164話 味噌汁
感想でいらない人呼ばわりされているサナダさんも登場ですw
「味噌汁が美味かったオークランドよ、さらばまた来る日まで!」
全豪オープンが開催されるメルボルンに行くために、オークランド国際空港にやってきている庭野環希です。
今週はシドニーで500大会と、タスマニアのホバートで250大会が開催されているのですけど、それらの大会に私は出場しません。
オークランドの大会でQFぐらいまでに敗退していて、ホバートの予選に入れたのであれば、予選に出場するのも選択肢の一つではあったのですけど、オークランドで優勝しちゃいましたので、今週はお休みになりました。
もっとも、私の先週までの364位というランキングでは、ホバートの予選に出場するのも無理なランキングなので、どのみちスペシャルイグザンプトSEも使えずに、ホバート250の本戦には入れなかったでしょうね。
それに、今週はニュージーランドやオーストラリアでは、ITFの25kや60kといった下部大会も開催されていないのだから、お休みでも仕方ないよね?
つまり、現実問題として、今週は香港の25Kぐらいしか出場できる大会がないのですよ。
でも、香港に飛ぶのは、非現実的というジレンマ……
だから、元から香港25kにはエントリーしていないので、今週はお休みでも仕方ないよね?
それと、仮にだとしても、WTA250に優勝した翌週にITFの25kに出場するなんて、そんな暴挙が許されるのか?
絶対にそんな選手は、過去に一人もいなかったはずだぞ。
まあ、常識的に考えて、私みたいな非常識な成績でプロツアーのスタートを切った選手、それ自体いないはずですし、私の場合は完全に制度上のイレギュラーでしょうね。
あと、ランキング何位以上かまでは忘れましたけど、ランキング上位の選手はITFの下部大会には出場できない制限とかもありましたね。
ランキング上位の選手が25kとかに出場したら、完全に弱い者イジメになっちゃうしね。
「オークランドの感想が味噌汁ですか? ふふっ、環希ちゃんらしいですね」
「タマキと対戦した相手に同情するぜ」
「でも、麻生さんもホテルの味噌汁は美味しかったでしょ?」
麻生さんは味噌汁をお代わりしていましたもんね。
でも、塩分の取りすぎには注意してくださいね?
「それは否定しませんけど」
「まあ、また来年も泊まりに来たいと思わせるぐらいには、確かにホテルの飯は美味かったな」
「サナダさんは味噌汁飲んでないじゃん」
「日本育ちのタマキと一緒にするな。俺は日系人だけど、生まれも育ちもステイツなの! do you understanding?」
「理解したあんだすたん」
ふふっ、自分の国をアメリカじゃなくてステイツと呼ぶところが、やっぱサナダさんもアメリカ人なんだなぁって思いますね。
それはそうと、たぶん来年は、私もブリスベンの500大会に出場すると思うから、今度はいつニュージーランドに来れるかな?
まあ、主催者が、ディフェンディングチャンピオンに出場して欲しいと思っているのであれば、今年の秋頃までには要請がくるでしょう。
さすがに、ブリスベン500の優勝賞金とまでは言わないけど、オークランド250の優勝賞金と同程度のアピアランス・フィーでも寄越してくれるのであれば、オークランド250に出場してもいいですしね。
え? おまえ何様のつもりかだって?
こちとら、天下無敵無敗のたまきちゃんだぞ!
