表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

愛を知った2人

激甘…ではないです!…多分?

戦闘描写とかあります。

と言っても、軽めです。

ちょっとHな描写もあります。

苦手な方はUターンして下さい(´・ω::.

そのいーち!


ズゴンッバコンッ!

キキキキーッ!!ガッッシャーーーン!!!


はい。死んだー。

『ガッッシャーーーン!!!』で死にましたよ私。

どうしてだって?

そりゃ誰だって超大型トラックと壁の間に挟まれれば死にますでしょうよ。

高校1年生、花のお年頃の女子高生になんて仕打ちだ。私はただもうすぐやって来る筈であろう『春』に夢を抱いて、人目も憚らずにニヨニヨと妄想していただけじゃないか。そんな初心で可憐な私になんてしう(ry…まぁ、そんなこんだで私死んじゃったみたいなんです。

目の前にいる超絶美形(白金髪に金眼)が、土下座しながらそう言ってますた。

もうさ、なんて言うかね…うーん。

アレだね。


「ふざけんなこの糞がァァァァァァ!!!!」

「ぐはあああっ!!!」


土下座していた超絶美形の背中に思いっ切り踵落とし。うわっ、痛そ〜。自分でやっといてなんだけど、超痛そ〜。まぁ、私を死なせたんだから当然の報いだよね?


「ず、ずびばぜん…まじでずびばぜん…」

「すみませんで済んだら警察いらねえよ。何人の事勝手に殺してんの?何間違いで殺しちゃってんの?死ぬの?ねぇ死ぬの?死にたいの?」


ゲシゲシとヤクザさながらにメンチを切った。

誰だって間違いで殺されたら怒るに決まってんでしょーが。この際相手がイケメンだからって容赦はしねぇー。無類のイケメン好きを誇る私にも関わらず、容赦はしねぇー。


「分かってるよね?神様を束ねる創世神様なら謝罪なんて朝飯前だよね?見本だもんね?」

「申し訳御座いませんでした」


綺麗にきっちりかっちり土下座をする超絶美形…もとい神を束ねているらしい創世神。

こいつ私の事を間違いで死なせたんだぜ?

そんで、慌てて私の魂が消滅する前にこの真っ白な空間に呼び寄せたんだとー。

傍迷惑な奴だ。神の癖に何間違い犯してんだ。

ちゃんと仕事しろ阿呆が。


「大体、創世神の癖に暴走した部下を止められずに挙げ句それに一般人の人間が巻き込まれて死ぬってどういう事よ?」

「返す言葉もございません…」

「でもまぁ、神だからこそ干渉してはいけなかった事もあるのかもしれないけどさ」

「その通りです。実は神というのは思いの外制約というかルールが多いんです。他の神の見守る世界に干渉してはいけないとか、どれか一つの種族を贔屓してはいけないとか。贔屓してしまえば生態系のバランスが崩れてしまう故に」

「結構面倒なのねぇ。創世神にもなれば部下の尻拭いとかもあるでしょう?」

「そうなんです!もう私の部下にそれはそれはミスばかりを起こす世界神がいまして!挙げ句1人の人間に惚れて、その者だけを贔屓し天界に連れ込んで本来世界を見守り、管理する仕事をほっぽり出して!そういう神がいるせいで他にも同じ事をする神が増えてきちゃって!その神達の仕事が私に回ってくるんですよーー!!」

「いや何その神。超駄神じゃん。なんで神の座から降ろさないのさ。それこそ愚の骨頂じゃん。ちゃんと仕事をする勤勉な天使を世界神とやらに昇格させるなりすればいいじゃん」

「その手があったか!!!」

「……あんた馬鹿なの?」


私は残念な頭の創世神を見る。

説明し忘れたけど、私、この創世神の不祥事に巻き込まれて死にました鏡祇(かがみかみ) 月詠(つくよみ)と申します。名前だけなら凄く神聖っぽいけど、実際は二次元大好き平凡中の平凡を誇る私でございます。両親は年齢不詳の美男美女夫婦ですけどね!2つ下にいる妹も可憐な清楚系美少女。悲しい事に…非常に悲しい事に、その素晴らしい遺伝子を引き継がなかったんです。

とまぁ、それは置いといて。

晴れて希望の高校に入学出来た私は優しくてイケメンな恋人ができることを妄想しt…夢見て登校してたんです。そして、通学路である曲がり角を曲がった途端、超大型トラックと壁の間に挟まれ、意識がブラックアウトし死亡。目覚めたら超絶美形もとい創世神に土下座されるという状況だ。

なんでも創世神から話を聞くと、創世神の部下で地球を担当する世界神(女神らしい)は、私の高校にいるテレビでも取り上げられる程に神がかり的に美しい男の先輩に恋しちゃったらしい。自分の側近(愛人ともいう)にしたくて、天使にする為に天界に引き上げたんだそうだ。それが創世神にバレた世界神は、慌てて先輩を隠そうとするも創世神にその先輩を地球に戻される。怒り狂った世界神は、創世神に攻撃するも弾き返されて終わりーーーの筈だった。

なんと弾き返した世界神の攻撃…悪意が超大型トラックの運転手に直撃。駄神とはいえ神の攻撃をモロに食らった運転手は意識がブラックアウト。舵者のいなくなった超大型トラックは、ちょうど歩いていた私を壁の間に挟み、そのまま『グチャッ☆』である。

グロイ…グロ過ぎる……!

