141話 さあ! 今、この時こそ
今話はかなり日本語が変な気がする…
まあ毎回、作者の日本語は変なのですがw
大阪 靭テニスセンター
「40ラブ」
秋晴れの青空が広がる、靭テニスセンターのセンターコートは満員御礼。
まあ、満員とはいっても、グランドスラムのセンターコートなんかと一緒くたにしてはいけません。今日の観客は、だいたい五千人ぐらいなのかな?
そして、その観客の二割か三割は間違いなくテニス関係者の気がしますね。
私が協会の言うことを聞かない存在だから、おまえら私のことを嫌っていたのではなかったのか?
私はジュニアの国別対抗の団体戦に出場するのも拒否していますしね。
もしかしたら、「庭野の性格は嫌いだけどテニスのプレーは気になってしょうがない。悔しいけど反応しちゃうビクンビクン」とかいう心境なんでしょうかね?
それでも、テニス関係者は観客席で観戦するのを遠慮して、もっと一般のにわかファンに席を譲ってあげろよとか思わなくもない。
にわかファンの何割かは、そのうちディープなテニスファンに変身するかもしれないんだぞ。
私のテニス動画のチャンネルにも、「靭チケット取れなかった><」とかの書き込みが数百件もあったのだから。
ピアノ動画の方にもチケット取れなかったと書き込むのは、TPO的に空気が読めてないような気がしないでもないけど。
テニス界の発展のためにも、関係者は裏方に徹するべきだと思います。
まあ、これが観客席がガラガラのお寒い状況でしたら、数を盛るためのサクラとして関係者が観戦してもべつに構わないけどさ。
しかし、靭のセンターコートがテニスで満員になるなど、数年来なかったはずですので、たまきちゃんフィーバー様々だと自画自賛しておきましょう。
あ、そうそう。昨年~今年のシーズンオフに靭はコートの改修をして、やっとこさ靭も青色のデコターフのコートに進化しました。
いままでの薄緑色のハードコートって、なんとなく薄汚い色の気がしてもにょもにょ感じてたのですけど、これでスッキリとしました!
コートの外はグリーンでコートの中はブルー。これが私には一番しっくりときますね。
青色のデコターフだと、黄色のテニスボールも良く映える気がしますし。
さてと…… これがこの試合での最後の一球となります。
私は右手でポンポンと二回ボールを弾ませた。
テニスというスポーツは見た目の単調さに反して、実際にプレーしている選手にとっては、激しい運動量が要求されるスポーツなんですよね。
だから、ゲームのインターバルの間に、選手はオリジナルにブレンドしたスポーツドリンクを飲んだり、バナナを食べたりして消費したカロリーを少しでも補おうとしているのです。
極々少数ですけど、選手の中にはパンをもしゃもしゃと食べる選手もいたりするんですよね。
インターバルの間に選手が何を飲んで何を食べているのか? それを見比べてみるのもお国柄が出ていたりして案外面白い発見があるかも知れませんよ?
でも、大抵の選手はドリンクとバナナで済ましちゃうのですがね!
しかし、私のお勧めは、10秒チャージであります。
まあ、お菓子でいったら、一粒で300mの方のメーカーのプリンの方が好きだったりもするのですが。
あー、でも、金の缶と銀の缶が当たるチョコ菓子は、こっちのメーカーだったかな?
あの、チョコの中にピーナッツが入っている小さなチョコボールって好きなんですよね。
プリンはあっちの方に軍配が上がりますけど。
というか、そもそもの話、10秒チャージのメーカーってプリン作ってたっけ?
ちなみに、私の場合はカスタードプリンはあまり好きではありません。
大量生産される大手メーカーのプチッってするプリンの方が、万人受けする癖のない味付けにもなっていますし、私には美味しいと感じるのですよね。価格もカスタードプリンよりもお安いですし。
つまり、ハンバーガーとコーラが人気があるのと似たようなモノです。
けして、私の舌がお子ちゃまとかで断じてないのだ!
そうじゃなくって、10秒チャージはゼリー状だから、ツルツルっと入っていきますので、モグモグむしゃむしゃする固形物よりも食べやすいメリットがあります。
インターバルの時間というのは、対戦相手がトイレットブレイクやメディカルタイムアウトでも取らない限り、通常は一分と短いですので、これはとても重要なことだと思います。
ということで、10秒チャージのお菓子メーカーさん、私に10秒チャージを無料で下さい。
ちゃんと、インターバルの間に10秒チャージを飲んで、商品をPRしてあげますので、きっとテレビにも何度となく繰り返し御社の商品が映ることと存じます。
来年になれば、私の商品価値が高騰してしまい、逆に御社が私に対してお金を払わなければならなくなるはずですので、さあ! 今、この時こそが、私と格安で契約する最後のチャンスですよ?
