3.1日目 序盤の宿敵
「グルルルル」
1頭の狼が現れた。
「狼なんて見たことねえな、ニホンオオカミは絶滅したらしいし」
と軽口をたたいてみたものも、足はがくがくだ。まず、殴り合いなどしたことがない。そして、痛いのにも慣れていない。そして、どんな魔法を使ってくるかわからない。
「八方塞がりとはまさにこのことだな。剣道でもしとくんだった」
後悔しつつも、時間は待ってくれない。俺は卵を遠くに置き、臨戦態勢に入る。
「ガハアッ!」
飛びかかってきた。がよける。
「伊達にドッチボールの避け最強を名乗ってたわけじゃねえぜ!」
もっとも、こっちは当たったら死ぬ上に大きさもかなり違うが。
「そういや、アナウンスがどうとか言ってたな。おい、天精!」
大きな声で呼ぶ
「天精!こいつのステータスをくれ!」
すると、声は来なかった。しかし、脳内にRPGのバーのようなものが浮かぶ
種族:ノベルウルフ
HP:30/30
MP:9/10
「ノベルウルフ…いい名前じゃねえか。いやよくわからんが」
「ガルルルル」
「しかし、魔法とかはまだ見れんのか。くそう。そうだ、自分のステータスとか見れるのか?」
再びバーが浮かび上がる
名前:北風斗星 Lv1
種族:人間
HP:40/40
MP:5/10
装備
ジャージ×1
スニーカー×1
運動ズボン×1
おうふ...MPごっつり減ってやがる。テレパシーか。しかし、ステータス互角!これは勝つる。
「グルアア!」
「ぐぅ...」
いてぇ!普通に食らった!超いてえ!
俺はそのまま蹴ってノベルウルフを蹴散らした
「はぁはぁ..いてえ...つか、武器な、しで戦闘か、よ...」
普通に痛い。HPは…
HP:25/40
うわ!ごっつり減ってやがる!虚弱体質すぎんだろ俺!
「なん、か使え、そうなも、のは...あったぞ、さびた剣」
俺は足元に落ちていた権を拾う。
剣なんてまともに振れそうにないが、使わしてもらう。それが今できる最善策だ。たぶん。
「うおりゃああ!」
思い切り剣を振ってやった。
「キャヒン」
うっし、なかなか入っただろ
HP確認しよう。
HP:10/30
よし!これはいけるで!
「最後のぉ、一撃ぃいい!」
大きく右向きに振りかぶったそれは、ノベルウルフの体を真っ二つ...とはいかずあっさり避けられる。
しかし、俺はこれを逆手に取った。
「かかったな、これが頭脳の力じゃああああ」
振りかぶった剣をその勢いで左向きに1回転させる。避けるのを予測しての行動だ。
「グルアア...ガァ...ウーン」
ふう...やったか?
HP:2/30
若干生きてんな、よし最後だ。
「ありがとな、ノベルウルフ。いいやつだったよ、適当だけど」
そう言って首に向かい剣をふりおろす。
「ガウゥ」
『経験値を10入手しました』
聞き覚えのある声。天精だ。
『LVが2に上がりました』
『HPが半分回復しました』
『ウェポンマジックとサブマジック観覧が解放されました』
『ステータス画面整理が解放されました』
…あ、終わりっすか、そうっすか。
まあステータスでも見ときますかね
・名前:北風斗星 Lv2
・種族:人間
・HP:40/40
・MP:5/10
・装備
ジャージ×1
スニーカー×1
運動ズボン×1
・ウェポンマジック
なし
・サブマジック
天の声干渉 レアS MP:1
基本ステータス観覧 レアA
ウェポンマジックとサブマジック観覧 レアA
ステータス画面整理 レアA
ほう。点がついて見やすくなってるな。ウェポンマジックとか、その辺何なの天精さん
『ウェポンマジックは主に戦闘、サブマジックはそれ以外に使われる魔法です。MPを消費するものは、横にMP:○○と記載されています。レア度はE~SSプラスまであり、SSプラスが最高位魔法です』
ほえーなるほど。ってかあれ、天の声ってそんなにレアなんだ。てことは周りのやつらはステータス観覧も持ってない確率が高いのか。なるほどこれはいい収穫だ。しかし、それより…
「やべえ、喉乾いてきた」
あれだけ動いたから仕方ないか。きれいな水は…ないか。仕方ない、泥水飲むしかねえのか
「うわ、飲めねえ。これが平和ボケか」
若干違うと思うがとりあえず、極上スープに脳内変換すればいいか。
「ごくごく」
うん!この芳醇な泥臭さと、まろやかな口どけ…そして極めつけは口の中で暴れる謎の生物...
「おえっ!やっぱむり!なんかやばいものついた気がする!」
泥水は泥水だ。浄水場を通った水と一緒にしてはいけない。
「浄化魔法とかねえのかよ」
『不浄耐性Lv1が解放されました』
いや違うそうじゃない。クリーンにする魔法がほしいの!
『浄化の輪 はまだ解放できません』
お、おう...我慢するか。水が蒸留できるような装置作らないとな。
森の奥に進んでいくといい感じの洞穴があった。
「いいねえ、今夜...ってか拠点はここにしよう!決定!」
今夜の食料はノベルウルフの肉だな、火おこしが問題だが...
まあ、なんかぐるぐるやってたら行けるっしょ
...つかねえ。どうしたものか。
ん?ここにマッチらしきものが落ちてるが...都合よくね?
そう怪しみつつも使うと、
「ついたぞ!やった!ヒャッホウ!」
現実にいたら味わえないだろう喜びを感じた。
その夜は何事もなく、朝を迎えた。
卵が孵るまで、あと2日
1日でここまで投稿できました...(しんどかった)
これからは週1で上げるぐらいのペースでいきます。
気合入ったらどんどん書きますので、それまで待っててください!