8話 これから何しよう?
メリークリスマース
いえーい
並んでる途中俺は考えていた。これから何をしようかということを。
まずは、この国(?)の首都とか王都とかで店でも開きたいかなぁ。見た感じ電気とか無いみたいだし。俺の前にいる馬車には、俺の知る料理なんてないし。ただ、材料は結構地球のと似てるから地球の料理が作れそう。いつか『職人ノ頂』を試してみようかな。
とりあえず、料理を出すのは決まりかな。地球の料理はこの世界に無いみたいだし、それなりには稼げるかもね。
……あとは鍛冶と裁縫かな。『職人ノ頂』にあるし俺、小さい頃から手先が器用だったし、なにより一番稼げるしね。
でも、店を構えるには家兼店の建物が欲しいよなぁ。…まあそれはどうにかなるけど。
問題は材料だよなぁ。商人かなんかから買うのもいいけど、俺そういうの全く分からないんだよね。……自分で集めようかな…?それが一番低コストで楽か。なら冒険者にならないと。
でもルルーナが言ってた、魔法学校にも行ってみたいなぁ。魔物を狩るのに物理だけじゃ心もとないし。
なにより魔法の世界にいるんだ。魔法ぐらいは使いこなせないとな。
他には……
………ああもう!!考えるのめんどくさい!とりあえず成り行きに任せればいいや。
そう自分のなかで結論付けたところで、ようやく俺の番がまわってきた。
「市民証明カードかギルドカードを持ってるか?」
かっこいいバリトンボイスで問いかけてくる32歳のヒューマン(勿論『観察』による情報だが)が、この門で検問をしているようだ。名前はシンスらしい。
彼のステータスを覗いてみると、LUK以外すべてCランクだった。周りの兵士たちのステータスも見てみるが、すべてCランクだ。…おそらくそうなるように訓練してるんだろう。
とかしてたら怒鳴られた。
「おい!早くしろ!後ろがつかえる。」
……やべぇ。こえぇ。俺怒られるの苦手なんだよなぁ。さっさと返事するか。というか、怒鳴られたから条件反射で返事しちゃった。
「す、すいません、持ってないですぅ。だ、だからそんなに怒鳴らないでくださいぃ。」
……ゑ?これが俺?
「なっ……。…すまない。取り乱してしまった。最近は特に張り詰めていてな。許して欲しい。ところで、さきのどちらも持ってないんだな?なら、顔を見せてほしい。」
そういや、俺さっきからずっとフード被ってたな。顔を見せなきゃいけないなら仕方ないか。
そう思いフードをとる。
「なっ……」
ここで沈黙。シンスは俺の顔を凝視していた。いや、シンスの周りの兵士たちも各々の作業を止めて、俺の顔を見ていた。やはりオッドアイは珍しいのかな。
というか後ろの人たちが騒がしくなってきた。結構待たされてるからな。そうなるのも必然だろう。
いい加減俺も、この空気が嫌になってきたし声かけるか。
「…あ、あのぉ……。どうかしましたか?」
するとシンスは我に返ったようだ。周りの兵士たちはいまだ動かず。
まあいっか。
「……コホン。通って良し。この目の前にある通りの突当りに役所があるから、そこで市民証明カードを作ってもらいなさい。途中にギルドがあるが役所に行った方が良いだろう。ギルドには柄の悪い奴らが多いからな。では、気をつけて。」
「あ、ありがとうございます。」
さっきの沈黙はなんだったんだ?
……まあいい。とりあえずそのギルドとやらに行こうか。
ようやくギルドに到着!