8.3日目 ついに
「よし、おはようございます」
昨日の疲れもとれ...たと思う。うん。
さって、ステ割り振って...こないだと同じでいいか。
HP80MP40
まあまあいいだろう。
うし、肉狩り、行くか。
俺はこの周辺にいる肉になる魔物...ノベルブタを探していた
今までは音で気付かれていた。しかし、今は...
「…ミアル」
微かに呟き水の玉を投げ、そして...
「アクアブラスト」
これまた小さな声で、気付かれ無いように言う。水が爆散し、ノベルブタは死ぬ。
『経験値を5入手しました』
ま、こんなもんだろ。俺はノベルブタを持っていこうとしたが...重い。
「そらそうか、ブタだもんな重いわな普通」
むしろ、これを持っていこうというほうが無理がある。俺はもはや相棒と化している錆びた剣で肉を切る
「骨はいらんだろ...内臓も...内臓はないぞうってか」
まあ、死んだブタからすれば笑える話ではないが。
うし、もも肉とあばらの周りの肉...この程度でいいだろう。
天精がいうには、今日の夕刻...早ければ昼には生まれるという。
肉は結構必要かもしれないが、ドラゴンの近くにいないと、刷り込みに失敗し、言うことを聞かないという。なのでそれまでに戻らないといけない。
洞窟に戻り、肉を置く。ざっと3㎏程だろうか。それをおいて、俺は座り込み卵をなでる。
思えば、ここ2日はいろいろあったものだ。狼に嚙みつかれ、亀に殺されそうになり、亀を食ってた鰐に殺されそうになり...あれ、意外と命の危機に瀕してね?
まあ、あれもこれも、いい思い出にはなった。この森にはお世話になったな。
町に行くのは不安しかない...ってか場所さえわからんが。
いいか、どうせ暇だし。
俺は手を合わせ、念じる
『よ』
『もう慣れたもんだね』
『まあな、んで、聞きたいことがある』
『なんだね』
横道にそれるのは結構直った気がする。会話に面白みが無くなったっちゃそうだが。
『町の場所、それから今後について話そうぜ』
『了解。まず町の位置だが...歩いて12時間ほどだな』
意外に近いな、と思いつつ、野営の可能性も出てくるので、近くはないかもしれない。
『なるほど。ナビは任せたぜ、天精さん』
『もちろん。で、今後については?』
『俺は嫌われる連中だろ?』
『うむ』
『んで、町に入るには関所みたいなところがあると俺は思っている』
『うむ』
『俺は...中に入れるか?』
『なるほど...それに関しては心配ない。なにせ...』
天精が言いかけた瞬間、卵がバキッと音を立てて割れた。
『すまん、またな』
『了解した。またいつでも呼んでくれ』
テレパシーを中断し、俺は卵に意識を向ける。
バキッと音が続く。今は昼だ。思ったより早いが、まあいいだろう。
初めの音がなってから数分。ついに頭が見えた。
「ガアアア!ガアアア!」
「う、嘘だろ...」
「めちゃくちゃかわいい」
「ガアアア!」
俺は頭をなでてやる。生まれたてなのに、うろこがついていて少しざらざらする。
すると、脳内にいつものメッセージが送られてくる
『職業:無職から職業:魔物使いになりました』
って、今まで無職だったのかよ。
『サブマジック【相棒魔物進化権】を入手しました』
進化先は俺が決めれるようになる…っぽいな。
『サブマジック【いずれ世界を変える者】を入手しました』
なんだそれ、かっけえ。
『ウェポンマジック【相棒魔物リンク】を入手しました』
なんだろこれ、よくわからんな。
『サブマジック【相棒テレパシー】を入手しました』
天精のあれか?
魔法の詳細が知りたいが...