まあ、それは冗談としても、現実問題として強豪選手は同一週に250と500の大会があれば、500の大会に出場するのが大半なんですよね。
でも、エントリーリストを見て、確実にポイントを稼げそうな250に逃げる選手もいるにはいるのですけど。
それにしても、オークランドでの大会期間中に滞在していたホテルで、味噌汁が飲めるとは思ってもいませんでしたよ。
海外のホテルでも、そこそこ格調の高いホテルだったら、なんちゃって日本食ぐらいならメニューに置いてあるホテルも多いのですけど、味噌汁は嬉しい誤算でしたね。
肝心の味噌汁の味のほうも、及第点以上のお味で十分に美味しかったです。
刺身も日本で食べるのと変わらないぐらい美味しかったですしね。
日本人選手の中にはツアーで海外に遠征中は、絶対に生モノは食べないという人もいるみたいですけど、私はそこまで気にしないで食べちゃいますね。
まあ、さすがに私も怪しそうな店で出される刺身を食べたいとは思わないけどさ。
でも、ちゃんとしたホテルとかで出される刺身は大丈夫だと思います。
さらに、同じ店で日本人の旅行者が刺身を食べていたら、なおのこと安心して食べれます。
まあ、それも当然といえば当然ですよね。一番食中毒の可能性が高い生食なんですから、変なモノを出したら日本人外国人とか関係なく、みんなそろって中るはずだもんね。
食中毒を起こして、ホテルやレストランが営業停止にでもなれば、評判もガタ落ちになって客足が遠のきますので、下手したら潰れちゃいますし、変なモノは出さないのが普通でしょう。
あと、さすがに納豆とか生卵はメニューにはなかったですね。
まあ、生卵は置いてあったとしても、私と同じ日本人が食べている場面でも見ない限り、海外で生卵を食べるのは怖くてできませんよ。
カツ丼の半熟溶き卵ですら中ったのを、バンコクで見た記憶がありますしね。
前世の私ではないよ? あの時の子って誰だったかな? 思い出せないや……
それはさておき、250大会とはいっても、さすがはWTAツアーのオフィシャルホテルのホスピタリティだと思いました。
昨年のジュニアサーキットの時に、オークランドで滞在したホテルは、今回のオフィシャルホテルよりもグレードが低いホテルだったから、日本食もなかったですしね。
だから、海外への遠征に行く時には、味噌汁禁断症状が出ないようにと、フリーズドライの味噌汁を持って行くようにしているのですけど、今回に限っては不要でしたね。
それと時代は、インスタント味噌汁よりも、フリーズドライの味噌汁だと思いますね。
まあ、フリーズドライの味噌汁って少しばかりお高いんですけどね。
味噌汁一杯で250円とか、中身の具によっては、300円ぐらいだったかな?
だけど、フリーズドライの味噌汁には、お高いだけの価値が十分にあると思います。
一度フリーズドライの味噌汁を飲んでしまうと、インスタント味噌汁が飲めない体になってしまいましたよ。
ちなみに、おもしろ半分で試しにガビーやアナスタシアに、フリーズドライの味噌汁を飲ませてみたことがあるのですけど、 ……不評でした。
「タマには悪いけど、臭いがちょっと苦手かな?」とは、ガブリエラちゃんの講評です。
「人間の飲み物ではないわね」とは、アナスタシアからの酷評でした。
味噌汁、美味しいのに…… ぐすん。
もしかしたら、スペイン人はオレンジジュースの飲み過ぎで、酸味がないと舌が物足りなく感じるのかな?
それと、ロシア人は先祖代々ウオッカの飲み過ぎで、DNA的に味覚がおかしくなっているんだよ!
まあ、味噌汁の独特の風味が、外国人には臭く感じるのかも知れません。
そういえば、第一次世界大戦で日本海軍が地中海に部隊を派遣した時に、補給物資の味噌がアレキサンドリアかどこかの港の検疫で、味噌が腐っているとか言われて樽ごと廃棄させられたとかの話がありましたね。
だから、外人には味噌ってやっぱ臭いんだろうなぁ。
私たち日本人も、前提知識がなければ、青カビの生えたチーズを見たら、やっぱ腐っていると思うのと同じ感覚なのでしょうね。
どうやらヨーロッパ人にとっては、日本人のアイデンティティーでもある味噌汁というのは、シュールストレミング並みに食べられたモノではなかったみたいでしたね。
海外で日本食はヘルシーとかで持て囃されているけど、全ての日本食が受け入れられているわけではないという、調査結果がこの度判明しました。
まあ、外人さんって納豆も苦手な人が多いし、日本人でも鮒ずしやくさやの干物とか癖の強いモノは、好き嫌いが分かれるのだから、個人の好みの問題でもあるのでしょうね。
日本人でも、本場ヨーロッパの臭いチーズは食べられないという人が多いですし、私も臭すぎるチーズは苦手ですしね。
でも、シュールストレミングはスウェーデンという、同じヨーロッパ人の食べる食べ物なんだぞ!
あ、でも、フランス人のイレーヌ・ベルティエには、味噌汁も「そこまで特別に美味しいとは思わないけど、普通に飲めなくはないわね」と、そこそこ好評でしたね。
だから、やっぱ個人の好みの問題が一番みたいですね。
以上、海外における味噌汁についての考察でした!
味噌汁、美味しいのにね?
味噌汁って本当は食べるが正解なんだっけ?
あと、予選イン本戦インできるランキングってどの時点のランキングが適用されるのかな?
前週か前々週だとは思うけど、知っている人がいれば教えてください。