17話 国王の隣の娘は…………俺?
かなり間が空いてしまった……
二週間に一話は上げようと思ったのに…
「………ズ。……スズ。起きてスズ!」
「……ぅにゅ………?……ああ、おはようニル。」
ニルに起こされた俺は布団から這い出る。
……やっぱりまだ眠いわ。
「ええ。スズ、おはよ…って何その格好は!!」
「…ふぇ?」
ニルにそう言われて自分の体を見下ろす。
………あ。
そういえば。昨日シャワーから出た後に面倒っていう理由で、裸にパーカーを羽織っただけで寝ちゃったんだった。
今の格好は凄く扇情的なものになってるだろう。ほら。アニメやライトノベルの挿絵とかによくあるやつみたいな?
……ていうかさっきからニルの視線が怖い…
「ね、ねぇニル?なんか怖いんだけど……」
「………」
「……な、何か喋ってよぅ…」
「…………食べていい?」
「ひぃ……!」
俺はニルから逃れるように部屋から急いで出て行った。服は《転移》を応用して、部屋を出た瞬間に着た。誰かに見られたら大変だからね。
……ちょっと待て。ニルが俺を起こしに来たってことはもう9時ってこと…?
…………
「ねぇ、受付嬢さん。」
「はい?どうかしましたか?」
「今って…何時?」
「えーっと…九時半ね。どうかしたの?」
「……王宮ってどこにあるの?」
「王宮?王宮なら二アリスの真ん中にあるけど…」
「そう。ありがとっ!」
…ニルにどうすればいいか訊いて来よう。
あれがあったから会いづらいけども……
あれから動いてないとすると俺の部屋にいるのかな?少なくともその近くにはいるだろうけど。
「……!いた!」
「…あ、スズ……」
「…どしたの?落ち込んでるようにみえるけど…」
「大丈夫よ…気にしないで。自己嫌悪に陥ってるだけだから……」
「お、おう。……じゃなくてっ!王宮ってどうすれば入れるのっ?!」
「王宮…?門番に依頼のことを言えば通してもらえるわ……」
「そ、そう……え…っと、さっきのことならボク気にしてないからね?だからボクが戻ってくるまでに自己嫌悪から脱してね…?」
「……ええ、わかったわ。ありがとう。」
「じゃ、行ってくるね。」
くっそぅ。どうしていつもこうなんだ。自然に起きるのが昼過ぎで起こしてもらっても起きるのが更にその後とか…!
まあいい。今はさっさと王宮に行かないと。
……でも報酬は何にしようか?店は開きたいけどもその前にこの大陸(?)を見て回りたいし……
そんなことを考えながら走っていると、いつの間にやら王宮に着いたようだ。
王宮は中世のヨーロッパにあるような形の城で、その城を囲うように植木が生えている。規模はかなり大きい。東京ドームぐらいあるんじゃないか?
しかも所々から剣と剣がぶつかるような金属音が聞こえる。恐らく騎士団かなにかの訓練をしているのだろう。
門には護衛の衛兵が二人立っていた。観察してみたところ、二人とも全項目ランクC。…やっぱりね。
えーっと…?依頼の報酬を受け取りに来たって言えばいいのかな?
……っていうかまだ何貰うか決めてなかったわ………
「すいませ~ん。」
「む?何用だ?」
「昨日の緊急依頼の報酬を受け取りに来たんだけど…」
「お主がそうか。話は聞いている。国王の所まで案内をするからついてこい。」
…ふう。時間については何も言われなかった……
衛兵についていくと、門から続く広い廊下に出た。
床には真っ赤な絨毯が敷き詰められ、壁には恐らく有名な芸術家が描いたであろう絵画が飾られている。
さらに所々には高級感溢れる壺や彫刻品まで置かれ、天井には鮮やかなステンドグラスがあった。
そんな廊下をしばらく歩いて行くと、5メートルもありそうな扉の前に着いた。
「この扉の向こうの部屋に国王様がいらっしゃる。くれぐれも粗相のないように。」
どうやら国王とご対面のようだ。すぐ終わってくれれば嬉しいんだけど。
扉を潜るとそこは小さな広場のようになっており、奥に国王が腰掛けている玉座があった。
隣には、国王の娘とおぼしき女の子が椅子に座っている。
念のため二人を観察してみ………!!
国王のステータスは一般人より少し高めで特に目立つスキルもないため驚くことはないが、問題は娘の方だ。
彼女の名前はリテフィア・クルスタインで俺より二つ年上の15歳のヒューマン。
俺と同じように、女神の施しを受けた者しか持たないという銀髪と黄色の瞳を持っていた。
各種ステータスは非力でひ弱な女の子でしかないが、『覗キ見』というスキルがあり、これはステータスのうち、HPからLUCまでの項目を見ることができるスキルのようだ。詰まるところ、俺の『観察』の下位互換だな。
適正魔法属性も「命」「光」「闇」と、珍しい3属性になっている。
それで驚いたのはその容姿。髪型、右目の色、耳、纏う雰囲気と、多少は違うが、それを除けば俺と同一人物だと言われても違和感を感じない程、俺と似ていた。
俺を見た瞬間国王も驚いたように瞠目していたが、すぐに平常心を取り戻したようで俺に話しかけてきた。
流石一国を治める王、頭の切り替えが早い。
「私はこのアルガ二スを治めているアーサー・クルスタインだ。お主が昨日の依頼を成し遂げたものだと聞いた。故に報酬を与えようと思う。欲しいものがあればなんでも申せ。できるかぎり用意して見せよう。」
………アーサー?あの?……いや、只の偶然だ。
「……特にないんだけど…」
「うん?無いのか?普通なら金なり地位なり言うものだと思うのだが…」
「…お金はギルドで稼げるし、地位は正直興味がないからなぁ……」
「無いというのならば、こちらとしては楽なのだが…」
「強いて言うならアーサーさんの娘さんに興味があるかな。」
「ふむ…」
「…じゃあ、報酬は娘さんとの会話ってことでいいかな?」
「…それならこちらも願ったり叶ったりだ。リテフ、彼女と暫く話してきなさい。客室を一つ用意するから。」
「……分かりました、お父様。…では……スズさん、私が……案内を…するので……ついてきて…ください。」
「りょうか~い。」
そして俺は結構近くにあった客室に案内された。…さぁて……何について話そうかな?
まず、銀髪と黄色の目について…かな。これは訊くべきだ。
後は………会話する中で話題を見つけようか…
次話は学年末試験のため、更に遅くなる可能性が極大です。
……ちなみにリテフィアを見たスズは
『俺って実はかなり可愛いんじゃね?』
とか思っちゃったり




