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7.2日目 知恵

 決意も固まった所で、俺は今すべきことを考える。


 まず、肉の確保。ドラゴンが孵ったときにどれだけの食料が必要か分からない。最悪の場合、孵ってからも肉を取りに行くことになる。

 次にレベル上げ。毎度のことだが、この風貌で警察...この世界では衛兵か?に厄介事を吹っ掛けられる可能性は低くないってかむしろ高い。おまけに魔獣使いということで、もっとややこしくなるだろう。

 そして、魔力の温存。ミアルできれいな水はいつでものめるが、MP25という俺のステータスではすぐに枯渇するだろう。この世界ではHPMPは寝れば回復するが...それでも微々たるものだ。MP回復系のモンスターを倒して、回復魔法を手に入れておきたい。


「そう考えると、することたくさんあるな...何からすべきか...あ、そうだ」


 俺は手を合わせ、テレパシーを送る。


『やあ、ずいぶん早いじゃないか』

『こっちも急用ができたんで、手伝ってもらうぞ』


 今回は早めに本題に行けた。やった、成長したぞ、俺。


『ふむ、なるほど。で、急用とは?』

『ああ、単純だ。回復系の魔法を持っているモンスターはいないか?できればこの周辺』


 MPかHPどちらでもいいので回復魔法はほしい。


『なるほど、それなら...ノベルガエル、プリンケプスガエル辺りだろう』

『ぷり...なんだって?』

『プリンケプス。この国の名前だ』

『なる。んで、それはどの辺に?』

『具体的にはそこらの泥沼にいる。ノベルガエルはHP、プリンケプスガエルはMPだ。覚えておくといい』


 うわ、泥沼か...正直、いきたかねえよ。まあ、いきるためだし腹括るか。


『そういや戦力は?』

『個体差があるが、君よりは下であろう、安心したまえ』


 ほっ、と胸を下す。実際、あの亀レベルが出てきたら終わるぞ俺。


『ただ...』

『た、ただ?』


『泥沼はあの亀...タートルドラコのような魔物が高確率でいる』


『マジかよ...俺泥水啜ったときなんも来なかったぞ。』

『それはほんとに偶然だろう、君の運がよかっただけだ』


 マジか、俺ものすごい強運じゃねえか。

 ん、待てよ…


『じゃあ、そのなんもいない泥沼に行けば...』

『残念ながら、強大な魔物がいないところにはカエルはいない。魔物の魔力にひかれて集まるからね』


 ダメだ、それはまずい。でも、それがないと安心して過ごせない以上...


『やるしかねえってのか...ったく』

『きみは世界を変える人間だ。これごときで折れていては話にならない』

『上から目線だな、まあいい、俺は言ってくる』

『頑張ってね、私としても、ここで死なれては困る』

『...なんかいろいろあるんだな。んじゃまた』


 そう言って手を放して、テレパシーを終了した。


「大丈夫か?おれ」


 ま、まあ亀より弱い可能性もあるし...ね、あるよね?

 心が揺らぎつつも洞窟を出て、泥沼を探す。

 途中、ノベルウルフやらプリンケプスウルフ(ノベルウルフの亜種らしい)に出くわしたが問題なく蹴散らした。レベルが上がったおかげで、この程度なら問題ない。

 俺はまず1つ目の沼を見つけた。ここには、カエルはいなかった。

 2つ目。ここも居ない。少し静かすぎる。

 そして3つ目を見たとき、俺は腰が抜けたようにその場にひざまずく。


「何だよ...あれ」


 そこには、あのタートルドラコをむさぼっている、鰐がいた。


「やばいってレベルじゃねえな、あの亀より強い…ってとこか?」


 とりあえず種族説明を開く


【ノベルアリゲイト】

ノベルの川の生態系の上位に君臨する。魔法も肉弾戦も得意だが、目立った装甲は見られず、素人でも好きさえあれば倒せる。無論、その隙がほぼ無いが。


 うげえ、やばそうな奴だ。後回しに...