思い出したら怒りが湧いてきた。


「ほんっとに馬鹿過ぎて…困っちゃうなぁ?」

「ヒッ……!!」


ビクンと怯える創世神。

ーーー殴りてぇ…。


「はぁ…それで?何か用件があって消滅寸前の私をここに呼んだんでしょ?」

「あ、はい。えぇと、こちらの不手際で月詠さんを死なせてしまった訳ですから、転s「お断りしまーす」ぇぇえええぇぇ!?」

「あのねぇ、今更転生とか面倒。せっかく人が良い人生を送ろうと必死に努力して努力して、やっとその努力が実に実ったのに、そんな絶好調の時に死んじゃったんだもん。今までの努力が無駄になった。それなのにまた一から出直せって?冗談じゃない。もう死にたくない…というかもう努力を無駄にしたくないね。よって転生は御遠慮願いますわ」

「そ、そう…だよね…」


ションボリとする創世神。

何故だろう。犬耳と尻尾が見える。

創世神に犬属性なんて性能があったのか!?

か、可愛いなんて思ってないからな!思ってないんだから!!


「ま、まぁ、どうしてもって言うのなら転生してあげるけど?」


ぱぁぁぁっと顔を輝かせる創世神。

な、なんだこの可愛さは!?

これがワンコの力なのか!?

ワンコ神が尻尾をふりふr…創世神が綻んだ顔をそのままに、私に幾つかの資料を渡してきた。


「どうぞ。これはこれから転生する世界の資料です。それからこっちはギルドとか魔物とかのランクに関する資料で、これがまぁ社会情勢とでも言うのかな。貴族とか政治に関する資料。すまないけど、基本的に転生する生物に関して何に転生するかは教えちゃいけない規則なんだ。ゴメンねぇ…でも、色々守護とか魔力量とか特典付けとくから、安心して!強くてニューゲームだから!!」

「まぁ、贔屓しちゃいけない神がここまでしてくれるんだし、ここで断ったら鬼畜過ぎるもんね。仕方が無い。強くてニューゲームっていうのには惹かれるから転生してあげる」

「ふふふ。月詠さんは、転生後、何をしたい?」


突然の質問に目を丸くした。

これから行く世界は、日本…ましてや地球ですらない。地球の常識が一切合切通じない、別世界だ。

楽しみと言えば楽しみだ。

けれど、今までの常識が通じないという事は、それだけ知らない事があるという事。むしろ、無知とさえ言ってい。赤子同然に異世界に放り出されるというのは、些か…いやとてつもない不安と恐怖、そして孤独がある。

そんな私の考えを見抜いたかのように、創世神は優しく微笑んだ。


「大丈夫だよ。私がいつでも月詠さんを見守ってる。君に危険が無いように、君の心が傷付かない様に、私が君を愛し慈しんであげよう。それが創世神ではない、ただの私が唯一出来うる事だから」


愛しげに見つめられ、甘い言葉を吐かれ、私の顔は今真っ赤に染まっている事だろう。


「私は…自由で好きな様に生きて行けたらそれでいい。何者にも縛られず、自分の思うままに生きていければそれでいいと思う」


ポツリと呟く。

私は、暴力こそ無かったけれど、そこそこ仲の悪い家庭環境だった。

外聞だけ気にする両親。

両親の良い所を受け継ぎ、容姿だけは良い我侭な妹。

平凡な私。

可愛い妹だけを両親は可愛がり、平凡な私を家族は厭った。

そこに愛なんてない。

だからこそ、レベルが高くとも家族から離れられるからと全寮制の高校を選んだ。

蔑んでくる家族から逃れる為に必死に努力した。

私を必要としていないなんて、小さな頃から知っていたから。


「そっか…。なら、君にはとっておきの環境を与えようね。孤高で酷く寂しがり屋な私の愛し子。安心して。愛情も、優しさも、楽しい事も。私が何でも与えてあげる」

「ありが…とう…っ…」


ポロポロと涙を零すと、創世神が優しく涙を拭ってくれた。

思わず抱き着くと、それはそれは嬉しそうに笑ってくれる。


「創世神の名前は?」

「私には名前というものはないんだ。創世神というのは唯一無二の存在であるからね」

「じゃあ、私が付けてもいい…?」


少し悲しそうに微笑む創世神に、恐る恐る上目遣いで聞く。

先ほどまで泣いていたから瞳は潤んでいる。


「勿論!月詠さんが付けてくれるなんて嬉しい…!」

「じゃあ…(ヌル)。始まりを意味するから」


「零…零…か」と小さく反芻する創世神…零に微笑む。

零は私の顔を見つめて、破顔した。

それは泣きそうに歪められて、けれど溢れんばかりの嬉しさに包まれた美しい笑顔だった。


「ありがとう月詠さん。私は君という存在のお陰で自分という存在意義を証明する事が出来た。だから…君が再びここに来た時、私の花嫁になってくれる?」


不安そうに訊ねる零。

何故だか普通の人間と変わらない様に見えてしまう。

神も人間と同じように恋をし、愛を知る。

だからこそ、神は人間を見守るのだろう。

自分達と良く似た、愛しい存在を。

私は、零から離れた。

その仕草に、零は悲しそうに目を伏せる。

そして、何か話そうと口を開いた時、私は再び抱き着く。

ーーー強く。強く。

そして言う。


「こんな出来損ないの私だけど…よろしくお願いします。未来の旦那様」


目を見開き、ハッと息を呑む零。



ーーー私は、この時初めて愛を知った。




ラブストーリーは初めてです。

グダグダですが生暖かい目で見てって下さい┏○Σ○┓イテッ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