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159話 やっぱ、チョロいんじゃね?

相変わらずサブタイに悩む…

ようやく、環希ちゃんの視点ですw


 ニュージーランド WTA250オークランド大会 決勝




 ポンポンポン…… セカセカセカ……


 ポンポンポン…… セカセカセカ……



「「「hahahahaha~」」」



 あはっ、ウケたウケた!

 オークランドのテニスファンにも、ウケましたよ。


 ええ、ラファがサーブを打つ前に行う、ルーティンの真似です。

 いわゆる、ファンサービスの一環というヤツですね!


 え? ラファが誰なのかって?


 空想世界における、偉大なるテニスプレイヤーとでも言っておきましょう。

 たまきちゃんとの約束だぞ☆



 WTA250オークランド大会のファイナルも、第2セットの第7ゲームと試合は終盤も終盤、最終盤に差し掛かっています。


 テニス界のみんなのアイドルこと庭野環希ちゃんが、サービングフォーザチャンピオンシップのファーストサーブを放つ時間です。

 優勝までは、あとサーブ4球といったところですね!


 え? フォルト?


 この私がフォールトなんて、単純なミスをするとでも?

 まあ、1セットで1回か2回はフォルトする時もありますけど、ダブルフォルトは記憶にありませんね。



 オークランド250大会の決勝での対戦相手は、アメリカのステファニー・キングストンという、若くて綺麗な黒人のおねーちゃんです。

 黒人とはいっても混血だからなのか、健康的に日焼けしたような小麦色の肌をしているので、もしかしたらラテン系になるのかな? 詳しくは知らん。


 250大会の決勝とはいっても、私からしたらステファニー・キングストン選手は、問題なく対処できる相手だったので、かなり楽することができて助かりました。

 むしろ、準々決勝で対戦した相手である、イタリアのサラ・ベルナルディ選手の方が強かったですね。


 まあ、二人を比べてもキャリアハイが、ベルナルディは世界ランキング最高4位で、キングストンは25位が最高だったかな?

 この差がありましたので、私が感じる二人のレベル差も似たような感じにはなるのです。


 あと、ベルナルディにはグランドスラムで準優勝の経験が3回あったんだっけ?

 さすがは、現役のトップ10選手なだけのことはあると思いました。


 ベルナルディはかなり強かったですし、私も見習うべきプレーが随所に見られましたので、対戦していてとても勉強になりました。

 特に緩急の使い方が、私よりも上手いと感じましたね。


 無理をして強引に打ち返すのは控えて、無理をせず体勢を立て直すのに、わざとループ系のボールを使って時間を作り出すのとか、特に印象に残りましたね。

 まあ、それでも、私の敵ではありませんでしたけどね!


 つまり、たまきちゃんはもう既に、グランドスラムに優勝したのも同然ということなのである。確信、迫真、大躍進!

 もしかしたら、プロサーキットもジュニアサーキットと同じぐらいに、意外とチョロいのか?


 そんな風に、舐めた考えが頭をよぎるぐらいには、今大会は勝ち進むのがイージーだったんですよ。

 まあそれも、私に実力があるからこそなのでしょうけど。


 でも、ある程度は世の中を舐めて渡っていく方が、意外に上手く行くのが人生というモノなのだと思います。

 ほら、しゃちほこばってクソ真面目で面白味のない人よりも、多少不真面目でも要領の良い人間の方が出世するでしょ? あんな感じですよ。


 世の中を舐めて生きていく方が、きっと人生を楽しく過ごすことができるんだよ。たぶん。


 もっとも、オンコートインタビューや記者会見なんかの場では、取り敢えずは、しおらしく優等生的な発言をして、お茶を濁しておきましたが……

 塩対応じゃないよ? しおらしく、です。お淑やかに、です。


 私の本音なんか、ブチ撒けられるわけないでしょーが!

 私が本音をブチ撒いたら、「庭野は傲慢だ謙虚さが足りない」とか、ここぞとばかりに親の仇か鬼の首を取ったように、アンチに叩かれまくるのが目に見えてるじゃないですかー、やだー。


 空気の読めないたまきちゃんでも、それぐらいであれば読める時もあるのですよ。

 沈黙は金とかいう言葉もあることだしね。


 アンチというのは常に、鵜の目鷹の目で攻撃したい対象者の粗を探しているのですから。

 暗い愉悦に喜びを見出す。それが生き甲斐になっているから、止められないんだろうなぁ。


 まあ、それも人間の一面なんだろうね。


 大人になるということは、噓で塗り固めた建前を言えるようになるということだと学びました。まる。

 嘘を嘘と思わない面の皮が欲しいと思う、今日この頃であります。


 たまきちゃんは、敵を作らず誰からも好かれる八方美人の路線を突き進むんだい。

 たぶん、おそらく、きっと、めいびー。


 でも、腹話術の人形だとストレスが溜まりそうな気がして、なんかイヤですね。

 良い子ちゃんを演じていると、私の自己顕示欲も承認欲求も満たされませんし。


 つまり、大人になるということは、アイデンティティーの消失だったんだよ!

