16進出おめでとう!
優梨愛と萌香の撮影はキンクリされました…
あと、漢数字とアラビア数字の使い分けに悩む…
羽田発のデルタで飛び立って一路太平洋を横断して9時間あまりで、アメリカ西海岸にあるシアトルへと到着しました。
それで、シアトル・タコマ国際空港の出発ロビーにもピアノが置いてあったので、三時間半の乗り継ぎの合間に、数曲弾かせて頂きました!
パームスプリングスは田舎だから、飛行機の便も少ないんや……
だから、三時間半の待ち時間は、まだマシなほうなんやで。
そして、シアトルと言えば、ワシントン州!
ワシントンと言えば、マーチ王であるスーザ作曲の、ワシントン・ポスト!
え?
ワシントン・ポストは、ワシントンD.C.だって?
こまけぇことはいいんだよ!
スーザ繋がりで、お次は、星条旗よ永遠なれ!
お次もマーチで、アメリカン・パトロール!
アメリカン・パトロールは、私のお気に入りの曲の一つで、お家でもちょくちょくと弾いている曲になります。
まあ、犬が近所を散歩をしているような感じの軽いノリのメロディなので、どこら辺にパトロールの要素があるのか、イマイチ理解できてませんが……
その次に、ボギー大佐でも弾こうかと思ったんだけど、よくよく考えたらボギー大佐ってイギリスの曲だったなと思い出して、なんとなく取り止めにしました。
なんたって、ヒトラーのキンタマですから……
きっと悪口を言わせたら、イギリス人の右に出る人間はいない気がしますね。
日本では、サル、ゴリラ、チンパンジーの替え歌が有名なのかな?
代わりに最後は、君の瞳に恋してる! これで締めさせてもらいました。
上半身裸で、革のベストだけを着ている二人の男性を想像した人は、正解です。
いや~、楽しかった!
たぶん今日弾いた曲は、たとえ曲名を知らなくても、どこかで一度は耳にしたことがある人が多い曲だったんじゃないかな?
ということで、今日はアメリカンマーチの日となりました。
私のピアノ演奏を聴いていてくれた、周囲にいた観客もノリノリで、途中から手拍子とかをしてくれました。
思わず帽子を逆さにして、おひねりを強請りに行きそうになっちゃったよ。
あ、帽子被ってなかったわ。
行進曲はノリとテンポが良いから、私も弾いていて楽しかったです!
まあ、最後の曲は、マーチとは関係なかったけどさ。
このシアトル空港での演奏を聴きたいのであれば、純ちゃんが編集して麻生さんが今週中にも動画を投稿してくれるはずですので、もうしばらくお待ちください。
ほら、私は動画の編集とかをやる人じゃなくて、ピアノを弾く人だからさ。
そして、最終目的地へと向かうアラスカ航空の飛行機に搭乗して、インディアンウェルズの最寄りの空港である、カリフォルニア州のパームスプリングスへと降り立ちました。
羽田を飛び立ってからだと15時間半だから、まあ許容範囲かな?
「とーちゃーく!」
「眠いでござる……」
純ちゃんは軟弱だなぁ。
でも、日本時間だと朝の8時だから、時差ボケになるのも理解できるよ。
出発時間と飛行時間の関係で、機内でもぐっすりと寝るわけにもいかなかったしね。
つまり、私も眠いということでした。てへっ☆
東行きの長距離フライトは西行きと比べて、時差がキツく感じるんだよね。
だから、今日はさっさと早めに寝ることにしよう。
「なんとなく、西部劇に出てきそうな感じがする風景ですね」
うさみんは、パームスプリングスは初めてなのかな?
まあ、インディアンウェルズの大会には初めて出場するのだから、当然ながら私もパームスプリングスに来るのは初めてなんですけどね!
前世では、二度ほど予選から出場したことがあったような記憶も微かにありますけど、もう朧気にしか覚えてないからなぁ。
うん、前世は前世。今世は今世と、ちゃんと分けて考えましょう。
そう、これは今世を女性として生きる意味においても、必要なことだと思いますので。
「元々は荒野しかなかった場所でござるからなぁ」
「アメリカの西部って昔は無人の荒野だったんだろうね」
それでなんで、ロサンゼルスやサンフランシスコ経由の便にしなかったのかって?
ロサンゼルスはパームスプリングスから近すぎて、朝夕に通勤用の一便だけが飛んでいるだけなんや……
渋滞に巻き込まれなければ、ロス~パームスプリングス間は車でも二時間ぐらいの距離だからね。
それで、乗り換えが一回だけのビジネスクラスの中で、デルタとアラスカ航空のシアトル経由の便が一番安かったからなんですよね。
まあそれでも、一人45万円はしたんだけどね。
ドバイ経由だったら、私と麻生さんの分はタダだったのですけど、日本からアメリカに行くのに、わざわざ一度ドバイに立ち寄るのは時間を大幅にロスすることになりますので、羽田から直接アメリカへと飛びました。
ツアーで忙しく世界中を飛び回っているテニス選手は、時間を無駄にはできないのですよ。
まあ、今回インディアンウェルズに行くにあたって、日程的に余裕はあったんだけど、さすがにドバイ経由で二日も掛けてアメリカに行きたいとは思えません。
トップアスリートや大企業の経営者にセレブとかが、プライベートジェット機を使うのは、時間を金で買うということなんでしょうね。
ちなみに、今回はうさみんと純ちゃんの座席はプレエコになりました。
まあ、プレエコでも23万はしたんだけどね。
麻生さんがね、差を付けないと上下関係のケジメにならないとか言ってさぁ。
なるほど、これが格差社会の縮図ということなのか……
もっとも、それを言った麻生さんはビジネスクラスなんだけどさ。
まあ、麻生さんはうさみんと純ちゃん二人の上司ということになっているのだから、私と同じビジネスクラスでもおkということで。
け、けして、麻生さんがアラフォーのおばさんだから、労わって上げているとかではないのです。
それを言ったら、うさみんだって四捨五入したらアラフォーになっちゃうしね。
うさみんは合法ロリだけど。
それで、パームスプリングスまでの四人合計の飛行機代はといいますと……
じゃかじゃかじゃーん、ででん!
