3人の少年現る!
俺はその声に反応し後ろを見ると、そこには奇妙な3人の少年達が床に足をつかず浮いていた。
奇妙な3人の少年達は口々に再び言う。
「また君は高瀬と話したいかい」
と。驚きのあまり現実から離されかけていた俺の意識は引き戻される。
「お前達は誰だ!」
「僕はラシアン・ルフ。お面は僕自身のためにしている。」
――――1人はラシアン・ルフと名乗る少年。お面をしていて表情がわからない。身長は135センチくらいだろうか――――
「僕はラシアン・ライオットだよ!ルフの兄で右目は昔ある出来事によって失っちゃった!」
――――1人はルフの兄と名乗る白髪の少年。右目は閉じられており、どうやら昔失ったらしい――――
「俺はリーガス・コポルド。両目は見えないが【空気】の流れ、その人の【波長】によって場所を把握している」
――――1人はリーガス・コポルドと名乗る少年。体は3人の中で一番でかく力がありそうだ。両目は見えないらしい――――
3人の存在を確認出来た所で話を戻す。
「話したいかいってどういう事だ?」
俺は聞いた。
質問に少年たちは困っているようだ。 少しの沈黙
「そのまんまの意味だよ?また話したいの?会いたいの?」
「あぁ。会いたい。話したい。」
俺はそう答える
「だったらさ!魔物の討伐一緒に手伝ってよ!」
魔物の討伐?
なんだそれは。 からかわれているのだろうか。
この少年達に。
俺は・・・
「なんだよ魔物って。ふざけてんじゃねぇよ! そんなもんこの世界にいるわけないだろ!」
俺の声が響くなか少年の一人ライオットは冷静に、
ただ静かに、話を続ける
「いるさ!この世界に魔物は存在する。クロック様がそう言ってたんだ」
ライオットは元気にそう言う。
クロック・・・?
どこかで聞いたことあるような、
さそれも最近。
ッーー
朝の出来事が頭をよぎる
どこかで聞いたことのあるその名は、朝の青年が喋っていた名前と一緒だった。
「クロック?誰だよそりゃ」
ライオットは続ける
「クロック様。遥か昔、地球の寿命さえ越えるその人はこの世に地球を、時間を、僕達を、そして生き物を創ったとされる神様だよ。」
俺は呆然としていた。
証拠こそ無いものの、そんな神がこの世に存在するなんて事に驚いていた。
「証拠はあんのか!そんな奴がこの世にいるって証拠は!」
少年達は平然とした顔で一言、揃った声で言う
「無いよ」
と。
「神様の存在は信じなくてもいい。だけど魔物の存在は信じてほしい。今日の夜10時になると魔物は近くの中央区西公園にでるとクロック様がおっしゃっていた。君も来るんだ」
なぜそんな当然そうに言ってくる?
俺は行く気なんて無い。
「俺は行かない。お前達で勝手にやってろ」
少年は三度目問う。
「君は会いたいの?高瀬君に。君がいつか必ず会いたいなら来るんだ」
――――俺は返事をするしかなかった。
「わかった。10時に中央区西公園。行くよ・・・」
そう言うしかなかった・・・
またいつか会うために。
少年達は返事を聞き、俺の前から消えていった――――
――――――――――――――――
時間は進み夜の9時50分。約束の時間まで10分となった。
俺は着替え、家をでる。
西公園に魔物は本当にでるのだろうか。
魔物なんて信じても疑いもせず、いないと思っていた俺の脳はいつしか "無視" から "疑惑" へと変わっていた。
西公園に着くと5分前の9時55分。その場は空気だった。回りを見渡しても誰もいない。
俺はベンチに座って待つことにした。
9時58分少年達は来ない。俺はからかわれていたのだろうか。
そして10時になった。
腕時計を見ると時計は進んでいる。今日は普通の1日か。
10時過ぎ10時5分となった。少年達は来ない。
俺は帰ろうと自転車に乗った。
その時だった――――