 な、なんだってー! ΩΩΩ


 そして、大人になるということは、ストレスを溜め込むのと同義のような気がしないでもない。

 癌に罹る原因って遺伝や生活習慣とかよりも、半分以上はストレスが癌の原因の気がしますね。


 ほら、ストレスは身体の中で活性酸素を作って、免疫力を低下させるとか言いますしね。

 免疫力が低下しているところに、活性酸素によって細胞が傷つけられるという負のスパイラルで、傷ついた細胞はやがて癌細胞へと変化するのです。


 つまり、イジメやパワハラとかは、殺人未遂の傷害罪だったんだよ!

 な、なんだってー!! ΩΩΩ Ω


 つまり、ストレス社会なんぞクソ食らえで、ございますのよ。

 まあ、私の場合は、かなり好き勝手にやらせてもらっているので、大丈夫だとは思いますけど。


 ごほん…… 失礼いたしました。


 タイムバイオレーションを取られてしまうところでしたね。

 サッサとサーブを打つことにしましょう。



 まず最初は、デュースサイドから右手でワイドに逃げるサーブを打ちましょう。



「てぃ」


「15ラブ」



 ステファニーは、一歩動いたところでボールを追うのを止めてしまいました。

 もう、ステファニーの脚は動かないみたいですね。


 まあ、これまでの試合中に、私が散々とステファニーを揺さぶって振り回して走らせていたのだから、脚が鉛のように重く感じていることだと思います。


 お次はアドサイドから左手で、これまたワイドに逃げるサーブを打つことにします。



「おりゃ」


「30ラブ」



 今度は一歩もステファニーは動きませんでしたね。

 もう、勝負は決まったも同然なのだからか、ステファニーは自身の疲労を考えて無理をせず、きっとボールを追わなかったのでしょう。


 こうなれば、最後は全部サービスエースで決めたくなってきました。


 今度は再度デュースサイドに戻っても、左手でサーブを放つことにします。



「ほいっと」


「40ラブ」



 センターラインから外に逃げるオン・ザ・ラインでのサービスエースが決まりました。


 最後もまたセンター狙いにしておきましょうかね?

 サーブとレシーバーのリターンというのは、お互いの読み合いの部分もあるのだから、レシーバーが読んでいた方向と逆にサーブが来ると、咄嗟には反応できなかったりもするんですよね。


 私はアドサイドのセンターマークよりもやや離れた位置に立った。

 こうすることで、ワイドに逃げるサーブが来る可能性が高いと相手に思わせる作戦です。


 そう思わせておいて、連続でセンターにズドンというわけです。


 もっとも、本当にサイドラインの方に意識の比重を置いているのかまでは、ステファニーに聞いてみないことには、本当のところまでは分かりませんけれども。

 まあ、角度を付けたサーブを打ちやすくしているのだから、常識的に考えるのであれば、サイドラインをケアする方を選択するはずでしょう。


 それでは、サービングフォーザチャンピオンシップの最後の締めくくりと行くことにしますか!



「どっせい!」


「ゲームセット! 6-2、6-1、セットカウント2-0、マッチウォンバーイ、ニワノ!」



 よっしゃー! 勝ったどー!


 これで、280ポイントに優勝賞金の8万ドルを手にすることができました。

 おまけで、ボーナスの25万ドルをゲットだぜぃぇぃ!!


 まあ、オマケの方が優勝賞金よりも3倍以上も金額が大きいのは、ご愛敬ということで。


 それにしても、ぐふ、ぐふふふふ……

 いやー、正直に言って、これは笑いが止まりませんですわ。


 やっぱ、チョロいんじゃね?



オークランド大会での試合描写は、サーブ4球で終わり…

この小説に試合描写を期待してはいけない。

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― 新着の感想 ―
[一言] プロのエンターテイナーたまきちゃんw
[良い点] プロスポーツ選手は体が資本ですからね。 まったく逆転の目が無い状況で無理して走って怪我なんてしてしまったら下手すると残りシーズンをパァにしかねませんものね。 [気になる点] うーんTSだけ…
[一言] ボーナスはスポンサー(油田王な飛行機会社)からのアメリカドルで 賞金は主催者のオーストラリアドルだから4倍以上なのかと これでビジネス乗り放題だね!
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