136万円になります! この値段は、高いのか?
でも、一人あたりの金額で割ったら、34万円だからアメリカまでの距離を考えたら、そんなに大した金額でもないような気もするんだよなぁ。
うーん、このチケット代金が高いのか安いのか判断に迷いますね……
どうやら私も大概、金銭感覚が麻痺してきたような気がしないでもない。
しかし、コンビニのカップラーメンは高い! 確信。
インディアンウェルズの大会で頑張って勝ち進んで、一杯稼がなきゃ!
もっとも、インディアンウェルズの大会は、たとえ一回戦で負けたとしても約3万ドルは貰えるのだから、赤字にはならないんだけどね。
ちなみに、サナダさんはフロリダ在住なので、マイアミから来る予定になっています。
240ドルのエコノミーでだけど…… もう着いているのかな?
帰りはファーストクラスに乗せてやんよ!
まあ、私も一緒にマイアミに行くからなんだけどさ。
それにしても、羽田空港の国際線ターミナルにあるデルタのラウンジは豪華だったよ。
日系の航空会社にも劣らないホスピタリティと、料理の数々。
もしかしたら、デルタの本拠地であるアメリカのラウンジよりも、豪華なんじゃないの?
デルタといえども、これが日本流のおもてなしということなんでしょうね。
お昼ご飯は早めに軽く食べただけだったから、ラウンジのバイキングでガッツリと乞食じゃなくて、ビュッフェの料理をお上品に頂きました。
醬油ラーメンとハンバーガーみたいなチキンサンドが特に美味しかったですね。
カレーライスも美味しかったけど、私にはちょっとだけ辛かったかな?
まだ舌がお子ちゃまなんだよ……
というか、やっぱりガッツリと食べちゃってましたね。おほほほほ。
ちなみに、海外でビュッフェ方式のことを、バイキングと言っても通用しませんので注意が必要です。
バイキングはホテルの食べ放題レストランの名前だったんや……
それで、デルタスカイクラブはデルタ便の搭乗者であったとしても、プレミアムエコノミーの搭乗券ではラウンジには入れないので、うさみんは麻生さんの同伴者として入りました。
ママと一緒で麻生さんも、ブラックチタンのカードを持っているもんね。
私はママの家族カードですとも、ええ。
純ちゃんもプレエコの搭乗者なんだけど、なんと純ちゃんはニートだった癖、アメックスのプラチナカードを持っていたのですよ。
まあ、純ちゃんは投資で年間に数千万円以上は稼いでいるみたいですし、資産も軽く億を超えているはずだから、プラチナカード持ちでもなんらおかしくはないのかも知れません。
つまり、アメックスのプラチナ以上のステータスであれば、デルタのラウンジに入れちゃうということですね。
あと、プラチナに手が届かない人の場合でも、デルタアメックスゴールドであれば、ラウンジを利用できるみたいです。
プラチナカードは年会費だけでも、15万近く掛かるんや……
庶民には、お高いですよね?
ブラックチタンだと、更にお高くなって、確か55万ぐらいだったかな?
うん、私は当分の間はママの家族カードのままでも、べつにいいや……
ちなみに、残念ながらもプライオリティパスでは、デルタスカイクラブは入れませんので、あしからず。
「送迎の車が待っているから行きますよ」
「おおぅ、リムジン! これって、キャデラック?」
「キャデラックのエスカレードという車種ですね」
「麻生さん詳しいね」
「これぞ、アメリカといった感じでござるな」
うん、無駄にデカいところとか、アメリカって感じがするよね。
でも、アメリカでベンツやロールスロイスとかだったら、興醒めしちゃうもんね。
「だけど、さすがに長すぎると思うの」
「まあ、リムジンですから」
リムジンでも長すぎるんだよぉぉ!
この無駄に長い車体って実用性的には、無駄が多いような気がしないでもない。
交差点とかでちゃんと曲がれるのか心配になってくる、全長だと思います。
でも、バスやトラックの長さと似たようなモノだと考えれば、案外大丈夫なのかも知れませんね。
でもさぁ、急ハンドルを切った時とかに車体の真ん中で、ポキリと折れそうな気配が濃厚に漂っているんだよなぁ。
まあ、ちゃんと強度計算とかもしてあるはずだし、滅多にそんな事故は起らないとは思いますけど。
……起こらないよね?
「こ、これに乗るんですか?」
「うさみんもこの前、ドバイで似たようなのに乗ったでしょ?」
「でも、私には場違い感が半端ない気がしますよ」
うん、まあその、うさみんの庶民的な気持ちは理解できるよ。
「ツアーを回っていれば、これからは毎回ほぼ似たような感じですから、宇佐美さんも早く慣れて下さい」
「が、ガンバリマス……」
人間とは慣れる生き物なんだから、うさみんも大丈夫だよ!
空港に到着してリムジンに乗っただけの話…
ま、まあ、この小説は、環希の脳内モノローグで愚痴を吐きながら、ダラダラとした日常がメインの作風なのでw
そういえば、ANAの羽田と成田の国際線の一部のラウンジって、プライオリティパスで入れるようになってたのね。
それも、二年も前からだったなんて知らなかったよ。
サクララウンジじゃないけど、これは私の予言が一部実現したということになるのか?
つまり、私の願望がANAを動かしたんだよ!(錯乱