7話 とりま現状確認かな そのよん
嗚呼……
読みにくい気がする…
こっちもまた、チュートリアルにあったように唱える。
「アイテム」
すると、ステータスのときみたいなやつが出てきた。というか今更ながら気付いたが、俺の声って可愛らしいソプラノボイスだったんだな。アニメに出てくる、気の弱そうなキャラの声。多分それが一番しっくりくる表現だろう。っと、話がそれたな。アイテムだよアイテム。今はそれだ。
……ルルーナ凄すぎだろ。大剣や双剣に始まり、弓や槌に至るまで一通りの武器と防具がある。名称は全て「女神の~」だとさ。
それに、硬貨も沢山ある。まず、その硬貨について説明しようか。
この世界では、水晶貨・金貨・銀貨・銅貨・青銅貨が通貨になっている。それぞれ100枚で一つ上の硬貨に繰り上がるが、青銅貨は10枚で銅貨になる。…で、俺はその各硬貨を100枚ずつ持っている。
因みにこの世界では、銀貨25枚が一般庶民の年収らしいから、俺がどれだけ凄い量の硬貨を持っているかは一目瞭然だろう。
それで、問題は武具の方だ。
まず一通り揃っている武器。全てにおいて『弱点特攻』と『敵魔力吸収』の性能がついている。『弱点特攻』は、対象のどの部位を攻撃してもその対象の弱点をつける、というものらしい。もう一つの方は字面の通り。
……で。防具なんだが…取り出してみたところ、日本のどこにでもいそうな女の子の服だった。…まあそれは着てから説明しようか。
それで、その防具の性能が『状態異常無効』・『SPE,LUK上昇』・『絶対防御』らしい。ね?おかしいでしょ?
…結局アイテムはそれ以外なかった。まあ着れる服があったからいっか。さっさと水浴びしちゃおう。
水浴び終了。
え?水浴びの最中に何か起きなかったかって?起きるわけないだろ。『気配察知』で常に周辺を警戒してたんだから。
…ん?そうじゃなくて俺の体について?それこそあるわけないだろ。だって自分の体だぜ?発情とかそんなことしねぇよ。強いて言うなら肩が凝るってことだな。女子がよく言ってたがまさかホントだとは。
へ?まだ聞きたいことがあるって?……面倒くせぇ。もういいだろ。しゅうりょ~。質問は以後受け付けませ~ん。つか早く着替えよう。寒い。
着替え終了。
それで今、俺はさっきの防具を装備(?)しているわけだが……なんというか…すげぇ恥ずかしい。
下はデニムのホットパンツに膝上まである…なんて言うかは忘れたが多分ストッキング。上は淡いピンク色の半袖のシャツと、前にファスナーがついているフード付きのパーカー。色は紫。で。なぜかシャツはへその上までの長さしかない。胸のせいか?胸のせいなのか?…そしてそのシャツとパーカーの左胸あたりに、トルコの国旗にあるような三日月のロゴがついている。その色は黄。
パーカーのファスナーは閉じていない。だって熱いんだもん。しょうがないじゃん。
因みに、下着は上下ともに黄色だった。黄色の下着とか聞いたことねぇぞ?…ルルーナって黄色好きなのかな?
これで現状確認は終わりだな。あとは街に行って食料を調達しないとなぁ。でも俺の口調はどうしよう?
一人称は………「ボク」が妥協点だな。口調は男っぽくならなきゃいっか。なるべく可愛く振る舞っとこう。うん。そうしよう。
えっと?ここから見える街は……この川の上流の方かな?…結構遠いなぁ。瞬間移動とか使えないかなぁ。
テキトーにやってみようかな。行きたいところを見て……俺が瞬間移動するところをイメージして……
「《瞬間移動》」
そう唱えた途端に俺の視界は一瞬で変わった。
因みに、今俺が唱えたのは日本語だ。一応俺の脳内には、この世界の言語の知識がインプットされているが、まだ日本語の方が馴染み深かったからそっちを使った。
……もしかすると、魔法は日本語で発動できるのかもしれない。けど、それは魔法学校に入ってから探ってみよう。
この世界の言語はこれから慣れようか。日々の生活には支障がでないぐらいには喋れるみたいだし。
そんなことを思いながら俺は、城壁の門に続く行列に並んだ。
さあさあこれからどうしましょう