110話 5ユーロぐらい払ってくれてもいいんやで
前回の掲示板は感想に困る内容だったみたいでしたね(´・ω・`)
でも、仕方なかったんや! 私の複数いる小人さんが勝手に書き込んでいくんだから…
読者のみなさんって空気読むのが上手いというのか、意外と常識人が多かったのだと驚いていますw
そんな私はかなりの非常識人です(汗
おじいちゃんとのカタコンベデートも無事に済ませて、日本へと帰国するためにシャルル・ドゴール空港にやって来ました。
カタコンベを見た感想は、楽しかった! しゃれこうべが一杯!
以上、感想終わり。
地縛霊が話しかけてくるとか、そんなホラーなことは別にありませんでした。
霊感がゼロで助かったと思います。
といいますか、フランス人の幽霊と日本人の私とでは会話にもならなさそうですし、たとえ幽霊がいたとしても話しかけれなかったのかも知れません。
ガイコツは可愛かったですけど。
ちなみに、しゃれこうべって、お洒落な神戸みたいな響きだとは思いませんか?
つまり、ガイコツの精神は一度全て神戸に立ち寄って、垢抜けてから世界各地に戻って行くんだよ! な、なん以下ry
それで今回、日本への帰国で搭乗する飛行機は、なんとビックリ! 直行便であります!
直行便。いい響きだとは思いませんか?
乗り継ぎの心配も、ロストバゲージの心配もしなくても済みます。トランジットで寝るのを我慢してグズることもありません。
それに、なんといっても、この直行便は時間帯が最高の気がします。
パリを夜の八時半に離陸したら、十二時間弱で羽田に到着するのですから、この直行便はとても便利だと思います。
機内でも七時間は横になって寝れそうな感じがしますしね。
羽田に到着する時間も午後の三時半ですので、ラッシュに巻き込まれずに家まで帰れるのも大変良い時間帯だと思います。
旅の疲れもあるでしょうし、あまり時差を感じないで夜も早めに寝ることが出来そうだし、この時間帯に直行便を設定した航空会社には感謝だね。
しかも、搭乗する飛行機の座席はといいますと、ファーストクラスなのです!
ファーストクラス。いい響きだとは思いませんか?
全仏オープンジュニアで優勝したご褒美に気前良く、みんなの飛行機のチケット代を払ってくれた、おじいちゃんに感謝ですね!
まあ、チケットの代金の元手は、ブックメーカーから巻き上げた400万ポンドの一部だと思いますけど。
つまり、全仏オープンジュニアで優勝した私が一番の功労者ということである。
ドケチなママならば、直行便なんぞ考えもしないチケットと便だと思いますし。
「環希、またヘンなこと考えてるでしょ?」
「か、考えててナイヨ?」
「噛んでるわよ」
魔王まどかの第六感は、相変わらず恐るべし……
しかし、ファーストクラスの予定だったといいましょうか?
ファーストクラスの空席が五席しかなかったので、お爺ちゃんお婆ちゃんママの三人は確定。
それで、麻生さんと優梨愛ちゃんと萌香ちゃんの家族は遠慮して辞退しましたので、残る席は二つのみ。
ここは一つ、公平な勝負と行きましょうか!
「「「じっけった!」」」
「やりー!」
「な、なん…です…と!?」
「たまきちゃんごめんね~」
まさか、この私が二人に負けるだなんて……
優梨愛ちゃんと萌香ちゃんとジャンケンをして私が負けてしまったから、残念ながらも私はビジネスクラスでの帰国と相成りました。
……いいもん、いいもんね。
優梨愛ちゃんと萌香ちゃんの二人は、この先の将来においてファーストクラスに搭乗する機会なんて滅多に訪れないでしょうし、この機会にファーストクラスに乗れるようにと、心根の優しいたまきちゃんが二人に譲ってあげたんだよ。
だから、わざと私は負けてあげたんだからね!
それで、今回利用するエアラインは、日系の鶴さんです。
毎年春と秋の二回、我が家に優待券を大量に送ってくる会社ではありません。
だけど、NHの787にはファーストクラスが設定されてないんだよぉぉ!
だから、これは仕方ないよね? 不可抗力というヤツでございます。
777で運航していた時にはファーストクラスもあったのに、なぜ787では廃止しちゃったのでしょうか?
まあ、777のファーストクラスに乗ったことないのですがね。
パリ路線は観光客の利用が多いので、ビジネス路線でもあるロンドンやニューヨーク路線に比べたら、ファーストクラスの利用客が少なかったのかも知れませんね。
機体も多少は小さくなっているのだから、需要そのものがビジネス路線よりも少ないということでしたか。
しかし、我が家はNHの株主なのです。株主としてNHに乗らなくて、NHの株主としてそれでいいのか? とか、多少は思わないでもないですけど。
でも、株主であったとしても、国際線の場合は一割しか割引が利かなかったはずだったので、たとえ株主とはいえ人の子ということです。
要約すると、べつに自分の乗りたいと思った飛行機に乗ってもいいじゃん!
こんな感じです。
それにしても、どうやら私は、シャルル・ドゴール空港に立ち寄ったら、一度はピアノを弾かなければ許されない雰囲気になってしまっていたようでした。
萌香ちゃんなんて両手を胸の前で握りしめて、上目遣いで早くピアノを演奏してって催促してくるのですよ。
優梨愛ちゃんは、「あ、あたしはアンタのピアノなんて興味ないんだからね!」みたいに装ってはいますけど、早く演奏しろってバレバレですしね。
それに麻生さんですら、期待の眼差しを寄せてくるだなんて……
ママはもう既にカメラをセットして準備万端の構えですかそうですか。
どうしてこうなった?
