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あしながおじさん

作者:霧内 笑
 私は、中学三年生の夏休み、初めて家出しました。
 もちろんすぐに行き詰って、どうしようもなくなった私を助けてくれたのは、名前も知らないおじさんでした。おじさんは家から、学校から、私を追い詰めていた全部から私を解き放ってくれました。
 昔図書館で読んだ『あしながおじさん』という本を思い出します。あの本も、私みたいに困っていた女の子が知らない人に助けてもらって、幸せになる話だったと覚えています。
私にとっては、あの人こそが『あしながおじさん』でした。
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