122話 私まだ13歳です!
テニスの試合描写? なんですかそれ?
番外編は、タマキの平凡な日常を淡々と綴る物語なんだよ!
ウィンブルドンも終わって、無事に日本に帰国しました。
テニスは全米オープンまで、北米でのハードコートのシーズンに突入ということになります。
イギリスに比べたら、やはり日本はかなり蒸し暑いですね。今からでもイギリスに戻りたい気分にさせられるよ。
それで、ウィンブルドンはどうなったのかですって?
ウィンブルドンは華麗にサクッと優勝しましたけど、それがなにか問題でも?
ジュニアランキングも無事に一位になれました!
自宅に完成したグラスコートで二週間にわたって練習した成果がちゃんと出たので、グラスコートを作ってくれたお爺ちゃんには感謝の言葉しかありません。
ウィンブルドンでの試合内容は、全仏オープンジュニアとだいたい同じような内容だったので、ローラン・ギャロスをウィンブルドンの名称に変更して、選手の名前もウィンブルドンで対戦した選手の名前に置き換えて想像すればいいのですよ。
想像力は無限大とか、偉い人もそう言ってましたしね。
まあ、決勝で対戦した相手は、全仏オープンジュニアでのイザベル・ダラディエと違って、先週の前哨戦と同じくアナスタシア・トハチェフスカヤがジュニアウィンブルドン決勝での相手だったのですけど。
その決勝のスコアはといいますと、6-3、6-4というスコアでした。
先週と比べたら私にしては、少しアナスタシアに手古摺った感じでしょうか?
しかし、アナスタシアの高速サーブは、球足の速いグラスコートとの相性が良くて、結構エースを決められてしまったんだよぉぉ!
それに私も、グラスコートでの経験という点においては、あまりアナスタシアちゃんと大差ないような感じもしますし。
だから、私が多少手古摺ったのもむべなるかな。
それでも、アナスタシアにストレートで勝てたのだから、結果オーライということで。
でもこれで、アナスタシア・トハチェフスカヤとの対戦成績は、私の四戦全勝だから、彼女に要注意人物として完全に目を付けられてしまった気がしますね。
KGBにマークされてしまったのと同じような感覚で、なにやら悪寒がするのですけど?
胡麻をする意味でも、今度、アナスタシアちゃんともダブルスを組んであげようかな?
上から目線?
ジュニアでは、無敵のたまきちゃんなんだから、多少は私が上から目線になったとしても仕方ないよね!
それに、私がアナスタシアちゃんに胡麻をするのだから、もーまんたいであります。
プラチナブロンドのロシア美人であるアナスタシアちゃん萌え~。
私が手取り足取りダブルスの奥義を教えてあげまっせ! ぐへへへへ。
ちなみに今回は、優梨愛ちゃんとの対戦はありませんでした。相変わらず萌香ちゃんとの対戦もなかったけど。
二人とも仲良く三回戦で、R16で負けちゃったんですよねー。
でも、転生主人公で半分インチキな私みたいな存在でもないのに、二人ともかなり頑張っていると思います。
ダブルスでは、私よりも優梨愛ちゃんと萌香ちゃんのほうが強いしね!
それで、そのダブルスですけど、優梨愛ちゃんと萌香ちゃんのダブルスペアは、ジュニアウィンブルドンでは残念ながらも準優勝で終わってしまいました。
優勝を逃したのは残念だったけど、この二人のペアは今年に入ってから超安定していると思います。
全豪→準優勝 ミラノGA→優勝 全仏→優勝 ウィンブルドン→準優勝
こりゃ、私が二人の間に入り込む余地は完全にありませんね。
それに最近、あの二人は怪しい感じがするんスよ。なんかほのかに百合の香りが二人の間に漂っているとでも言うのかな?
私が睨んだところによると、たぶん、あの二人はデキている気がしますね。
まあ、私の嫉妬からくる幻想なんですがね! たぶん、きっと、だったらいいなぁ。
しかし、ダブルスを同じ人と長期でペアを組んでいる人の中には、一定数の割合で同性愛者が混じっているとかのデータもあるのですよね。
呼吸を合わせるには、身体も混じり合わせたほうが、より確実に呼吸が合いやすくなりそうだもんね。
ほら、よく言うじゃありませんか? 阿吽の呼吸とかさ。
あと、目と目で通じ合うとかもありましたね。
つまり、女子では百合だけど、男子ではホモ!
あのイケメンも、ちょい悪オヤジも、キザなアイツも、ユー、ユー、ユーも!
