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始まりの歌
駅のホームで、僕はずーっと立つ。
雨がやむまで。
雨音の音楽は僕を落ち着かせる。
ここに、立っている理由をくれるから。
自分で言うのは何だけれど、僕はちょっとおかしい。
時々、無性に立っていたくなる。
雨に濡れていたくなる。
電車から降りたくなくなる。
景色をボーっと眺めて、頭の中で歌を歌う。
僕が書き、僕が語り、僕が聞く歌を。
ずっと、そうしていたい。
でも、僕は馬鹿だから、恥ずかしいって思って、名残惜しいけどそこから動く。
自分の気弱さには反吐が出る。
例え変人だと、頭がおかしいと思われてもいいじゃないか。
でも。
でも。。
今日も、でも。。に阻まれる。
でも、雨の日は、駅のホームで立っていられる。
理由を、くれる。
僕は、ここに居てもいいんだ。
でも、気付きだす。
歩いて見る景色もまた、いいものだって。