1 1-0 30-15 そのドヤ顔、ちょームカつくんですけど?
半角スペース2つと全角スペース1つが合わないのはなぜ?
「ゲぇ~ム、セット! あ~んど、マッチうぉんバイ! 2セットとぅ0! 庭野! 6-3、6-3!」
「また負けたー!」
「にひひ、私に勝つなんて百年早いよ。顔を洗って出直してきたまえ」
「そのドヤ顔、ちょームカつくんですけど? それに、百年経ったら死んでるんですけど!」
「こんなにも可愛い、たまきちゃんのかんばせなのに♪ どやっ!」
「しかし、環希のその両利きは相変わらず卑怯だよねー」
「卑怯も何も、勝てば官軍でごわす」
真夏の日差しが照り付ける厳しい暑さの中、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
庭野環希が大阪より全国のtamakiファンに暑中お見舞い申し上げます。
うむ。思わず、動画視聴者向けの挨拶をしてしまった。
私は無事に小学四年生になりました。夏の燦々と照りつける日差しを浴びて、真っ黒に日焼けした元気印の少女の出来上がりです。
日に焼けた手足と服に隠れて白いままの部分とのコントラストが、特定の性癖を持つ大きなお友達にとっては栄養剤となっているアレな姿ですな。
うん、来年からは日焼けは止めておこう。
それに日焼けは、大人になってからシミとかが浮き出てくるとかとも聞くしね。
美白は七難を隠すでしたっけ? 違ったかな?
でもまあ、来年からは、深窓の令嬢路線に変更しましょうかね。
私にピッタリだとは思いませんか?
それで、先ほどの「また負けた」発言は里田優梨愛ちゃんです。そう、この半年の間で優梨愛ちゃんと仲良くなって友達になれたのです。
もう既に、お互いの家にも遊びに行きましたし、私の自宅の庭にあるテニスコートで、数回だけど優梨愛ちゃんと一緒に練習もしました。
だから、私も優梨愛ちゃんも気軽にお喋りしているというわけですな。
専用のテニスコートを見て羨ましがられたりもしましたが。
「ブルジョアめ!」とか言われてしまったけど、どないせーちゅーねん。
といいますか、小学生でそんな難しい言葉を知っているだなんて……
優梨愛ちゃんの周りの人間って主義者ばっかりなの? 子供は生まれる家を選べないんだよ。
まあ、私の場合は微妙な気もしますけど。でもそれは、私が墓場まで持って行く秘密だよね?
言ったとしても、誰も信じてくれないどころか、可哀想な子を見る目に晒されてしまうのがオチですし。
それで、私が大好きでまた私に負けた、優梨愛ちゃんと対戦している場所はといいますと、大阪にある西日本のテニスの聖地である、靭テニスセンターであります。
それにしても、靭ってテニス関係者や地元の人以外では、どれだけの人がちゃんと読めるのかな? 正解率は低そうですね。
靭は"うつぼ"って読みます。
こんな漢字は普段は見ないし使わないから、普通は読めない気がしますね。
その靭テニスセンターで、全日本ジュニアの12才以下の決勝を戦って、また私が優梨愛ちゃんに勝ったのです。やったね!
まあ、私ぐらいのレベルならば国内では、優勝して当たり前ではあるのですけど、それでも優勝は嬉しいですね!
「相変わらず理不尽だわ……」
「与えられた条件の中で最善を尽くせば、おのずと結果は付いてくるんだよ」
「いや、それって納得できないわー」
「これで、私に対して優梨愛ちゃんは何連敗だっけ?」
「9連敗だよ!」
川崎ジュニアから始まって半年ちょっとの間で、もうそんなにも対戦してきたのか。
優梨愛ちゃんが、手を抜くな真面目にやれって怒ってきたから、2月に対戦した時には真面目にやってダブルベーグルを味わわせてあげたら、優梨愛ちゃんが涙目になってしまったんだっけ。
記憶を辿ってみると……
2月のU-12全国選抜神奈川予選 F 6-0、6-0
3月の関東ジュニア神奈川予選 F 6-0、6-0
4月のU-12全国選抜関東予選 SF 6-0、6-1
4月の春季神奈川県小学生テニス F 6-1、6-1
5月のU-12全国選抜ジュニア 優梨愛ちゃんがSFで敗退して対戦なし
5月の全国小学生テニス関東予選 SF 6-2、6-1
7月の関東ジュニア F 6-2、6-2
7月の全国小学生テニス大会 SF 6-3、6-2
今回の全日本ジュニアU-12 F 6-3、6-3
うん、着実に追い上げられているのが、手に取るように分かるスコアだわ。
この追い上げに関していえば、優梨愛ちゃんが六年生になって、成長期に入ったというのも影響がありそうですね。
半年前に比べて球速も上がっているし、カバーできる範囲が広くなってリカバリーの一歩も速くなっている気がする。
でも、そんな優梨愛ちゃんにも、二度ほど調子が悪そうな時があったのだけど、アレはなんだったのかな?