『魔法解説 が解放されました』
『装備解説 が解放されました』
うっしきた!そうだな、まずは、相棒魔物リンクだな
【相棒魔物リンク】
相棒と魔力を共有し、互いの魔法を自由に使える。
つまり、このドラゴンは俺のミアルを使えるのか
「ガアアウ!」
よしよし、と頭をなでると、目を細めて喜ぶ。かわいい。
さて、もう1つ...いずれ世界を変える者、これなんだ?
【いずれ世界を変える者】
いずれ世界を変える者に与えられるボーナススキル。相棒の進化先を大きく左右したり、一部の魔法の効果を上げたりする。常時、隠蔽もしくは偽造の効果がつく。同じスキルを持つ者には通用しない。自分にこのスキルがあることを自覚しない者もいる。
ほう、相棒がめっちゃ強くなるのか。いやなんか物凄いかみ砕いたが。
とりあえず、ドラゴンに肉を食べさせよう。
いろいろ見ている間に全身が殻から出ていたので、豚肉を指さす。
「ガアウ、ガ?」
その直後、テレパシーが送られてきた
『あれたべていい?』
うん、とうなずくと、ドラゴンはよろこんで飛びついた。
ドラゴンって毎回呼ぶのもあれだな、名前決めよう。
名前は...できれば中二病な感じがいいな。うん。そうだな...
よし、アリオン、君の名前はアリオンだ!
『名前を設定しますか?』
おう、あの子の名前はアリオンだ
『子ドラゴンの名前を【アリオン】に設定しました』
よし、いいな、アリオン。
アリオンはブタを食べつくすとこっちによってきた
「ガウ、ガアアウ!」
『もっと食べたい!もっと!』
「ったく...わがままだなあ。少し待ってろ、とってきてやる」
「グウ、ガアア!」
『俺も行く!おれも!』
「なーにいってんだ...と思ったが、まだステータス見てなかったな」
俺はアリオンのステータスを見る
・名前:アリオン
・種族:子ドラゴンLv1/5(通常10)
・職業:相棒
・HP:120/190
・MP:150/200
・装備
竜のうろこ
・ウェポンマジック
ドラゴンヴレイヴ レアS MP20
フィルア レアB MP10
グロウ レアB MP10
ハイドロブレス レアB MP10
・サブマジック
いずれ世界を変える者 レアSS+ 偽装中
相棒テレパシー レアS
レベルUP上限引き下げ レアS
成長速度UP レアS
うっわ、くそ強いじゃん!?なにこれチート?ってレベルだぞ!
つか、すぐ進化しそう、なんだよレベルUP上限引き下げと成長速度UPって。絶対組み合わせちゃダメな奴だろ。
い、一応確認しとくか。
【レベルUP上限引き下げ】
レベルUPまでのレベルを引き下げる。特殊魔法でさらに効果が増す。
【成長速度UP】
成長速度が上がり、経験値が2倍になる。特殊魔法でさらに効果が増す。
思った通りチートだろこれ。しかし【特殊魔法でさらに効果が増す。】ってあったが特殊魔法ってなんだ?まあレベル上げたら来るのかな?
ん、まてよ?
【いずれ世界を変える者】
いずれ世界を変える者に与えられるボーナススキル。相棒の進化先を大きく左右したり、一部の魔法の効果を上げたりする。常時、隠蔽もしくは偽造の効果がつく。同じスキルを持つ者には通用しない。自分にこのスキルがあることを自覚しない者もいる。
も、もしかして...
やばい、これ思った以上にチートだ。
レベルUP上限引き下げと成長速度UPが最高高率で同時稼働だと?バカげている。まあ、そんなことをするのはあいつしかいないだろうが。
「ガウウ、ガア!」
『いこ、いこ!』
ああ、ごめん、忘れてた。
『もう...おなかへった!いこ!』
『わかったから...静かにしろ!』
『はぁい...』
よしよし、と再度頭をなでて、洞窟を出る。そんなことをしながら、思った。
俺、こいつに滅ぼされないだろうか…
1日でこれだけかけました!疲れた...
まだあと少しは序章が続きますので、お付き合いください。