すべての原因は、あの名無しのバイオリン奏者の所為でしたか。
あのバイオリンの乱入からフラッシュモブが発生して、動画サイトでも人気に火が付いちゃったんだよね。
まあ、広告収入は美味しかったので、結果的には良かったのですけど。
周囲にいる人達からも、『テニスのタマキ・ニワノだ!』とか『ピアノ動画の子だ!』『フラッシュモブ動画の』とか聞こえてきましたので、これは私がピアノを弾かないことには収まりが付かないでしょうね。
今日はお爺ちゃんとお婆ちゃんもいることですし、いつもより気合を入れて弾いてみますか!
うーん、今回は何をテーマにして演奏しようかな?
フランス人や外国人のみなさんに、J-POPでも布教してみましょうかね?
大抵のフランス人にとってJ-POPは馴染みのない音楽だから、聴いていても最初は戸惑うかも知れませんね。
でも、音楽に国境はないと私が証明してみせましょう!
この演奏を切っ掛けにして、フランスの人たちが日本の音楽にも興味を持ってもらえたら嬉しいですしね。
きっと、ジャスラックから感謝状が来ること請け合いだと思います。
私をJ-POP海外普及委員長に任命してくれてもいいんやで?
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
ここパリでは、私たち日本人は異邦人ですから、まず最初は異邦人をチョイス。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
この曲のノリとテンポって半世紀たっても色褪せないのが凄いと思います。
きっと名曲は時代を越えても、名曲ってことなんだろうね。
おー、フランス人にもウケてるよ! なんだか嬉しくなっちゃいますね。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
お次は、ここパリにちなんでベルサイユの薔薇のテーマ!
……そういえば今回は結局、ベルサイユ宮殿は見に行けなかったなぁ。まあ、また今度パリに来た時にでも行けばいいか。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
ベルサイユの薔薇は、お婆ちゃんが一番喜んでいる気がしますね。感動してお婆ちゃんの目が潤んでいるような気がします。
ちょうどお婆ちゃんの青春時代だった頃の曲だからなのかな?
周囲にいる外国人のオバチャンからも、『レディオスカー』とか『オスカル様……』とか聞こえてきましたけど、海外でも知られていたんですね。
ヅカ系は海外のオバサマにも人気があったのだと判明した瞬間です。
もうこれは、ラ・マルセイエーズ、オー・シャンゼリゼに続いて、フランス第三の国歌といっても、けして過言ではないような気がしますね!
きっと私がレジオン・ドヌール勲章を授与される日も遠くないことでしょう。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
その次は、聖母たちのララバイ。これは私が大好きな曲の一つですね。
戦争映画や戦争アニメとかのラストシーンをイメージしながら歌うと、より一層臨場感が高まります。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
この曲を弾き語りでもして歌ったならば、感情が昂ぶって涙を流しながら歌える自信がありますよ。
でも今日は、この曲で弾き語りをするのは自重しておきましょう。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
あまり私一人で空港のピアノを独占しているのも体裁が悪いので、あと二曲ぐらいで終わりにしましょうか。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
J-POPで最後の曲は、Fall in love。これを弾き語りしたかったが為に、さっきは歌うのを自重しといたんだよね。
でも、いきなり私が歌いだしたから、少し驚かせてしまったみたいでした。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
歌う歌詞は日本語ではありません。英語の歌詞で歌います。
まあ、元々から半分ぐらいは英語の歌詞ですので、英訳も簡単だったよ。
でも、この曲ってカラオケに行ったら英語バージョンとかもあったりするんですよね。
私が自分で英訳する必要なかったじゃん!
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
さすがにフランス語では歌えないので、フランスでも英語で勘弁してね。
麻生さんならフランス語で歌えそうな気もしますけど。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
あはっ、みんな首でリズムを奏でているから、振り子人形みたいですね。
でも、この曲の歌詞って中学二年生の私が歌う歌詞ではない気がしないでもない。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
あと、ダイヤルの意味って21世紀の人には理解できるのかな?
私でも使ったことは一度もありませんし、前世でもなかったはずですしね。
そう、今回のテーマは70年代後半から80年代前半の懐メロでした。この場で聴いていた人達の耳に焼き付いたと思いますので、耳にこびり付いて離れないという人は、誰の曲なんだ? と検索して探し当ててくれるでしょうね。
そして、日本の曲だったのかと分かったら、他の日本の曲にも興味が出てくる人もいると思うのですよ。
まだ海外に知られていない日本の名曲って沢山ある気がしますし、これからもJ-POPを海外に普及させるべく演奏していきましょう。
~♪ ~♬ ~ ~♩ ~♫ ~ ~♪
そして、最後の〆は、オー・シャンゼリゼ! パリといったら、やっぱこれでしょう。
周囲にいた人達と一緒に、みんなで楽しく歌いました!
まあ、本当のシャンゼリゼ通りに面したカフェにアップライトが置いてありましたので、もう既にそこでもオー・シャンゼリゼを弾いてはいたのですけどね。
シャンゼリゼ通りで演奏するストリートピアノは、此処シャルル・ドゴール空港で演奏するのとは、また違った趣で演奏することができたので、楽しかったです。
それにしても、ちょっとしたミニ演奏会になってしまいましたね。
みんな5ユーロぐらい私に払ってくれてもいいんやで。
ピアノの横に帽子でも逆さにして置いておけばよかったかな?
500ユーロぐらいは稼げたかも知れませんしね。しくった……
実在の歌詞を載せてなかったらおkなんだよね?