まあ、契約の話は冗談なんですけどね!
でも、半分以上は本当のことでもあるんだよなぁ。
話が10秒で纏められなかった。
それで、テニスは激しいスポーツなのだから、当然ですけどプレーする選手の膝と股関節や腰などにも負担が掛かります。
よく、トッププロでも手術をして、一年か二年ツアーを棒に振るとかありますもんね。
だから、これまで私が散々小馬鹿にしてきた日本独自のガラパゴスサーフェイスでもある、砂入り人工芝も一概には否定できないのですよね。
そう、アマチュアの中高年の人たちが健康のためにテニスをするのであれば、ハードコートよりも砂入り人工芝の方が足腰への負担は少なくて済みますので。
ええ、ただ単に砂入り人工芝というのは、世界標準のサーフェイスじゃないからダメなだけなんです。
砂入り人工芝が悪いのではなく、砂入り人工芝を世界標準に出来なかったのが悪いんや!
これ前にも言ったかな? 前にも似たようなことを脳内で愚痴ってたような気がしますね。
まあ、プロの場合では、テニスが激しい運動のスポーツだから怪我をする、それ以外にも故障する要因として、プロサーキット、つまりツアーが過密日程というのも、選手が故障する原因として大きなウェイトを占めてはいるのですけれども。
もう一つ要因を上げるとすれば、パワーテニスが主流になってサーブが高速化した弊害でしょうか?
リターンゲームの選手は高速化したサーブに対応するためには、かなり無理をして身体を酷使しなければレシーブが出来なくなってしまったのだと思います。
だから、サービスエースが決まったときにレシーバーが殆んど反応しなかったとかという、一見したら選手が手を抜いたプレーをしているような場面が増えたのです。
あれはサーブが高速化しすぎてしまったから、レシーブする側の選手が身体を酷使するのを嫌がって、刹那の瞬間に諦めてしまっているのが大半の気がしますね。
まあ単純に、動体視力と反射神経がサーブの速さに追いついてないから、身体が反応出来なかったという選手も中にはいるのかも知れませんが。
一球一球に魂を込めて身体を酷使して全力でプレーなどしていたら、それこそ試合途中で直ぐにでもガス欠になってしまうのが、プロテニスという過酷なスポーツなのですから。
精神論、精神力というのは、ここぞという場面において、火事場の馬鹿力的に真価を発揮できればそれでいいと、私は思います。
ほら、よく言うじゃありませんか?
集中力は長時間持続しないとかってさ。
つまりそういうことです。
それで、なんでしたっけ?
ああ、テニス選手の故障問題だったかな?
この選手の故障をある程度、減少させる方法もあるにはあるんですよね。
その方法とは、なんぞや?
将来、ITFの会長の椅子が約束されている環希ちゃんが答えてしんぜよう。
じゃかじゃかじゃかじゃーん! ででん!
その方法の一つは、サーブを二球まで認めるのではなくて、一球のみにするということです。
つまり、フォルトになってしまえば、即座に相手のポイントということであります。
サーブを一球にすれば、サーブをする側は今までよりも慎重にボールをコントロールしてサービスコートに入れなければいけなくなります。
サーブをコントロールするということは、当然ですけど普通に考えたらサーブのスピードは落ちることになります。
これには、サーブする側の選手にも、肩や肘が故障するリスクを低下させるというメリットがあります。
また、セカンドサーブがあるのだから、ファーストサーブは失敗しても別にいいや。とかいう甘えが、どこかサーブをする側の選手にあるような気がしますね。
一度は失敗してもいいのであれば、コントロールがし難いビッグサーブを打ってサービスエースを狙おう! とかいう心理状態になるのが大半だと思います。
女子ならば180km/h以上、男子ならば200km/h以上の速度を出せば、エースやサービスウィナーが取りやすくなりますしね。
しかし、コントロールがし難い=フォルトですから!
だから、フォルトを連発するような、見ている観客からすれば、「またフォールトかよ。いい加減ちゃんと入れろよ」とか、観客が見ていてうんざりするような試合が多々見受けられるのだと思います。
これが、テニスがつまらないと感じる原因の一つだと思います。
私個人としても、レシーバーをしている時に、フォルトとダブルフォルトほどがっかりさせられる相手のプレーはありませんので。
まあ、私も偶にはフォルトをするのだから、フォルトをした選手に文句を言えた義理ではないのですが。
しかし、もう少しコントロールを身に付けようよとか、思わず愚痴りたくなる対戦相手も結構いたりするんですよね。
サーブ失敗=即相手のポイントですと、セカンドサーブがありませんので、サーブする選手はもっと真剣にサーブをするようになって、試合自体も今までよりも引き締まった試合になるような気がしますしね。
サーブを一球にすると、サービスゲーム側の選手が不利になる?