たぶん、アレの日だったんだろうなぁ。ちょっと鉄の匂いがした気がするし。
そうか、もうすぐ私にもアレがくるのか……
まったくもって想像できないけど、きたら嫌だなぁ。
きてしまったら、今世での性を完全に自覚する破目なるんだろうなぁ……
あと一年か二年か。覚悟はしておいた方が良さそうだな。
私は女性。私は女性。私は女。私は女の子!
よし、覚悟完了。 ……たぶん。おそらく、きっと、めいびー。
しかしそれでも、私も成長期に入ったら、さらに進化することが出来ることでしょう。
私は、あと三回の変身を残していますので。……たぶん。
ちなみに、当然ながら、私はここまで無敗であります。
もっと歯ごたえのあるヤツはいないのか!
まあ、楽して勝てるのなら、それに越したことはないのだけれど。
それにしても、優梨愛ちゃんの成長力はマジで凄いわ。
この一年足らずの間に、私が真面目にプレイをしなければ勝てない相手になってしまったんだから、本当に凄いと思います。
優梨愛ちゃんは努力の人だね!
転生チートの私には、眩しすぎるくらいの存在だよ。
それで、5月のU-12全国選抜ジュニアテニス大会に優勝したあたりから、私の周囲が慌ただしくなり始めました。
主に取材とかが増えた感じですね。テニス雑誌の取材を受けたり、テニスをメインコンテンツとして放送している、衛星放送のZoomZoomが特集してくれたりしました。
あと、アスリートの卵を紹介する金の卵という、スポーツドキュメンタリーが密着取材を現在進行形でしています。だから当然、この大会にもカメラが入ってたりしています。
密着取材のドキュメンタリーだなんて、私的には時期尚早だと思うのですけど、ママが有名テニス選手だったこともあってか、話がトントン拍子に進んでしまったようです。
ママも親バカだから、テニスに関しての取材ならば、あまり断らないみたいなのだ。
まあ、マスメディアあってのプロスポーツだし、こればっかりは仕方ないよね。
だがしかし、私はまだプロではないんやで。
プロ予備軍なのだから、将来のための予行演習ですと? さいですか。
顔を売るのが、プロの仕事ですと? さいですか。
でもそれ以外、テニス以外のワイドショー的な、どーでもいい取材はママが断っているみたいですね。
ワイドショー的な取材は私も困るし、断ってもらって助かってます。
ママ、グッジョブだよ!
私はピアニストユーチューバー兼ジュニアテニス選手であって、子役でも芸能人でもないのだから、ワイドショーはお断りします。
ワイドショーって、下世話なイメージしか浮かばないしね。まあ、見るのは個人の自由なので、とやかくは言いませんけど。
今日の朝御飯は何を食べましたか?とか聞かれても困るし。まあ、聞かれたら、「ご飯に納豆に目玉焼きに味噌汁」とか「フレンチトースト」とか答えるけどさ。
それくらいならまだしも、好きな芸能人とか、ようつべにうpした動画での広告収入とか聞かれたら本気で困るから、やっぱワイドショー的な取材はお断りの方向で。
収入に関しては、べつに税務署が怖いとかの意味ではないけど。
それよりも、ネットの動画サイトからすれば、テレビは商売敵なんや!
優梨愛ちゃんと仲良くなったけど、GLへ進むかは未定…