みんな、ホモだったんだよ! な、なん以下ry
それで真面目な話に戻るけど、このまま順調に行くと、優梨愛ちゃんと萌香ちゃんのペアは、シニアでもグランドスラムを獲れそうな気がしてきたぞ。
まあ、だからこそ、ママが二人を指導しているとも言えるのかも知れません。
私の場合は、早々にママからダブルスの適正では見切られちゃってるもんね。
ぐすん。いいもんね。私はシングルス一本で頑張るんだから!
私にとってのダブルスは偶にやる余興でいいや。
それで、テニスの試合というのは、ほぼ同じことの繰り返しに見えるから、素人から見れば飽きが来るのが早いのでしょう。
もっとテニス界を発展させるためには、素人さんを飽きさせない工夫が必要だと思います。
きぐるみを着て入場するとか、小さな子供にウケそうな気がしますね。
きぐるみのままサーブをしようとして失敗して、きぐるみを脱いで子供の夢を壊して泣かれるまでが、テンプレ、お約束であります。
ウィンブルドンの場合は白い服装が義務付けられていますので、ナースのコスプレとか良さげな感じがしますね。
ブリテンお得意のブラックジョークならぬ、ホワイトジョークですので、きっと英国紳士にもウケること請け合いだと思われます。
うん、いつかチャレンジしてみましょう。
あと、ジュニアウィンブルドンの決勝では、ちょっとしたハプニングなんかもあったりもしまして……
いきなり観客の一人が、
「Tamakiー! I love you! Will you marry me?」
とかなんとか、のたまいやがったのですよ……
なんか前世でも、似たような出来事があったような記憶がありましたね。
まあ、その時にコート上にいたのは、私じゃなくて庭野まどかだったのですけど。
しかも、ママは傍観者という立場で。言われたのはママの対戦相手のほうでしたので、ママが傍観者だったとしてもそれは仕方ないよね?
しかし、私は言ってやりましたとも!
「I'm still Thirteen!」とね。
どうやら、英国紳士は変態紳士でもあったみたいでした。
まあ、叫んだのが本当にイギリス人だったのかまでは知らないですけど。
それと、そのロリコンの観客がその後どうなったのかも知りません。
動画サイトやSNSでは、かなり話題にはなっていたみたいですし、私の知名度アップには貢献してくれましたので、ロリコン紳士さんにも一応は感謝しておきましょう。
本当は、「How much money do you have?」とでも言ってやりたかったのですけど、思わず出てきた言葉が「私まだ13歳です!」だったんだよぉぉ!
咄嗟にアドリブを効かせるのって難しいと思わされた出来事だったよ。
それにしても、結婚かぁ……
今世での私は女性なんだよね。と、いうことはだ。
うん、私の結婚相手は、必然的に男性ということになりますよね?
まあ、同性婚という手もあるにはあるのですけど、まだ日本では認められていませんし、私の場合では、精神的なBLを取るのか? 肉体的なGLを取るのか?
どちらを選ぶにしても、葛藤が待ち受けている気がするのですよ。
だから、とりあえずは保留でお願いします……
こういう問題は、なるようにしかならないだろうしね。
しかし、庭野家の跡取りは私しかいないのだから、私の代で庭野家を途絶えさせるのは気が引けますしね。
我が家の近所にある、雲松院には庭野家の先祖代々の立派なお墓もありますし、そのお墓を守ることも重要なのです。
特に私の場合は異分子に近い存在なのだから、私をこの世界に再び戻してくれたママが将来入るお墓は大事にしたいと思いますしね。
私が死んだあとで永代供養といいつつも、なにかの拍子に墓が倒されて無縁仏にされてしまうのも寂しく感じますしね。
それと私自身、子や孫がいない老後は寂しく思いますので。
うーん……
最悪の場合は、デザイナーベイビーといいますか、精子バンクでも利用すればいいのか。
でも、それもなんだかなぁって感じがして、なんとなくもにょりますよね。
ママも私を産んではいるけど結婚はしてませんし、別に結婚という形態に拘らなくてもいいのかな?
私の性格的にも、あまり結婚には向いてなさそうな性格の気がしますしね。
結論。ママが私の弟か妹をもっとポコポコと産んでいれば、こんなにも悩まずに済んだのだから、ママが悪いということで私の脳内の投票で決定したのであります!
……誰かに責任を押し付けるのって楽なんよ。
How much money do you have?
ググらないでこのネタを知っている人は40代以上って、はっきりわかんだね!