 そう思って足元を見ると、カエルがいた。

 こ、こいつって


【ノベルガエル(雑種)】

ノベルガエルとプリンケプスガエルの交配種。回復特化だが、それだけで何も使えない。冒険者は狩ろうとするが、大抵周辺の魔物にやられる。


 よし、とりあえず潰しておくか。

 俺は未だに持っている錆びた剣で切った。


『経験値を3入手しました』

『【HPMP自動回復LV1】を入手しました』

 うし、きた!まずはステ確認


・種族:ノベルアリゲイト

・HP:30/50

・MP:90/160

・ウェポンマジック

ヴォルア レアA MP75

アクアブラスト レアC MP10

バーサーク レアD 大混乱 HP20

火事場 レアE HP20以下で発動 防御低減大

ミアル レアE MP5 

・サブマジック

なし


 HP低いな...と俺が思っていると、鰐がこっちを向いた


「グルアア!」

「っ!」


 まずい、と直感で分かった。これはアクアブラストだ。

 慣れてはいるがそれでもきつい。


「ぐぬぬ、あいつを倒す方法は...」


 まずアクアブラストはこの泥沼では最強の武器だ。それはわかる。

 ヴォルアは何かわからないが、なんかやばそう。

 バーサークは、狙えば行けるかもしれないが、今の状況的にまずい。理由は火事場だ。

 火事場はHP20以下で発動、バーサークはHP20消費、そして今の体力は30。

 もしここでバーサークを使われてしまえば、火事場&バーサークという恐ろしいことになるのは見えている。

 じゃあどうする?ヴォルアが弱い魔法なのにかけるか?

 いや、レア度的にそれはないだろう。あれはおそらく必殺級の魔法だ。俺がまともに受けられはしない。


「くっそ、完全に詰んでんじゃねえか...」


 いや、考えろ、俺。ピンチはチャンスだ。そうだ、逆に考えろ、相手の魔法の欠点を見つけろ。


「そうだ!」


 解決方法が分かった瞬間


「グルルルル...ガァ!」


 赤い光が鰐を覆う。いまのって...

・HP:30/50

・MP:10/160

 ヴォルアか!しかし思ったより大したことないな。

 そうおもった瞬間、鰐の足元の地面が割れた。

 なるほど、ヴォルアはおそらく身体強化魔法だ。ここでは一番厄介だ。

 ここにバーサークが来れば


「ガガガ...アア」


 再び赤い光が体を覆う。

 HP:15/50

 バーサークだ。


「ガキャバオウ!」

「ここまで計画通り!あとは...」


 こっちに鰐が来れば完璧だ。俺は沼から離れ、距離をとる。

 鰐が突進で来た。これは勝った!

 俺は素早く鰐の突進を察知し、木の裏に逃げるそして、鰐の視界から外れる


「グア?」


 しばらく立ち止まっていたが、すぐに鰐は


「ガラアアアア!」


 口から水のブレスをはいた。ミアルだ。

 ミアルが来たということは、あれが来る!

 俺は素早くミアルを唱え、それを鰐に向かって投げる。

 きずいた時にはもう遅い。


「ギャアアアアオン」


 アクアブラスト。それは一定範囲の水に反応しておこる技だ。無論、それは他の者の魔法でも有効だ。


「これが、人類と魔物の違いだ!」

「グアアア!ァァ...」


 俺は、鰐がミアルを唱えた瞬間、素早く手に持っていた水の玉...予め、ミアルで作っておいた球を投げた。すると、アクアブラストで俺のミアルは爆発し、鰐に大ダメージ...ということだ。


『経験値を150入手しました』

『レベルが14上がりました、ステータス割り振りができます』


 ほう、いいね。そして...


『ウェポンマジック【アクアブラストlv1】を習得しました』


 っし来た!いいねえ、攻撃魔法は魅力的だ。

 しかし...


「結構体力やべえな...」


 HP15。これはもう帰ったほうがいいかもしれない。幸い、自動回復で少しマシになるからいいか。

 道すがら、ノベルウルフを蹴散らす。今晩の肉だ。ドラゴンの分は、明日狩りに行く。今日は化け物2体も相手して疲れた。

 1キロほど歩き、洞窟についた。もう今晩は寝よう。

 その後は特に何もなく、朝を迎えた。


卵が孵るまで、あと1日

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