なんで、サービスゲーム側の選手が不利になるのですか?
テニスとは、サービスゲームとリターンゲームを交互に繰り返して試合を進めていくスポーツですよ?
つまり、所与の条件は対戦する選手の二人で、同じ条件ということになります。
野球の投手に例えて説明しましょう。投手がボール球を四球投げれば、フォアボールですよね?
これが、ストライクは三球でアウトのままで一人の打者に対して、投手がボール球を八球まで投げられると仮定してみて下さい。
どうです? 投手が圧倒的に有利になる感じがしませんか?
これが、テニスのダブルフォルトのルールと、非常によく似ていると感じるのは私だけでしょうかね?
まあ、私が捻くれているから、そう感じるだけなのかも知れないけどさ。
しかし、ボール球を八球まで投げられる野球のルールだったとすれば、きっと試合時間は間延びもするし投手の球数も増えて故障するリスクも跳ね上がるでしょう。
観客もボール球ばかり投げるノーコンピッチャーにうんざりして、野次の一つでも飛んでくるかも知れません。
ほら? テニスのフォルト、ダブルフォルトを連発するのとよく似ている気がしてきませんか?
これでは、テニスが面白くないとか揶揄されても仕方ありません。
だから、テニス界の未来を考えるのであれば、サーブは一球のみ。というルールで試してみるのも悪くはないと思います。
あまりにも不評であったのならば、一度元に戻して、改めてまた別のルールを考えればいいのだし。
スキーのジャンプ競技とかでも、その昔に日本人選手が活躍しすぎてしまったので、欧州諸国のファンが見ていても面白くないから、スポンサーも付きにくいとかの事情もあって、実力が伯仲するようにと、ルールを変更したとかありましたもんね。
テニスも柔軟にルールの変更を試してみて、観客に飽きさせない工夫が必要だと思います。
それと、バレーボールがサーブ権の移動だけで、ダラダラと試合をやっていた時代に比べて、ラリーポイント制にしてから試合がスピーディに進行して面白くなりましたよね?
つまり、バレーボールで成功した良い部分を、テニスでも真似して取り入れてしまえばいいのですよ。
サーブを一球にしたら、一時的にコントロールの悪い選手を中心にして、フォルト→失点、フォルト→失点を連発する選手が大勢出てくるかもしれません。
それでは選手があまりにも可哀想だというのであれば、1セット6ゲーム先取というのを1セット8ゲーム先取とかに変更すればいいのです。
ゲーム数を増やせば選手にも心の余裕が生まれて、フォルト連発も多少は改善されるのが期待できるでしょう。
2ゲーム増えたところで、それでもサーブをする回数はトータルで減っているはずですので、ゲーム時間は以前よりも短縮しているはずであります。
あと、デュース以降の2ポイント差を付けるのを廃止するとかの方法も、試合時間の短縮には有効な手だと思います。
もう既に、アマチュアの大会とかでは、ノーアド方式はポピュラーな試合形式ですしね。
このサーブを一球にする方法は、試合時間を短縮するというメリットも副次的に生まれるのだから、一石二鳥の方法だと思いませんか?
もしかしたら、一石で三鳥以上の効果が見込めるかも知れません。
つまり、テニスもサーブを一球のみにすれば、バレーボールと似たような効果が表れるのではないのかなぁ? と、私の足りない頭で考察した結果、そう思った次第なのであります。
そもそも、テニスだって半世紀以上前には、タイブレークすらなかったのですから、べつにサーブを一球にしたっていいじゃないの?という論法ですな。
まあ、野球のタイブレークは、なんだかなぁとか思わなくもないのですが。
ボールじゃなくて、話が明後日の方向へと飛んで行ってしまった。
ちなみに、ここまで思考するのに掛かった時間はたったの三秒でございます。
なんたって私の脳内にはインテルハイッテルからね!
では、仕切り直しまして……
右手でポンポンと二回ボールを弾ませてから、私は上半身を起こしてボールを空中に放り投げた。
私が見上げる先には空中を舞うボール。それは、重力の法則に則り自然落下を始める。
私は自然体で打撃するポイントを刹那の時間で見極め、ここだ!という瞬間に軽くジャンプをしながら、渾身の力でラケットを振り抜いた。
「どっせい!」
まあ、渾身の力とはいっても、当社比で75%程度のさじ加減なんですがね。
テニスの試合描写…?
「どっせい!」